思わず目を引くジャケットの求心力の高さこそが、B級作品としての一番のクオリティを発揮し、作品への淡い好奇心を何とか引き寄せ、引き止めようとする生命線であるようだ。
本作はTVムービーなのかと思える出来である。1984年版のリメイク作品らしいが、オリジナル作品の出来事を示唆する語りも有りでマイケル・パレ登場に期待を寄せるも、甘いマスクでナンシー・アレンをデ・パルマから奪った主役だった彼がまさかの闇堕ちしたのか!?と一瞬頭を過ぎるも旧作と無関係な悪役として出演している。84年版と役柄を絡めれば、もう少し彼を面白く観れたかも知れない。
けれど、そんな風な展開を期待していればあっさりと軽く躱される、とてもマイルド・フットワークでアッパレな彼だ。
過去から来た人間と現在の人間が同じ空間に居ながら、(時代に浮いた過去の人間のチグハグ感は普通に伝わるが)時空の歪みによる奇妙な違和感が映像を通して表れていたのは偶然なのか、視覚的に施した処理なのかは製作者に聞いてみないと判別出来ない場面だが、不思議な感覚で観れた。
はじめは不幸か幸運の出会いであったか《不思議な運命》を共有した2人は、その後どうなっただろうか!?
危険な時空の変動から大きく変化する運命。
孫と祖父が、それぞれ歩んだ人生で繋がり、同じ時代を生きる事が出来、お互いを呼び合えふれ合える幸せな未来の関係は、お互いを想い合う絆によって導かれる?!
この作品を観なくては
『フィラデルフィア・エクスペリメント』(84年)から『フィラデルフィア・エクスペリメント2』(93年)へ、そして本作『フィラデルフィア・エクスペリメント』(2013年、第一作目のリメイク・カナダ版)を繋ぎ寄せ、
敢えて【フィラデルフィア実験計画】の全容とは何であったのか!?の問いに、謎に包まれたベールの一端を担う《重要機密事項》に迫った映像体験を身を持って体験してもらう為にも、貴重である貴方の時間を費やし、予算縮小ながらスペクタル感を何とか少しでも抽出しようと奮闘するリメイク作の【努力賞】を、あなた自身の手で授与することは決してできないのだ!。