医療ミスを取り上げるジャーナリストと,協力する医師のやり取りから物語は始まる.
医療の構造的な問題を炙り出すという大義目分の下に取材が進められるが,
一方で,記事が面白くなるために,協力する医師の身に圧力がかかったり,
事件に発展したりすることすら期待するジャーナリストの姿が,率直に言って不快である.
中盤からは,ある医療過誤の真相を追う流れと,
高齢化社会への過激な対策を実現するために暗躍する官僚の活動が中心となる.
久坂部氏がモチーフとする題材はいつも現実的で,提示される対策は過剰なまでに過激である.
あらゆる手段で具体的な方策と人的資源を確保し,世論を誘導して施作を実現しようと官僚の姿は,
薄気味悪くもあり,ある種の信念に対する畏怖も感じる.
とはいえ,一官僚や国の省庁のやり方としてはいくらなんでも陰謀史観的にすぎる.
あらゆる事象を国家権力を使えばコントロールできるというのは,非現実的というより,安易な発想のように思える.
医師の良識と過剰な自意識,ジャーナリストの使命感,官僚の理想.
それぞれの立場の正義が対比されつつ下巻の結末へ向かう.
Kindle 価格: | ¥564 (税込) |
獲得ポイント: | 6ポイント (1%) |
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
破裂(上) Kindle版
過失による患者の死に平然とする医師たちに怒りがたぎる元新聞記者・松野。心臓外科教授の椅子だけを目指すエリート助教授・香村。「手術の失敗で父は死んだ」と香村を訴える美貌の人妻・枝利子。医療の国家統制を目論む“厚労省のマキャベリ”佐久間。医療過誤を内部告発する若き麻酔科医・江崎。五人の運命が今、劇的にからみ転がり始めた。
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2013/4/26
- ファイルサイズ892 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
まとめ買い
シリーズの詳細を見る-
2冊すべて¥ 1,12812pt (1%)
まとめ買い
このシリーズは全2冊です。
-
2冊すべて¥ 1,12812pt (1%)
上のボタンを押すと注文が確定し、Kindleストア利用規約に同意したものとみなされます。支払方法及び返品等についてはこちら。
このまとめ買いには1-2冊のうち2冊が含まれます。
エラーが発生しました。
上のボタンを押すと注文が確定し、Kindleストア利用規約に同意したものとみなされます。支払方法及び返品等についてはこちら。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B00CASPJA6
- 出版社 : 幻冬舎 (2013/4/26)
- 発売日 : 2013/4/26
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 892 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 355ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 62,219位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 302位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (Kindleストア)
- - 6,055位日本の小説・文芸
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医師や役人という特殊な世界の主人公たちの発想行動が実際にありそうで怖いです。
迫力があり、一気に読んでします面白さがある本です。
今後の小説にも期待しています。
迫力があり、一気に読んでします面白さがある本です。
今後の小説にも期待しています。
2016年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テーマは興味深く、ストーリーも面白いが登場人物に魅力が感じられず誰にも感情移入できなかった。残念!
2012年7月28日に日本でレビュー済み
社会派サスペンスの中でも、医学界をテーマにして、白い巨塔孤独のメスと並ぶぐらい面白い、書き手が医者と言うことで、話に真実実がある、
2015年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医療過誤、高齢者問題、安楽死の是非、官僚汚職、薬物問題等々盛りだくさんである。しかし、その盛りだくさんのテーマを見事にエンターテイメントとしても楽しめる内容にまとめ上げている内容が濃いですねさすが現役の医師医療の深い闇に詳しい
でわたくしですが数年前から某国立病院に入退院
現在も通院検査してます主治医様ほんと助教授とか研修医さんなどにあたります本当にリアルですこうした医療病院ねたの本は興味ぶかいですよこうしたねたのテレビドラマも多いですし好き方にはお勧めです
でわたくしですが数年前から某国立病院に入退院
現在も通院検査してます主治医様ほんと助教授とか研修医さんなどにあたります本当にリアルですこうした医療病院ねたの本は興味ぶかいですよこうしたねたのテレビドラマも多いですし好き方にはお勧めです
2014年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品に登場する医師も、看護師も、厚生省の役人も、なにかしら欠点をもつので、リアリティがあって、こんなことが現実にあったのではないか?と思わせるほど、おもしろい! (上)を読みすすんで、最後は、どーなっていくのか?と、はらはらする のではなく、納得する。共感して
吐息が出る。フィクションながら、途中では、「天寿」計画を先導した役人が、もっと したたかにやってくれたら・・と、願ったりして、うまいこと
考えた「死に方」だと感心した。
吐息が出る。フィクションながら、途中では、「天寿」計画を先導した役人が、もっと したたかにやってくれたら・・と、願ったりして、うまいこと
考えた「死に方」だと感心した。
2009年3月2日に日本でレビュー済み
前の「無痛」より、より現実的で、こんな発想の官僚がいたら実際に法律作ってやりそうな気がする。
その発想は「安楽死を積極的に推進する…」というものなのだが、単に楽に殺すのではなく、一度心臓を強くして、普段と同じ生活が出来るようになって、コロッと心臓麻痺で死んでしまう方法なのだ。しかもこの発展型もあり、麻薬を打つことで幸せな幻想を見ながらそのまま死んでいく…というような事も考えられている。
世の中の老人にアンケートとって、「生きるのが辛いので殺してほしい」という声がある程度あるという実データをもとにこのような施策を進めようとするのだが、その背景には崩壊しそうな健康保険を立て直す…などの問題もからんでいて、とてもフィクションとは思えない。
この二つのテーマだけでも面白いのだが、医療ジャーナリズム、薬物問題、医療ミス問題、官僚と議員の微妙な力関係…などもからんできて、話が膨らみのきらいはあるが、一気に読ませてしまう筆力はさすが。しかも途中途中に色っぽい話もあり、その恋はなんと思わぬ方向に…。
ただ真剣に「長生きする」事が医療の目的なのか?という事をマジに考えさせられた。意識がなく点滴などで生かされている人の人間としての尊厳はどうなっているのだろう。ただまったく無反応でも本人の意識ははっきりはしていて、何とか蘇りたい…と悶々としているような人も実際にいるのかもしれないし。
この人のあまりにもリアルな医療現場の描写が、この本のノンフィクションとフィクションの境目をあいまいにしている。
そのあいまいさが私の恐怖心を思いっきり増幅させてしまう。
その発想は「安楽死を積極的に推進する…」というものなのだが、単に楽に殺すのではなく、一度心臓を強くして、普段と同じ生活が出来るようになって、コロッと心臓麻痺で死んでしまう方法なのだ。しかもこの発展型もあり、麻薬を打つことで幸せな幻想を見ながらそのまま死んでいく…というような事も考えられている。
世の中の老人にアンケートとって、「生きるのが辛いので殺してほしい」という声がある程度あるという実データをもとにこのような施策を進めようとするのだが、その背景には崩壊しそうな健康保険を立て直す…などの問題もからんでいて、とてもフィクションとは思えない。
この二つのテーマだけでも面白いのだが、医療ジャーナリズム、薬物問題、医療ミス問題、官僚と議員の微妙な力関係…などもからんできて、話が膨らみのきらいはあるが、一気に読ませてしまう筆力はさすが。しかも途中途中に色っぽい話もあり、その恋はなんと思わぬ方向に…。
ただ真剣に「長生きする」事が医療の目的なのか?という事をマジに考えさせられた。意識がなく点滴などで生かされている人の人間としての尊厳はどうなっているのだろう。ただまったく無反応でも本人の意識ははっきりはしていて、何とか蘇りたい…と悶々としているような人も実際にいるのかもしれないし。
この人のあまりにもリアルな医療現場の描写が、この本のノンフィクションとフィクションの境目をあいまいにしている。
そのあいまいさが私の恐怖心を思いっきり増幅させてしまう。
2017年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人物造形が平凡で読んでいて苦痛でした
麻酔医が薬物中毒になったり、克服しようとする理由が
さっぱり解せず、また絡む2人の女性もステレオタイプで
魅力に乏しく、苛々しました
いっぽうで、裁判の件は過不足なくすっきりとまとまって
おり、全体構成をもっと練り込んでいればと惜しまれます
麻酔医が薬物中毒になったり、克服しようとする理由が
さっぱり解せず、また絡む2人の女性もステレオタイプで
魅力に乏しく、苛々しました
いっぽうで、裁判の件は過不足なくすっきりとまとまって
おり、全体構成をもっと練り込んでいればと惜しまれます