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米国ワシントン州シアトル出身のドローンメタルユニットSunn O))) と、ノルウェー出身、ブラックメタル・バンドとして出発し、その後フォーク、電子音楽、アンビエントと幅広く音楽を追求してきたUlverが2014年に出した共作アルバムです。両バンドともツアーやレコーディング等で多忙な中、その合間を縫ってレコーディングを行い、制作期間は約4年に及んだそうです。
アルバム本編は全3曲36分。ここで紹介するのはDaymareから出た日本盤で、2曲入りのボーナスディスクが付いた2枚組となっています。収録時間は2枚合わせても約1時間。割とさくっと聴けます。
Sunn O)))の作品でお馴染みの、あの総てを押しつぶすかのような轟音は控えめ。というかほとんど入ってません。繊細な電子音、ストリングス、夜明けを思わせるブラス楽器などが取り入れられた、非常にドラマ性あふれる音楽。フリー・ジャズを思わせるカオスさもあります。
#1 "Let There Be Light" は夜明けを思わせる、荘厳さと繊細さを併せ持った曲。ストリングスと電子音のアンビエントから静かに始まり、たっぷり引っ張った後にトランペットとドラムスが加わります。闇が徐々に白み、太陽が昇ってくる情景そのもの。心が浄化されそうな、美しくも力強い曲です。
#2 "Western Horn" はずっしりとどす黒いベース。不穏なアルペジオをつま弾くギター。焦燥感を煽る羽虫のようなヴァイオリン。こちらはかなりSunn O))) 色の濃い曲ですね。なかなかに不穏な雰囲気です。
#3 "Eternal Return" はクリストファー・リヴによるヴォーカルを取り入れた曲で、PinkFloydの "Echoes" を思わせる壮大さがあります。幻想的でありながらどこか寂しい雰囲気のこの曲は、人気のない荒野に独り佇んでいるかのよう。前半はヴァイオリン、シンセ、ギター等が織りなすアンビエント。中盤から室内楽のようなパートとなり、ヴォーカルが入ってきます。この終わり方もいい余韻を残します。
アッティラ氏が歌うdisc2-#2 "Fidelio" は本作中最も従来のSunn O))) に近い曲。彼得意の、ホーミーを駆使した呪文の如き重々しい声が響きます。薄気味悪いドローンに軋みを上げるストリングスなど、本作中最高にダークな曲となっています。
精神が宇宙にまで飛翔しそうな壮大な曲もあれば、真っ暗な地下回廊を手探りで歩いているような曲もあり、両バンドの醍醐味をしっかり味わえる作品となっています。
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