船戸与一という作家を知ったのは最近のこも。「山猫の夏」から。以降何作か夢中で読み続けたが、ドライな読み応えの辛口なハードボイルド世界にはすっかり魅了されてしまった。普通人の主人公が凄まじい体験を乗り越えて男として大きく成長していく。名作揃いの船戸与一作品の一番の醍醐味だ。虹の谷の五月は、少年が男へと大きく成長するカタルシスが特に強い作品。文句なしにおすすめ。
近代小説の金字塔的な作品だと思うが、グロやエロスも赤裸々に描いてあるので、男性向けかとは思う。
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虹の谷の五月 下 (集英社文庫) Kindle版
【第123回直木賞受賞作!】トシオ・マナハン、14歳。セブ島で祖父とふたりで闘鶏用の軍鶏を育てている。ゲリラのホセ・マンガハスが住む「虹の谷」への道を知っていたことから暗殺、誘拐の硝煙の宴に巻きこまれていく。少年の夢。怒りと誇り。愛する者との別れ。慟哭の叫びを胸奥に沈め、少年は男へと脱皮して行く。第三世界の片隅から世界を睥睨する冒険小説、感動の巨編。
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2003/5/25
- ファイルサイズ434 KB
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登録情報
- ASIN : B00JEPX4S2
- 出版社 : 集英社 (2003/5/25)
- 発売日 : 2003/5/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 434 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 418ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 116,169位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1944(昭和19)年、山口県生れ。早稲田大学法学部卒業。
1985年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1989(平成元)年『伝説なき地』で日本推理作家協会賞を受賞。1992年『砂のクロニクル』で山本周五郎賞を受賞。2000年『虹の谷の五月』で直木賞を受賞する。主な著書に『猛き箱舟』『炎 流れる彼方』『蝦夷地別件』『龍神町龍神十三番地』『緋色の時代』『三都物語』『河畔に標なく』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月4日に日本でレビュー済み
フィリピン・セブ島に暮らす日本人ハーフの少年の成長物語。
下巻は、死が暗い影を落とし始めた主人公トシオの暮らす村。トシオは、元ゲリラ ホセが潜伏する「虹の谷」明かしてしまったことから、ゲリラたちの戦いに巻き込まれていく。
ここから、著者の本領発揮となる。銃弾飛び交う中の戦闘は、本作品の時代背景となっている2000年頃の日本ではあり得ないシチュエーションだ。それでも、ハラハラが止まらない。
ホセと合流したゲリラ V.S. 暗殺部隊の斃し、斃されの戦いが続く。トシオの目を通したこの戦闘の結末は!著者らしい決着の付け方である。
主人公が使う”おいら”など、散見される死語が気になったりして。
【直木賞】
下巻は、死が暗い影を落とし始めた主人公トシオの暮らす村。トシオは、元ゲリラ ホセが潜伏する「虹の谷」明かしてしまったことから、ゲリラたちの戦いに巻き込まれていく。
ここから、著者の本領発揮となる。銃弾飛び交う中の戦闘は、本作品の時代背景となっている2000年頃の日本ではあり得ないシチュエーションだ。それでも、ハラハラが止まらない。
ホセと合流したゲリラ V.S. 暗殺部隊の斃し、斃されの戦いが続く。トシオの目を通したこの戦闘の結末は!著者らしい決着の付け方である。
主人公が使う”おいら”など、散見される死語が気になったりして。
【直木賞】
2014年6月20日に日本でレビュー済み
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直木賞を受賞した本作。ゲリラの闘争の中に次第に巻き込まれていく主人公の少年の行方が手に汗握る。
最後は爽やかな読後感。日本の小説家が描く外国を舞台にした小説は、成功するとその場に居合わせたかのような妙な臨場感がある。
素晴らしい小説だった。
最後は爽やかな読後感。日本の小説家が描く外国を舞台にした小説は、成功するとその場に居合わせたかのような妙な臨場感がある。
素晴らしい小説だった。
2013年1月10日に日本でレビュー済み
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セブ島に行く方にお勧めします。日本人がマクタン島のリゾートで宿泊しているだけではわからないフィリピンが描かれています。ややデータは古くなりましたが、よく描かれています。さすが直木賞受賞作に相応しい出来です。ただ、著者の初期の作品のような爆発的なエネルギーには欠けますが、丁寧に描写されています。少年が大人になる普遍的な過程がよく書けていると思います。闘鶏のシーンが圧巻です。
2015年2月21日に日本でレビュー済み
ここんとこ船戸与一さんにはまって読んできたけど、なんだか方向転換しようとしたのか、社会派小説寄りな感じにしようとして中途半端なところに着地した、といった印象を受ける作品です。これで直木賞なら、もっと前の作品のほうがふさわしいんじゃないかな、と。
読ませる文章は相変わらずなので、長さは感じないのですが。
猛き箱舟みたいなのを読みたいなあ、、、
読ませる文章は相変わらずなので、長さは感じないのですが。
猛き箱舟みたいなのを読みたいなあ、、、
2007年2月16日に日本でレビュー済み
フィリピン・セブ島で、闘鶏を生業とする祖父と暮らすトシオ。13歳から15歳の五月の出来事を描く。
フィリピンに特に興味はないし、歴史もほとんど知らないけれど、とても楽しく読めた。そして「人民軍」「マルコス」「アキノ」などについてもっと知りたい気持ちになる。それだけ、物語の魅力が強烈だということだろう。
クイーンのホセに対するアンビヴァレンスな想い。戦い続けるホセの強靭な信念。周囲に惑わされることなく、正しさを理解しているトシオとメグの清廉さ。ラストのじっちゃんの行動。
人々の真摯な気持ちは、読み手の心を強く揺さぶる。トニアやラモンの弱さでさえも。
また、暗殺者や誘拐犯に立ち向かうホセの戦いぶりは見事で、情緒的なものだけでなく、手に汗握る戦闘シーンでも読ませる。かっこよすぎるよ、ホセ!
唯一ひっかかるのが、トシオと彼をとりまく「主人公側」の人々が、あまりに善人すぎるところ。「フランダースの犬」の主人公に対するのと同じイライラを感じてしまう。逆にそれ以外の人々は下劣で野卑な人間ばかり。「善」と「悪」とに二極していて、その構図はちょっと時代劇っぽい。
まあ、そんなこと、壮大な物語を前に、たいしたことじゃ全然ないんだけど。
下種のかんぐりで、その後のメグがどうなるのかが、気になる!
フィリピンに特に興味はないし、歴史もほとんど知らないけれど、とても楽しく読めた。そして「人民軍」「マルコス」「アキノ」などについてもっと知りたい気持ちになる。それだけ、物語の魅力が強烈だということだろう。
クイーンのホセに対するアンビヴァレンスな想い。戦い続けるホセの強靭な信念。周囲に惑わされることなく、正しさを理解しているトシオとメグの清廉さ。ラストのじっちゃんの行動。
人々の真摯な気持ちは、読み手の心を強く揺さぶる。トニアやラモンの弱さでさえも。
また、暗殺者や誘拐犯に立ち向かうホセの戦いぶりは見事で、情緒的なものだけでなく、手に汗握る戦闘シーンでも読ませる。かっこよすぎるよ、ホセ!
唯一ひっかかるのが、トシオと彼をとりまく「主人公側」の人々が、あまりに善人すぎるところ。「フランダースの犬」の主人公に対するのと同じイライラを感じてしまう。逆にそれ以外の人々は下劣で野卑な人間ばかり。「善」と「悪」とに二極していて、その構図はちょっと時代劇っぽい。
まあ、そんなこと、壮大な物語を前に、たいしたことじゃ全然ないんだけど。
下種のかんぐりで、その後のメグがどうなるのかが、気になる!
2019年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カカヤン薔薇の白い花が咲く。バナナをもいできて、5本食べたらそれが朝ごはん。
少年は、無口だが、気丈な祖父と闘鶏を生業に暮らしている。貧しいカルソボンガ地区から、虹の谷に住むゲリラの生き残りの青年ホセのところへ、ラム酒と煙草を届けられるのは、少年だけだ。虹の谷には、雨季になると円い虹が出る。閉鎖的なムラで、汚職や馴れ合いに満ちた大人たちに囲まれていても、誇り高い祖父や希望を捨てない青年ホセに導かれ、少年は12歳から15歳の青年へと成長していく。
うーん、中2男子って本当に変わっていく時期があるよな、とシミジミ。
少年は、無口だが、気丈な祖父と闘鶏を生業に暮らしている。貧しいカルソボンガ地区から、虹の谷に住むゲリラの生き残りの青年ホセのところへ、ラム酒と煙草を届けられるのは、少年だけだ。虹の谷には、雨季になると円い虹が出る。閉鎖的なムラで、汚職や馴れ合いに満ちた大人たちに囲まれていても、誇り高い祖父や希望を捨てない青年ホセに導かれ、少年は12歳から15歳の青年へと成長していく。
うーん、中2男子って本当に変わっていく時期があるよな、とシミジミ。
2003年8月29日に日本でレビュー済み
拝金主義にまみれているのは、何もフィリピン・セブ島だけではない。この間私が実際に旅してきたアジアの都市はみんなそうだ。いや、形こそ違え、日本がそうでないと誰が言えるだろう。この小説では拝金主義がむき出しの形で現れ、私たちの住む国ではそれが洗練された形で現れるだけなのかもしれない。『誇りを持て』たった15歳のジャンピーノ(トシオ・マナハン)は私たちにそう言っている。
これは過去の物語ではない。現代『世界』の物語だ。凄絶な殺し合いが続く下巻ではあったが、読後感は「希望」に満ち、なぜかさわやかだ。
これは過去の物語ではない。現代『世界』の物語だ。凄絶な殺し合いが続く下巻ではあったが、読後感は「希望」に満ち、なぜかさわやかだ。