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世界が終わってしまったあとの世界で(下) Kindle版
世界を守る〈ジョーグマンド・パイプ〉の消火に出動したぼくと幼馴染で親友のゴンゾー。しかし、その依頼は予想よりもはるかに深い闇を秘めていた。ゴンゾーと別れてひとりでさまよう羽目になったぼくは、故郷での人生をふりかえり、すべての黒幕に立ち向かうことになるが……。圧倒的な筆力で怒濤のごとく語られる、最終戦争後の世界における闘いと友情と恋。笑いとアクションに満ちて世界を驚嘆させた怪物的デビュー作。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2014/4/25
- ファイルサイズ473 KB
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商品の説明
著者について
1972年、イギリス、コーンウォール生まれ。ケンブリッジ大学で社会学と政治学を専攻。2008年に本書でデビュー。様々なジャンル・フィクションの要素を織り込んだ独特の作風が高く評価される。2012年に長篇第二作Angelmaker(早川書房近刊)とノンフィクションThe Blind Giantを発表。2014年5月に第三長篇を発表予定。妻子とロンドン在住。
登録情報
- ASIN : B00KVA42QW
- 出版社 : 早川書房 (2014/4/25)
- 発売日 : 2014/4/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 473 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 368ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 434,205位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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5 星
ロバもびっくり
行った先々でその夜同行していたはずの女をだれ一人見ていない!? そんなあり得ない事態に翻弄される男もいれば、行ったこともない初めての土地でだれもが自分を見知っていることがわかり、呆然自失する女もいる。いやこの場合、一瞬にして自らの存在自体が抹消された(=改変された世界にたたき込まれた)スイックスの話をすべきだろうか。ただこの、ニック・ハーカウェイのデビュー長篇では、世界の側が切り換わるわけでは全くない。朝起きると一晩の間に6年の歳月が流れてました、その間の記憶もありませんっていうのもキツイけど、こちらはスパン数十年、そもそもこの世界に自分が存在していた形跡がなく(あれよという間に周囲のだれもがあんただれ状態に。さりとてまわりに相貌失念を慫慂する何かが本人の側にあるとかないとかやおへんで)、にもかかわらず実体はあり、記憶と世界の間にズレはあってもソゴはないわけで。といって、レイチェルのようにだれかの記憶を刷り込まれているわけでもない(だれも何も仕組んでいない)。なんでだべ、苦悶の揚げ句、主人公の「ぼく」(サピア=ウォーフ仮説ではないが、だれもが世界のどこかにマップ化されているとして、彼にはしかしそれを知る手立て、自身のリンカクを形づくったはずの名前がない)は、自ら自分の人生をでっちあげ、かかる空想のなかにいまあるのではと考える(はずれだけどね)。本当の自分には名前がある。ジョー・スポークという。気がつく人はどのくらいいるだろう。なんとハーカウェイの2作目『エンジェルメイカー』で、ロンドンを舞台にラスキン主義者同盟(ラスキンとはあの、ウィリアム・モリスの盟友ジョン・ラスキン ❲ ! ❳ なんですなこれが)の陰謀と闘う主人公と同盟、いや同名ではないか。読み終わったいまとなっては、ここがいちばん謎かな。『鉄腕アトム』に出てくる、コントロールを失った変身ロボット、プークを彷彿させるエピソードや、オブライエンの自転車人間が出てきてもおかしくないようなΧίμαιρα百出のシークエンス、フアン・ルルフォを参照しているとしか思えない言い回しなど、ほかにもみどころ多々あれどきょうはここまで。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
行った先々でその夜同行していたはずの女をだれ一人見ていない!? そんなあり得ない事態に翻弄される男もいれば、行ったこともない初めての土地でだれもが自分を見知っていることがわかり、呆然自失する女もいる。いやこの場合、一瞬にして自らの存在自体が抹消された(=改変された世界にたたき込まれた)スイックスの話をすべきだろうか。ただこの、ニック・ハーカウェイのデビュー長篇では、世界の側が切り換わるわけでは全くない。朝起きると一晩の間に6年の歳月が流れてました、その間の記憶もありませんっていうのもキツイけど、こちらはスパン数十年、そもそもこの世界に自分が存在していた形跡がなく(あれよという間に周囲のだれもがあんただれ状態に。さりとてまわりに相貌失念を慫慂する何かが本人の側にあるとかないとかやおへんで)、にもかかわらず実体はあり、記憶と世界の間にズレはあってもソゴはないわけで。といって、レイチェルのようにだれかの記憶を刷り込まれているわけでもない(だれも何も仕組んでいない)。なんでだべ、苦悶の揚げ句、主人公の「ぼく」(サピア=ウォーフ仮説ではないが、だれもが世界のどこかにマップ化されているとして、彼にはしかしそれを知る手立て、自身のリンカクを形づくったはずの名前がない)は、自ら自分の人生をでっちあげ、かかる空想のなかにいまあるのではと考える(はずれだけどね)。本当の自分には名前がある。ジョー・スポークという。気がつく人はどのくらいいるだろう。なんとハーカウェイの2作目『エンジェルメイカー』で、ロンドンを舞台にラスキン主義者同盟(ラスキンとはあの、ウィリアム・モリスの盟友ジョン・ラスキン ❲ ! ❳ なんですなこれが)の陰謀と闘う主人公と同盟、いや同名ではないか。読み終わったいまとなっては、ここがいちばん謎かな。『鉄腕アトム』に出てくる、コントロールを失った変身ロボット、プークを彷彿させるエピソードや、オブライエンの自転車人間が出てきてもおかしくないようなΧίμαιρα百出のシークエンス、フアン・ルルフォを参照しているとしか思えない言い回しなど、ほかにもみどころ多々あれどきょうはここまで。
行った先々でその夜同行していたはずの女をだれ一人見ていない!? そんなあり得ない事態に翻弄される男もいれば、行ったこともない初めての土地でだれもが自分を見知っていることがわかり、呆然自失する女もいる。いやこの場合、一瞬にして自らの存在自体が抹消された(=改変された世界にたたき込まれた)スイックスの話をすべきだろうか。ただこの、ニック・ハーカウェイのデビュー長篇では、世界の側が切り換わるわけでは全くない。朝起きると一晩の間に6年の歳月が流れてました、その間の記憶もありませんっていうのもキツイけど、こちらはスパン数十年、そもそもこの世界に自分が存在していた形跡がなく(あれよという間に周囲のだれもがあんただれ状態に。さりとてまわりに相貌失念を慫慂する何かが本人の側にあるとかないとかやおへんで)、にもかかわらず実体はあり、記憶と世界の間にズレはあってもソゴはないわけで。といって、レイチェルのようにだれかの記憶を刷り込まれているわけでもない(だれも何も仕組んでいない)。なんでだべ、苦悶の揚げ句、主人公の「ぼく」(サピア=ウォーフ仮説ではないが、だれもが世界のどこかにマップ化されているとして、彼にはしかしそれを知る手立て、自身のリンカクを形づくったはずの名前がない)は、自ら自分の人生をでっちあげ、かかる空想のなかにいまあるのではと考える(はずれだけどね)。本当の自分には名前がある。ジョー・スポークという。気がつく人はどのくらいいるだろう。なんとハーカウェイの2作目『エンジェルメイカー』で、ロンドンを舞台にラスキン主義者同盟(ラスキンとはあの、ウィリアム・モリスの盟友ジョン・ラスキン ❲ ! ❳ なんですなこれが)の陰謀と闘う主人公と同盟、いや同名ではないか。読み終わったいまとなっては、ここがいちばん謎かな。『鉄腕アトム』に出てくる、コントロールを失った変身ロボット、プークを彷彿させるエピソードや、オブライエンの自転車人間が出てきてもおかしくないようなΧίμαιρα百出のシークエンス、フアン・ルルフォを参照しているとしか思えない言い回しなど、ほかにもみどころ多々あれどきょうはここまで。
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2017年3月1日に日本でレビュー済み
賛否両論みたいだけど私は好きだ。
確かに主人公の語りが長くて話があちこちに脱線するが、それに付き合えるような気長な人であれば楽しめる冒険小説だろう。後半からの怒涛の展開はワクワクすること請け合い。
何はともあれ、はっちゃけ気味な文章をしんどく感じるかそうでないかで評価は分かれるに違いない。
確かに主人公の語りが長くて話があちこちに脱線するが、それに付き合えるような気長な人であれば楽しめる冒険小説だろう。後半からの怒涛の展開はワクワクすること請け合い。
何はともあれ、はっちゃけ気味な文章をしんどく感じるかそうでないかで評価は分かれるに違いない。
2015年8月31日に日本でレビュー済み
いわゆるビルドゥングスロマン風で、例えばピンチョンやらラシュディとかが終末後SFという体裁のシュールなファンタジーを書いてみたというか、こまごまとしたエピソードを次から次へとこれでもかとばかり積み重ねていくスタイルのため、普通のミステリやSFにありがちな予定調和を期待すれば挫折するでしょう。むしろ、この一見とりとめのない饒舌な語りに全感覚を委ね、背景となる得体の知れない世界観や、話の大筋が少しずつ姿を現してくるのを目の当たりにするのは、私にとって近年稀に見るエキサイティングな体験でした。まさにこれこそSF読書の醍醐味であるとも言え、あとがきにも「本書はSFと呼んでなんの問題もない」と書かれています。同じハヤカワ文庫NVの「サザーン・リーチ」のSF的世界観にもかなりの衝撃を受けましたが、話の先が見えないところでは本書も負けていない一方で、豪快で鮮やかな結末のため読後感はスッキリです。わかりやすくて楽しい今風の日本語の読み物にしてくれた翻訳者GJ!未読の方にはなるべく先入観なしに読み始めることをおすすめします。
著者2作目のスチームパンクミステリ「エンジェルメイカー」も必読!!
著者2作目のスチームパンクミステリ「エンジェルメイカー」も必読!!