名優&名監督R・レッドフォードの評価が近年聞こえてこない。
クリントが大活躍しているから、よけいにその差が目立つのだが、確かに
IMDBを検索してもここ数年はTVドラマが多い。
そんなレッドフォードが2012年に製作した本作は、骨太な政治サスペンス作品
に仕上がっていた。
1970年代の組織「ウェザーマン」の残党をめぐる駆け引きはドキドキさせられる
し、より悪質なテロリストが暗躍する現代に於いては必見の映画だと思う。
メイキングを観ると、みな「レッドフォード監督だから」と集まってきた名優たちが
素晴らしい芝居で魅せる。S・ラブーフ、T・ハワード、A・ケンドリックといった「旬」な
俳優に加えてS・サランドン、N・ノルティ、S・トウィッチ、J・クリスティ、C・クーパー、
S・エリオット、R・ジェンキンスなどなどキラ星のごとく登場。この共演を観るだけ
でも価値は十分にある。
唯一気になったのは30年前の話なのに、現在のメンバーたちの「老い」が激しい
ことだ(笑)。主演に合わせたのだろうが、70年代に20歳前後だから年をとっても
60歳くらいではなかろうか。主演をT・ハンクスあたりが演じたら、違った色合いに
なったかもしれない。
特典映像はメイキングとインタビューが収録されている。
本作の舞台はアメリカだが、都市のインサート撮影のみ行い、あとはカナダで撮られて
いる「カナダ産ハリウッド映画」である。全米公開はソニークラシックス配給で小規模に
行われた。レッドフォード作品としては知名度も低いが、ぜひ観てほしい良質な映画
といえる。星は4つです。