人口が多く、しかも国土が狭く、資源に乏しい我が国は、海外に領土と資源を求めて進出すること、其の為には武力の行使と他国の侵略をも辞さない、というのが戦前の日本の基本的考え方であった。しかし、狭い国土というのは戦前に主張された間違った思想であり、戦後、日本には未開発の国土が大量に存在することが判明した。不足する資源は、貿易を通じ獲得すれば事足りる。其の為、優れた工業製品を開発、輸出し、外貨を稼いで必要資源を輸入すればよい。軍事大国よりも経済大国として発展することの方が世界に受け入れやすい。
中国の北東部=満洲を軍事的に支配しようとした戦前の日本の発想は間違っていた。
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キメラ 満洲国の肖像 [増補版] (中公新書) Kindle版
一九三二年三月、中国東北地方に忽然と出現し、わずか一三年五ヵ月後に姿を消した国家、満洲国。今日なおその影を色濃く残す満洲国とは何だったのか。在満蒙各民族の楽土を目指すユートピアか、国民なき兵営国家なのか。本書は、満洲国の肖像をギリシア神話の怪獣キメラに譬えることによって、建国の背景、国家理念、統治機構の特色を明らかにし、近代日本の国家観、民族観、そしてアジア観を問い直す試みである。吉野作造賞受賞。
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2004/7/25
- ファイルサイズ6630 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B00GBWETJ4
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/7/25)
- 発売日 : 2004/7/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 6630 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 442ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 66,867位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくわかる本です。しかし、私としては、最終章が現地での生活による肉声が聞けたとの思いがあります。
2021年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新書本で学術的にこれほど子細な研究内容を網羅したものを読んだのは初めてである。初版の1993年から2019年まで版を重ねていることが、何よりも本書の価値を示している。
2022年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
満州国がどんなものであったのかの要点は抑えてある。対日協力者の事情や現地採用の役人の日本人に対する給与格差などについても記されてある。
ただし、著者が自身の教養を見せつけたいのか、前半の章で無駄な修辞文句を連ねているのは嫌な印象をもった。
西洋哲学や西洋政治学の知識があるのだろうが。
ただし、著者が自身の教養を見せつけたいのか、前半の章で無駄な修辞文句を連ねているのは嫌な印象をもった。
西洋哲学や西洋政治学の知識があるのだろうが。
2019年12月12日に日本でレビュー済み
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満洲国に関しては賛否それぞれに極端なものが出やすいが
だいたいここが問題なんじゃないかと提起してくる内容なので読みやすい。
ここを起点に読んでいっても問題ないと思う。
だいたいここが問題なんじゃないかと提起してくる内容なので読みやすい。
ここを起点に読んでいっても問題ないと思う。
2015年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本は島国でほぼ同一民族なので、国内での民族紛争を経験していないので、歴史的に外交下手であるといわれている。
戦前の複合民族国家満洲国での歴史的体験は、日本人が初めて、人種、言語、習俗、価値観の異なる人たちと共存しようとした試みであった。「しかし、そこで現実に行われたことは、異質なものの共存をめざすのではなく、同質性への服従」を求めることであった。「寄らば大樹の陰」も日本人の特質としてよく指摘される。どうやら、日本人は、ネゴシエーション下手なこともあって、「服従」か「支配」かで絶えず揺れ動いているように見える。その特質が、この本では、満洲国体験を通じて浮き彫りにされている。「日本人とはなにか」を考えるうえで、 是非一読を勧めたい名著である。
戦前の複合民族国家満洲国での歴史的体験は、日本人が初めて、人種、言語、習俗、価値観の異なる人たちと共存しようとした試みであった。「しかし、そこで現実に行われたことは、異質なものの共存をめざすのではなく、同質性への服従」を求めることであった。「寄らば大樹の陰」も日本人の特質としてよく指摘される。どうやら、日本人は、ネゴシエーション下手なこともあって、「服従」か「支配」かで絶えず揺れ動いているように見える。その特質が、この本では、満洲国体験を通じて浮き彫りにされている。「日本人とはなにか」を考えるうえで、 是非一読を勧めたい名著である。
2023年7月23日に日本でレビュー済み
この本の著者山室信一氏が、三浦英之氏の「戦後日本という国をどのように捉えているのか」という漠然とした質問に、こう語った。
正確に捉える言葉を見つけ出せないけれど、歴史の中から学べるのではと信じている、と。その歴史はしかし、日本列島の近代史ではなく、1895年以降、台湾を領有し朝鮮を併合し、満州などを支配した、それらが一体となって構成されていたのが近代の日本、それを学ばねばならない。ところが日本人は戦後日本列島だけの歴史に執着するあまり、植民地に対する反省や総括をこれまで十分にしてこなかった。これはある種の忘れ物。ぽっかり穴の空いた歴史でなく植民地支配も含めた近代日本史を学ばねばならない、と。
例えば、満洲国、中でも建国大学を学ぶことが大事。政府の掲げる矛盾に満ちた五族協和を強引に実践する過程において、当時の日本人学生たちは初めて自分達がやっていることのおかしさに気づく。そして、五族協和に失敗した。彼らの多くは善意でやっていた。しかし必然的に失敗した。その失敗を学び直さねばならない。来るべき時代に同じ轍を踏んではならないから。意図と結果。それを丁寧に辿っていかないと、満洲を巡る一連の問題は決して捉えられない。バランスの取れた歴史認識は出来ない。
終戦後満州における加害的な事実が洪水のように報道されたことによって、建国大学生や満洲国の当事者達は長年沈黙せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。もし彼らの声が取り上げられていたなら満洲国への認識も変わって来ていたはず、バランスがとれていたはず。
歴史がせり上がってくるには時間が必要。歴史を客観的に見るためには相応の時間が必要なんだろう。ならば今こそ沈黙を強いてきた当事者の意見、遺した証言を、歴史の闇に埋もれようとしている言葉を拾い集め明るみに出さなくてはならない、云々。
こんな感じの見識を持った山室信一氏が満州国について広く深く書いた本、それが本書である。
正確に捉える言葉を見つけ出せないけれど、歴史の中から学べるのではと信じている、と。その歴史はしかし、日本列島の近代史ではなく、1895年以降、台湾を領有し朝鮮を併合し、満州などを支配した、それらが一体となって構成されていたのが近代の日本、それを学ばねばならない。ところが日本人は戦後日本列島だけの歴史に執着するあまり、植民地に対する反省や総括をこれまで十分にしてこなかった。これはある種の忘れ物。ぽっかり穴の空いた歴史でなく植民地支配も含めた近代日本史を学ばねばならない、と。
例えば、満洲国、中でも建国大学を学ぶことが大事。政府の掲げる矛盾に満ちた五族協和を強引に実践する過程において、当時の日本人学生たちは初めて自分達がやっていることのおかしさに気づく。そして、五族協和に失敗した。彼らの多くは善意でやっていた。しかし必然的に失敗した。その失敗を学び直さねばならない。来るべき時代に同じ轍を踏んではならないから。意図と結果。それを丁寧に辿っていかないと、満洲を巡る一連の問題は決して捉えられない。バランスの取れた歴史認識は出来ない。
終戦後満州における加害的な事実が洪水のように報道されたことによって、建国大学生や満洲国の当事者達は長年沈黙せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。もし彼らの声が取り上げられていたなら満洲国への認識も変わって来ていたはず、バランスがとれていたはず。
歴史がせり上がってくるには時間が必要。歴史を客観的に見るためには相応の時間が必要なんだろう。ならば今こそ沈黙を強いてきた当事者の意見、遺した証言を、歴史の闇に埋もれようとしている言葉を拾い集め明るみに出さなくてはならない、云々。
こんな感じの見識を持った山室信一氏が満州国について広く深く書いた本、それが本書である。
2010年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は3年程前にかつて満州と呼ばれた地域を旅行し、かの地に日本人、さらには満州国の息づかいがまだ残っているのにひどく驚かされたことがある。以来、満州に関心を持ち、いくつか本も読んできたが、本作のような力作に出会ったのは初めてである。筆者は満州国をキメラ(獅子と羊、龍の体を持つ怪物)と表現している。満州国を、日本、中国、満州の合成物とする見解は多いが、筆者はキメラという怪物を用いて表現することで、満州国が理想とスケールだけは大きいものの独立国として機能しなかったことを巧みに表現している。満州国についての著作は数多いが、本書のように法思想や行政学の観点から切り込んだものは意外と少ない。特に日本の官僚制度がどのように満州に移植されたか、さらには満州で実施された実験的な政策がどのように日本へ跳ね返って来たか(大政翼賛会や国家総動員法等)についての筆者の洞察は非常に鋭く、本書の白眉と言えるだろう。
この筆者の本を読んだのは初めてだったが、徹底した一次資料の精査と硬質だが表現力のある文体に強く感銘を受けた。最近の新書はどうも気軽に読める安っぽいものばかりだが、本書のような重厚な学術的な作品を出し続ける中公新書のスタンスを歓迎したい。
この筆者の本を読んだのは初めてだったが、徹底した一次資料の精査と硬質だが表現力のある文体に強く感銘を受けた。最近の新書はどうも気軽に読める安っぽいものばかりだが、本書のような重厚な学術的な作品を出し続ける中公新書のスタンスを歓迎したい。