安倍信三氏の靖国神社参拝が、世界中の有識者を震撼させました。2013年12月26日のこと。これは中国人を甚く刺激しました。日中関係がますます悪化すると言われる中で、中国人とは一体何者なのか、日本人として改めて調べてみたくなります。現代は、冷戦終結後の米国による一強支配が崩れ、中国が抬頭して二極支配に近付いている、と言われています。 習近平氏は中華思想の復活を標榜して、経済のみならず思想哲学においても世界の他の一角を占めようとしていると報道されています。 中国は共産党一党独裁で怪しからん、いつ何をするかわからん、というような日本の世論が一般的であるが、習氏の言う中華思想とは何のことかという疑問が生じたので、現代中国人を理解するための一助にしようと思い、本書をアマゾンの通信販売で購入しました。大部ではありましたが興味をそそられて、二日間で読み切りました。
期待を裏切らない読書でした。 皆さん! 習近平氏が率いる中国は、決して日本を侵略することはありません。 彼らは、昔懐かしい といっても明治維新以前の旧い歴史の中で、我らに多大な文化、文明をもたらしたあの時代の民族意識を、そのままに保ち続けようとしています。
著者は、大澤真幸氏は、この民族意識が、「天」即ち欧米でいうところの一神教の宗教感覚に、具体的な例でいえば「儒教」の教義に、根本として基づいているのだ、と言います。このことをある仮説、即ち「贈与の理論」の帰結としての「天」があるのだという仮説を立てて、どうしてそうなるかを懇切丁寧に説明しておられます。 そして歴代王朝の中で、「儒教」を否定した人物は秦の始皇帝と、毛沢東の2人しかいないと言われています。前者は、「焚書坑儒」を行った人物であり、後者はご存知のアレ、「毛沢東語録」を振り回した人です。二人は2000年に一人の特異人物だと言われています。毛沢東が特異人物であり、胡錦濤や習近平は儒教的な人物であるとすると、どうです皆さん! もう中国はちっとも怖くないでしょう。
さて、私が上に述べたことが、世界史の哲学東洋編の中に、直接書かれている訳ではありません。というか全く書かれてはいません。 それでも、著者が私が発見したようなことを、皆さんに知らしめようとして、この本を書かれたのであろうと、私は確信しています、というか忖度をしています。
おそらく著者は一気にこの本を書きあげられたのだと思われます。
(またおそらくは、フランシス・フクヤマ氏に触発されて、もっと理論的にと考えて。)
この本は、ページ数は多いですが、私が最初に抱いたような疑問を頭において読み進んで行くと、ああわかったそれからそれから、といった調子でどんどん読み通すことができます。 ある程度の知的な努力は必要ですが、著者は大変親切に、論点の基本的なアイデアに戻りし戻りし しつつ、次の段階に進んでくれるので、読み継ぐことができます。
さて私なりに、この本が何を語っているかを一言で述べてみたい。
人間が政治・経済・社会システムを形成してきた根本原理は、「贈与の理論」である。
贈与とは我々の身近なところでは盆暮れの付け届けのことであり、もっと大きなところでは 寄付、更にはお馴染みの政官財界における贈収賄のことである。
社会生活の最小単位から出発した贈与が、何故大きな政治経済システムを構築する根幹となりうるかというと、「贈与」は個々の人間の間の、単なる功利的な物質(またはその代価としての金)のやりとりだけであるのではなく、贈与を通じて人は物質プラス何か(+x と記号化される)を交換する。
実は贈与の交換において最も重要な部分は+x 即ち「得も言われぬ何か」であって、贈り主はこのx が最も重要であることを意識している。
もっとも贈り主自身は、自分の「得も言われぬ何か」が具体的に何であるのかはよくわからないのであって、贈った相手にその何かを認知してもらいたいのだ。 何か自分自身が知らない何かが自分の中にあると考え、それを他人に発見してもらいたいのだ。
(注)”自分探し”とかいう。 ゴーギャンの絵、”我々は何処から来たのか、我々は何者であるのか、我々は何処へ行くのか” などの言葉もある。
受けとった相手も、+x を受け取ったことを十分に意識しており、自分の+x1 をお返しする。 或いは贈与者の+x を更に権威づけるために、これはn さんからの贈り物だといって+xn を返すこともある。 このような贈与の連鎖が一般化されると(普遍化されると)、「第三者の審級」ができ、それが発展したものとしての政治システムが構築される。人々は自分の大切なx をある政治制度に託すことになる。
さて、この膨大な「えも言われぬ何か」を集合する概念として、中国人は「天」を考えた。その「天」から権威を付託されることになった 時の政府が、国の統治を行う。統治の具体的な理念は儒教であり、時に応じて制度化されたものが、「法」である。この政府が人々のx の総体を預かり、人々の「良きにはからう」、のである。
欧米における「天」は、言うまでもなく一神教の「神=God」である。 神は間違いなく良きにはからうとされる。
中国は「天」の概念を裏付けにして、その広大な領土を空間的に広げることができた。
God の後ろ盾のもとに欧米は、時間的、空間的にその帝国主義を世界に及ぼした。
インドはカースト制度がj邪魔になって、「仏」を政治システムの理念として置くことができなかった。
(注) 著者は、日本については全く述べていない。
日本には八百万の神があるが、人格神ではなかったし、人を支配する絶対的な霊的存在を必要とはしなかった。(悪いというのではないが…)
評者は、明治維新の時に、万世一系の天皇を法律化して現人神とし、世界の仲間入りをしようとした、のだと思う。
以上は評者の読み取り結果であるが、浮かんできた感想は、
現代、21世紀の世界において、支配する理念は民主主義であり、それは多数の人々の意志による法の支配である。
具体的には、国連憲章による法の支配であり、ローカルには個々の国における成文憲法である。 国連憲章の文言のバックグラウンドには、God の意識が明らかにある。
経済原理のみで世の中が合理的に解決できるとするのは、完璧を期さないと思う。 「えも言われぬ何か」があると考えることは、人類の将来即ち我々の子子孫孫の将来に、希望を与えることになるのだと思う。
そしてこのことが、地球から絶滅して行きつつある他の動物と人類を分かつものだと考えたい。 「えもいわれぬ何か」とは何かと聞かれれば、評者はこれを魂(spirits)と呼びたい。 魂とは人類の誕生以来、延々と積み重ねられ、更に今後も延々と続いて行ってほしいと願う人類の営みの、痕跡である、と評者は私は考える。
具体的な世界政治の場に戻って考えると、汎太平洋におけるTPP交渉を課題にしたい。 オバマ大統領はこれを彼の起死回生の打ち手だと考えている。
これを、単なる経済原理又は市場原理主義に基づく代理戦争だ、と考えるのは甚だ味気ない。(日本のうかつな政治家や官僚が考えているように…。)
オバマ大統領は、参加加盟国にどんな+x を見ようとしているのだろうか。 米国自身はどんな+x を持ちたいと思っているのだろうか、国内の人種の数だけの+x があると考えているのだろうか。
大澤真幸氏の仮説は、読者に色々なことを考えさせる、そのきっかけを与えるものだと思います。 好著です。
世界史の哲学、アメリカ編を読みたい。 もしもう書かれているのならば、教えてください。
以上。
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〈世界史〉の哲学 東洋篇 Kindle版
12世紀頃に、知性をもつ宇宙人が地球にやってきて、その後の人類の運命について予想したならば、中国こそが近代化を主導すると断定したであろう。なぜなら、当時、経済・政治・軍事、あらゆる点においてもっとも発展した地域であったから。にもかかわらず、数百年後の世界を見れば、主導権を握ったのは、中国ではなく、ヨーロッパとアメリカを中心とした西洋となってしまった。どうしてなのか。その原因を精緻な思想で読み解く。
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/1/29
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商品の説明
著者について
大澤 真幸
1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。思想月刊誌『THINKING「0」』を主宰。
著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『量子の社会哲学』(講談社)、『ふしぎなキリスト教』(共著、講談社現代新書)など多数。
1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。思想月刊誌『THINKING「0」』を主宰。
著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『量子の社会哲学』(講談社)、『ふしぎなキリスト教』(共著、講談社現代新書)など多数。
登録情報
- ASIN : B00IJ6UY30
- 出版社 : 講談社 (2014/1/29)
- 発売日 : 2014/1/29
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2111 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 719ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 280,667位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年8月21日に日本でレビュー済み
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2017年4月20日に日本でレビュー済み
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世界史というより以上に、世界宗教史の社会学的、構造論的解明と云った方がよい。
東洋篇ではあるが、キリスト教について随所で引かれ解明されるのは、それが仏教と大きく対になっていると考えられているからだ。
他方で、物足りたい気もするのは応えていないことがあるからだろう。
宗教を社会学的に、構造論的に解明したとしても、宗教そのものの問いに答えたことにはならない。それでもこれだけの深堀りがこれだけさらっとできれば、その問いに答えるのにも役立つし、大いに参考になる。
これだけの議論が一気に尽くされたのは、やはり、著者が東洋に属するからでもあるだろう。
東洋篇ではあるが、キリスト教について随所で引かれ解明されるのは、それが仏教と大きく対になっていると考えられているからだ。
他方で、物足りたい気もするのは応えていないことがあるからだろう。
宗教を社会学的に、構造論的に解明したとしても、宗教そのものの問いに答えたことにはならない。それでもこれだけの深堀りがこれだけさらっとできれば、その問いに答えるのにも役立つし、大いに参考になる。
これだけの議論が一気に尽くされたのは、やはり、著者が東洋に属するからでもあるだろう。
2014年4月3日に日本でレビュー済み
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モースの「贈与論」は有名ですが大沢さんの手にかかると
贈与論は素晴らしい展開を見せるので感動しました。
繰り返し読む価値がある貴重な一冊ですが大部です。
贈与論は素晴らしい展開を見せるので感動しました。
繰り返し読む価値がある貴重な一冊ですが大部です。
2014年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仏教、ヒンズー教、キリスト教、ユダヤ教を理解するうえで歴史的な流れから整理しながら読むことが出来る。
宗教に興味があるなら読むべき本である。西洋哲学、東洋思想をより理解できると思う。
宗教に興味があるなら読むべき本である。西洋哲学、東洋思想をより理解できると思う。
2021年3月19日に日本でレビュー済み
近世篇が面白かったので、こちらもKindleで読みました。哲学寄りの宗教史、あるいは宗教寄りの社会史だと感じました。
「救済のための大きな乗り物」など、各宗教で同じような事象や社会問題をどう解釈しているかの比較が語られます。
と思えば、ある章には「筒井康隆」や「レヴィ=ストロース」など現代に近い話題が突然出てきたり。その大転換するスケールも面白い。
どの宗教も哲学用語もなんとなくざっくりは知っていても詳しくは知らなかったので、いちいち全部「なるほどー」と納得しながら読みました。
宗教+歴史+哲学の本なのに、これほど容易に読めるとは驚き。気合を入れて1冊まるごと全部を理解しようとは思わずに、まずはハードルを下げて、哲学の概念や地名や人物など、多数の名詞に触れるだけでも価値があると思います。
「救済のための大きな乗り物」など、各宗教で同じような事象や社会問題をどう解釈しているかの比較が語られます。
と思えば、ある章には「筒井康隆」や「レヴィ=ストロース」など現代に近い話題が突然出てきたり。その大転換するスケールも面白い。
どの宗教も哲学用語もなんとなくざっくりは知っていても詳しくは知らなかったので、いちいち全部「なるほどー」と納得しながら読みました。
宗教+歴史+哲学の本なのに、これほど容易に読めるとは驚き。気合を入れて1冊まるごと全部を理解しようとは思わずに、まずはハードルを下げて、哲学の概念や地名や人物など、多数の名詞に触れるだけでも価値があると思います。