Aloe Blaccの代表曲であり、現行ソウル・ミュージックの大傑作ともなった“I Need A Dollar”と、それを収録したアルバム『Good Things』のトータル・プロデュースを担ったJeff SilvermanとLeon Michels。Adeleの作品にも関わり、Lee Fieldsのプロデュースも担ってきたこのゴールデン・コンビが新たに送り出すのは、Terri WalkerとNicole Wrayからなるフィメール・シンガー・デュオ=Lady。
UKはイングランド出身のTerriと、アトランタ出身のNicoleが09年にNYで出会い、互いのクラシック・ソウルやヒップホップへの愛情に共感したことから結成されたLady。TerriはUK時代にアルバムをリリースし、UKの音楽賞Marcury Music Prizeにノミネートされた経歴の持ち主。かたやNicoleは、Missy Elliottをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎えて98年に『Make It Hot』を発表しており、シングル“Make It Hot”はゴールド・ディスクを獲得するほどのスマッシュ・ヒットとなった。また客演シンガーとしても、Missyはもちろん、Cam’RomやKid Cudiの作品にも声を寄せている。
スウィート・ソウルの伝統をしっかり吸収したオーセンティックなスタイルを根底に、ヒップホップや21世紀のR&B/ソウルの意匠を組み込んだ個性的な2人組のデビュー作において最も感動的な瞬間は、彼女たちの母親と、精一杯生きるすべての女性に捧げた“Sweet Lady”だろう。“Take my hat off to my mother, / such a sweet lady. / There will never be another one like you.”という一節に、彼女たち“Lady”の全てが集約されている。Lee FieldsがJBの後継者であるならば、このLadyはMinnie RipertonやAletha Franklin、Roberta Flackといったレディ・ソウルのスピリットを引き継いでいる。