このCDの内容紹介のところに「社会派作品ともいえるかもしれない」と書かれていて唖然とさせられました。
これは「かもしれない」ではなくてまさに「社会派作品」でしょう。
あまりにもピント外れな「かもしれない」だと思います。
なぜ「社会派作品だ」と断言できないのか不思議でなりません。
2011年に、戦場カメラマンSebastian Meyerがリビア空軍による爆撃を受けた際の「10秒間の録音」を使用して
制作された本作は、今までのハーバート作品と同列で楽しめるものでは決してないです。
ハーバート自身が「今まで実際に爆弾の音なんて聴いたことはなかったのに、どうしてこんなに怖いんだろうと思ったよ」
と語っているように、これは彼なりの戦争に対するメッセージであり警告です。
そこを無視して、音楽として楽しむなんて無理な作品です。
なんか嫌な感じが充満している作品だし、タイトルなしの全3曲なのもただこの嫌な感じを伝えたくて作られたという意図が
ひしひしと感じ取れます。
2014年7月、今また中東情勢は最悪です。
子供たちの死体の映像や写真がネット上にどんどん上がっています。
黒焦げや血だらけで死んでいった何の罪もない子供たちは、きっとこの爆音を聴いて死んでいったのでしょう。
にこやかにイスラエルとの関係強化を表明した安倍総理ですが、こんな現実を見せつけられても
まだ積極的平和主義で世界は平和になると主張できるのでしょうか?
根拠のない妄想はもういいです。
日本は平和憲法の理念を世界へと発信する国としてリードしていくべきです。