20世紀を代表する建築家であるフランク・ロイド・ライトは日本では主に旧帝国ホテルの設計で知られているが
日本に幾度か訪れて自ら浮世絵を収集し、後には浮世絵ディーラーと言ってよいほどの浮世絵収集家でもあった。
彼は人脈づくりに長けていた。執行弘道ら日本の実業家とのつながりによって浮世絵の収集は充実していった。
浮世絵と彼との関係性を考えるとどうしても日本文化と彼の持つ建築との関係性が気になってくるがそう言ったことまでは
この本では触れていない。しかし彼の浮世絵収集について確証のない部分は暫定的であるとしながらも冷静に彼の浮世絵
収集がどのように達成されていったのかを追っていっているのでわかりやすく親切であると思う。
ライトは自叙伝の中で日本文化の影響を強く否定していたという。それは普通自叙伝が集大成として書かれるのに対し
ライトの場合は自叙伝を書くことによって自分のキャリアの節目として記録し一心発起するという意味合いの方が強かったからだという。
日本で手掛けた建築が彼にとっては黄金期の狭間の暗黒期であることを考えると日本での仕事や浮世絵収集が
その後建築家ライトの輝きに、特に「有機的建築」を標榜するライトの建築の中でも一番有名な「落水荘」との関係が気になってくるが
ライトの建築に浮世絵収集の事実をもってして日本文化の影響があると断言するのも偉大な建築家を過少に評価することになるだろう。
彼はスキャンダルが多かった人物でもある。どこか謎めいていた方が人となりも興味深いものになる。近代建築の巨匠と浮世絵という
アンバランスな組み合わせはそのままの方が逆に建築家という仕事の複雑性と総合性を表すようにも思う。
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
フランク・ロイド・ライトの日本~浮世絵に魅せられた「もう一つの顔」~ (光文社新書) Kindle版
二〇世紀を代表する建築家が日本で得た重要なヒントとは? 今日的問題を先取りした建築と浮世絵との意外な接点とは?ライト研究の第一人者が今まで論じられなかった素顔に迫る。
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2004/9/20
- ファイルサイズ10167 KB
この本を読んだ購入者はこれも読んでいます
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B00ISQNXMU
- 出版社 : 光文社 (2004/9/20)
- 発売日 : 2004/9/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 10167 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 223ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 108,497位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 284位建築 (Kindleストア)
- - 779位光文社新書
- - 4,023位工学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカの浮世絵コレクションに、ライトがこれほどまで寄与していたとは知らなかった。また、生涯順風満帆な建築家だと思っていたが、暗黒時代があったこと、最愛の人が殺されたことなど思いの外大変な人生を送っていたのも興味深い。そういった驚きと共に、ライト含む登場人物が、「普通の人」でないことを、この本改めて教えてくれる。世界的な建築家は図面がひけるだけの人では無いし、その周りにいる人もそこに居ることを認められたような経歴や人脈、能力を持っている人ばかり。すごい世界を垣間見ることが出来た。
2019年1月8日に日本でレビュー済み
旧帝国ホテルの設計者として知られる、フランク・ロイド・ライトの意外な側面を紹介している。
ライトは日本の文化、特に浮世絵がとても好きで、自らコレクションしていたのみならず、他のコレクターの依頼を受けて代わりに収集して、その対価を得ていた。
また、ライトは日本の建築にも注目しており、自らは認めていないが、平面的なフラットな設計は、明らかに日本の建築の影響があるようだ。
ライトは日本の文化、特に浮世絵がとても好きで、自らコレクションしていたのみならず、他のコレクターの依頼を受けて代わりに収集して、その対価を得ていた。
また、ライトは日本の建築にも注目しており、自らは認めていないが、平面的なフラットな設計は、明らかに日本の建築の影響があるようだ。
2018年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容は全然異なり、過去の出版物の焼き直しのような駄作です。
2014年11月23日に日本でレビュー済み
著者はライトの研究者で、多数の著作がある。
本書は、新発見の事実、通説への反論、自伝の記述内容の検討などを行ったもの。ある程度はライトに詳しい読者でないと、つらいだろう。
前半は新発見がいろいろ並べられている。ライトの日本での住宅設計案の注文主がいくつか明らかになったほか、日本人関係者との交友について述べられている。
後半は浮世絵の画商としてのライトを紹介している。ライトは米国の重要なコレクションのいくつかに関わっており、どのように資金調達したか、また日本での収集のありさまがわかり、興味深い。
浮沈の激しかったライトの人生において、浮世絵を通して自己イメージの形成に成功した点は、重要な意味をもつようだ。建築家だけではない側面が確認でき、ライトの全体像が見えてくる。
本書は、新発見の事実、通説への反論、自伝の記述内容の検討などを行ったもの。ある程度はライトに詳しい読者でないと、つらいだろう。
前半は新発見がいろいろ並べられている。ライトの日本での住宅設計案の注文主がいくつか明らかになったほか、日本人関係者との交友について述べられている。
後半は浮世絵の画商としてのライトを紹介している。ライトは米国の重要なコレクションのいくつかに関わっており、どのように資金調達したか、また日本での収集のありさまがわかり、興味深い。
浮沈の激しかったライトの人生において、浮世絵を通して自己イメージの形成に成功した点は、重要な意味をもつようだ。建築家だけではない側面が確認でき、ライトの全体像が見えてくる。