羽川翼は猫の怪異を宿している。その一方で、自身が怪異を呼び寄せてもいる。あるいは生み出している。
血の繋がらない両親との確執は地球にも匹敵するストレスとなる。それが障り猫と結びつく。
阿良々木暦は吸血鬼と繋がっている。その一方で自身は人間であろうとしている。二人の妹達との楽しく乱暴な関係は家族間の愛情に他ならない。
猫物語(黒)はそんな二人の立ち位置の違いが引き起こす物語だ。
それは暦が羽川に惹かれても、それが恋に成り得ない原因でもある。暦がけがを気遣っても、踏み込めない部分がある。
好きなら、傷をなめまわしたらよかったのだ。羽川は引くだろうが喜ぶだろう。でもそうならないのは羽川自身の科だ。
力を持つものはそのことに自覚的でなくてはならない。忍野メメは見透かしていることだが、暦と羽川はまだ気づかない。
暦の友達という言葉に複雑な表情をみせる羽川。猫物語(白)に至る羽川の魂の旅路はここから始まる。傷物語では恋心が芽生えた。それが育つとともに羽川の心を圧迫し始める。
猫になって、街を飛び回る姿は怪異でありながら比類なく美しい。もっとも美しいのは、阿良々木暦に呼び止められ振り向くときの哀しげな顔だ。それは猫ではなく、明らかに人間の、羽川翼本人の表情だ。
そしてそれこそが後半への伏線でもある。化物語シリーズはどこかに茶化しを入れたりして息を抜けるところがある。しかし、猫物語は(黒)と(白)を通してでないと落着しない。
いや、羽川翼についていえば、全ての怪異との折り合いがついても、その彷徨は終わらない。魂の安息を必要としないのかと、あまりに強すぎる。多分、もっとも人気のヒロインだと思うが、もっとも不気味な人格でもある。
猫物語(白)で一応の決着を見るが、それゆえに一層、羽川の人格は複雑怪奇なものに変化していく。それも強さを維持したままでだ。
もしかしたら、撫子よりも神社に祭られるべきは、羽川翼かもしれない。
副音声は神原駿河と八九寺真宵というなんともわけのわからない組み合わせ。でも、徹底的に会話がかみ合わないので、かえって面白い。
しかも、おかしなことにちゃんとつじつまが合っている。多分、この二人が実はヒロイン達の中でも最も常識人だからかもしれない。
本編の羽川翼がまともに見えて、その実、阿良々木暦に「気持ち悪い」と言わしめるほどの側面を持つこととの対比かもしれない。
だが、角度を変えると別の事実も浮かび上がってくる。果たして、神原駿河には八九寺真宵は見えているのだろうか、だ。
傍証を幾つか上げれば、真宵は「神原さん」と名前で呼びかけているが、神原は一度も「真宵ちゃん」と呼びかけていない。
また、真宵が神原の発言を受けても、神原は真宵の発言を受けてはいない。
決定的なのは神原が年下の女の子である真宵にセクハラをしていない。
過去の副音声では真宵の相手は二回とも羽川翼だった。だからそれ以外のキャラクターとの共演はこれが初めてとなる。
真宵との会話が成立することが明らかなのは、阿良々木暦、羽川翼の二人。それから怪異である忍野忍と斧乃木余接。
では怪異を宿す神原駿河はどうか?
今回の副音声はひどくスムーズだ。不自然なくらいスムーズだ。
独り言のように自然だ。つまり神原には真宵は見えない。神原はやはり帰る場所がある人間なのだ。
あと、忍が登場するのもうれしい。本編で「ぱないの!」の幻聴とトリプルアクセル?が美しい。
なんだかんだ言っても一番、阿良々木暦を心配しているのは彼女なのだろう。メメの「朴念仁」のつぶやきも結構、響くものがある。
それが、響かない阿良々木暦の鈍感さは見上げたもの。
いかに感想を書いても見なければわからない。
損は、ない。
猫物語(黒) 第一巻/つばさファミリー(上)(完全生産限定版) [DVD]
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フォーマット | 色, 限定版, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | 喜多村英梨, 神谷浩史, 坂本真綾, 井口裕香, 堀江由衣, 新房昭之, 櫻井孝宏 |
稼働時間 | 48 分 |
【まとめ買いフェア開催中】よりどり2点以上で5%OFF
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商品の説明
★あらすじ
美しき吸血鬼に出逢った春休みの後、
空から女の子が降ってくる少し前。
ゴールデンウィーク最初の日、
主人公・阿良々木暦は委員長・羽川翼とともに
車に轢かれた、尾のない猫を埋葬する。
些細でありふれたはずの出来事。
しかし、ここから“悪夢の九日間"が幕を開ける。
※2話収録
「つばさファミリー 其ノ壹」
「つばさファミリー 其ノ貳」
【完全生産限定版特典】
★キャラクターデザイン:渡辺明夫描き下ろしデジパック仕様
★本編DISC+特典CD(オープニングテーマ「perfect slumbers」&「猫物語(黒)」劇伴音楽集収録)
★原作者:西尾維新書き下ろしキャラクターコメンタリー
★三方背クリアケース
★特製ブックレット
★特典映像(ノンクレジットオープニング)
■キャラクターコメンタリー収録内容
各キャラクター自身が本編を見ながら語るオーディオコメンタリー
脚本:西尾維新
※商品の特典および仕様は予告なく変更になる場合がございます。
※完全生産限定版は数に限りがございます。
≪Copy Right≫
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 200 g
- EAN : 4534530063854
- 監督 : 新房昭之
- メディア形式 : 色, 限定版, ワイドスクリーン
- 時間 : 48 分
- 発売日 : 2013/3/6
- 出演 : 神谷浩史, 堀江由衣, 櫻井孝宏, 坂本真綾, 喜多村英梨
- 販売元 : アニプレックス
- ASIN : B00AK97R9I
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 54,810位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 9,669位アニメ (DVD)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
DVDにしか入っていないサントラが欲しかったので購入しましたよかったです
2018年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かっては高額だったであろうコレクター商品。いつもはムダに高いだけと思って見向きもしませんでしたが…。上下巻揃って、しかも非売品の収納ボックス付きで格安をみっけ! 何か裏でもあるかと思って期待はしていなかったんですが、届いてみたら開封はされてましたが超美品でした。色々と見て回るものですね。
2013年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
画質はクッキリハッキリのシャープ傾向。
輪郭が気持ち淡い感じもするのも偽物語と同様。
階調具合もバンディングが少々出てるのも。(化に比べたら軽減されてる)
基本コントラストがハッキリしてるので見やすい。
音声は基本ベースがすっきりとした音調。
会話が中心なので陰に隠れてるけど上も下も程よく伸びてる。
パッケージはいつもどおり。
付属のCDはOP曲込みのサントラで収録曲26曲、約54分と普通にボリュームある。
楽曲も音質も中々完成度が高く満足。
収録音声
:リニアPCM(2ch/48kHz24bit) 本編/コメンタリー/映像特典など
輪郭が気持ち淡い感じもするのも偽物語と同様。
階調具合もバンディングが少々出てるのも。(化に比べたら軽減されてる)
基本コントラストがハッキリしてるので見やすい。
音声は基本ベースがすっきりとした音調。
会話が中心なので陰に隠れてるけど上も下も程よく伸びてる。
パッケージはいつもどおり。
付属のCDはOP曲込みのサントラで収録曲26曲、約54分と普通にボリュームある。
楽曲も音質も中々完成度が高く満足。
収録音声
:リニアPCM(2ch/48kHz24bit) 本編/コメンタリー/映像特典など
2013年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビ特番的なポジションだからなのか、近所のTSUTAYAに置いてない(笑)
しょうがないから尼で購入、
コレを買ってしまったばかりに全てのブルーレイ版を購入収集する事になるとは(笑)
内容は相変わらず、一回視ただけじゃ完全に把握できないので、
繰り返し視なければ、本当の面白さは得られないのが魅力。
ネタバレですけど 猫物語(黒) 第二巻/つばさファミリー(下)(完全生産限定版) [Blu-ray ]の付属CD”あと語り”
で暦役の神谷さんが言っていた”一番、聞いてはいけない人に相談したコトが全ての間違え”というのが、しみじみと実に面白い(笑)
何回みても視聴に耐えられ、色々と発見があるシリーズなので…
全てのブルーレイ版を購入するぐらいハマッたのは当然かな(苦笑)
しょうがないから尼で購入、
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内容は相変わらず、一回視ただけじゃ完全に把握できないので、
繰り返し視なければ、本当の面白さは得られないのが魅力。
ネタバレですけど 猫物語(黒) 第二巻/つばさファミリー(下)(完全生産限定版) [Blu-ray ]の付属CD”あと語り”
で暦役の神谷さんが言っていた”一番、聞いてはいけない人に相談したコトが全ての間違え”というのが、しみじみと実に面白い(笑)
何回みても視聴に耐えられ、色々と発見があるシリーズなので…
全てのブルーレイ版を購入するぐらいハマッたのは当然かな(苦笑)
2013年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下巻はまだ出ておりませんが、TV放送がありましたのでストーリーは最後まで視聴済み。
上巻では、偽物語と同じようにだらだら会話劇が続きます。それも物語シリーズの面白さではありますが、やはり上巻だけの評価としては物足りないですね。でも、下巻に盛り上がりがしっかり用意されていますので、上下そろって、「つばさファミリー」として満足ゆく内容となっています。
Blu-rayでのお楽しみ・その1、おまけCDは、OP曲+劇伴音楽集。このOPは曲も映像も大好きなんですよ。待ちかねていて、さっそくiPodに入れました。ED曲は下巻収録となるのでしょう。
そしてお楽しみ・その2、期待のオーディオ・コメンタリーですが、八九寺×神原 です。
コメンタリーはフリートークではないので優劣をつけてもしょうがないのですが、化物語、偽物語とすべて聞いてきて、結果
私の評価では、八九寺×羽川 が最強最高でした。
で、今回ですが「ちょっとうるさすぎかなぁ」という印象。
八九寺×羽川だと、ハイテンションでマシンガンのようにボケまくる八九寺(加藤)にたいして、やさしくここちいい声の羽川(堀江)のつっこみが、押して引いてな感じで最高だったんですがねぇ。
二人とも声を張るハイテンション・コンビで、けたたましく聴いててちょっとつらかったです。
羽川×ゲスト がやはり安心して聞けますね。
今後もアニメ化は続くようですが、短い話数で凝縮してくれないと、そろそろ飽きがきそうです。今回のような4話構成(一挙放送)というのは、そういう意味で悪くなかったですね。
上巻では、偽物語と同じようにだらだら会話劇が続きます。それも物語シリーズの面白さではありますが、やはり上巻だけの評価としては物足りないですね。でも、下巻に盛り上がりがしっかり用意されていますので、上下そろって、「つばさファミリー」として満足ゆく内容となっています。
Blu-rayでのお楽しみ・その1、おまけCDは、OP曲+劇伴音楽集。このOPは曲も映像も大好きなんですよ。待ちかねていて、さっそくiPodに入れました。ED曲は下巻収録となるのでしょう。
そしてお楽しみ・その2、期待のオーディオ・コメンタリーですが、八九寺×神原 です。
コメンタリーはフリートークではないので優劣をつけてもしょうがないのですが、化物語、偽物語とすべて聞いてきて、結果
私の評価では、八九寺×羽川 が最強最高でした。
で、今回ですが「ちょっとうるさすぎかなぁ」という印象。
八九寺×羽川だと、ハイテンションでマシンガンのようにボケまくる八九寺(加藤)にたいして、やさしくここちいい声の羽川(堀江)のつっこみが、押して引いてな感じで最高だったんですがねぇ。
二人とも声を張るハイテンション・コンビで、けたたましく聴いててちょっとつらかったです。
羽川×ゲスト がやはり安心して聞けますね。
今後もアニメ化は続くようですが、短い話数で凝縮してくれないと、そろそろ飽きがきそうです。今回のような4話構成(一挙放送)というのは、そういう意味で悪くなかったですね。
2014年11月3日に日本でレビュー済み
副音声で最初に神原が一人語りしてその後八九寺が後録りした事が丸分かりの不自然さ。
スケジュールぐらい合わせて欲しかった。
スケジュールぐらい合わせて欲しかった。