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外務省革新派 世界新秩序の幻影 (中公新書) Kindle版

4.1 5つ星のうち4.1 20個の評価

一九三八年七月、時の外相宇垣一成の私邸を八人の青年外交官が訪れ、所信を披瀝するとともに、彼らがリーダーと仰ぐ白鳥敏夫の外務次官起用を強く訴えた-ときに軍部以上の強硬論を吐き、軍部と密着して外交刷新を実現しようと行動した外務省革新派。彼らが主張した「皇道外交」は、満洲事変後の「世界史的大変動」の中で大衆に受け入れられ、世論を先導していく。戦争へ向かう時代を新たな角度で切り取る意欲作。
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登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B00LMB2KIG
  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2010/6/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/6/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 9431 KB
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
  • X-Ray ‏ : ‎ 有効にされていません
  • Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
  • 付箋メモ ‏ : ‎ Kindle Scribeで
  • 本の長さ ‏ : ‎ 324ページ
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 20個の評価

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戸部 良一
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上位レビュー、対象国: 日本

2022年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日独伊三国同盟によって日本は、高みの見物を決め込むべき第二次世界大戦に引き摺り込まれた、という説がある。もしこの説に一理あるなら、三国同盟を推進した陸軍と外務省革新派は亡国の主犯となる。がしかし、あの時この同盟に参加しないで日中戦争解決の方法はあったのだろうか?
ドイツが日本に防共協定強化を提案したのは1938年8月。狙いは、ズデーテン地方をドイツに併合し、さらに、チェコ全体をドイツ支配下に組み込む。その時英仏が邪魔するだろうから、日本に極東で牽制してもらう、それだった。従来の防共協定から一歩踏み込み、同盟の対象国(仮想敵国)をソ連一国に限定しない第三国、つまり英仏に拡大しようとした。そうすれば独伊を、ソ連ではなく英仏が攻撃してきた場合も、日本は参戦する義務を負うことになる。この同盟対象国拡大案に海軍が反対した。海軍次官山本五十六は、独伊との関係強化は日中戦争処理上イギリスとの交渉に有害ではないか、などの7箇条の質問を突きつけた。これに対し陸軍は、イギリス外交は利害打算で動くから独伊と結べばその力を恐れて妥協するだろう、と応えた。山本の常識的な質問に、陸軍は取らぬ狸の皮算用的回答しかできなかった(大木毅『日独伊三国軍事同盟』)。がしかし、海軍側の反発もここまでだった。海軍にも山本にも、日中戦争解決の妙案はなかったからだ。
この時、白鳥敏夫以下外務省革新派が新たな構想を提案し議論を引っ張ろうとした。曰く、「三国が無条件の同盟を以て緊密に結合する時、右はいかなる国家或いは国家群もこれに対して戦争を挑み難き世界最強の結合となる。その結果、三国は世界外交の主導権を完全に掌握し、戦争に訴えずにそれぞれの主張を貫徹することができる」、つまりこの同盟は魔法の杖になるのだ。「もし同盟が成立しなければ独伊は防共協定を解消してソ連との妥協に応じる可能性が高い。その場合、ソ連はその兵力の大部分を極東に集中するだろうし、英仏も独伊を誘って新たに極東進出を図るだろう。日本は独伊英米仏ソの経済的軍事的圧迫を受け、大陸から完全に撤退せざるを得なくなり、国内には国民の不満から大混乱が惹起するだろう」。三国同盟に参加したらこれ以上ない果実を得られるが、もし参加しないなら、亡国の危機に立ち至ると、まるでジェットコースターのような近未来予測をし、政府の尻を叩いた。
もし日本が同盟に参加しなければ、英仏と戦うことを想定した独伊がその英仏と、さらに米ソとも組んで日本を包囲する、まるで尊王攘夷の幕末状態になる。きっとそうなるに違いないと恫喝する革新派。
"貧すれば鈍する"、泥沼の日中戦争で視野狭窄となり、日本中心でしか世界を見れなくなったのだろう。三国同盟に加入するしないにかかわらず、日中戦争を解決することは出来なかったのだ。
戦争はしてはならないのだ。
2010年7月8日に日本でレビュー済み
本書は、日本外交史を専門とし、

現在は、国際日本文化研究センター教授である著者が

戦前・戦中期の外務官僚について分析する著作です。

幣原外交・ワシントン体制を英米追従と批判し、

ドイツ・イタリアとの同盟を強く主張した「外務省革新派」

筆者は、白鳥敏夫を中心とする彼らの活動や主張の変遷を記すとともに

外務省内において少数派だった彼らが、

政策決定に一定の影響力を持った要因を分析します。

思想・理念に引き付けられる若手官僚

2・26後の外務省内での駆け引き

そして、白鳥と松岡との微妙な関係など、

興味深い記述ばかりでしたが、とりわけ印象的だったのが、

次第に神がかって行く白鳥の主張と

戦後、心霊研究に打ち込んだ仁宮に関する記述です。

理想に酔う官僚たちとその挫折を、未刊公資料も参照し平易に描く本書。

近代史や外交史に興味のある方に限らず、

多くの方にオススメしたい著作です。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年8月18日に日本でレビュー済み
 新書版で332頁、中身も8人の少壮外務官僚が時の外
相宇垣一成の私邸に押しかけ膝詰め談判に及ぶ書き出
しから、外務官僚の採用制度の変遷をみて、いわゆる革
新派の背景に人事の滞流があるとする記述など、重量感
のある内容になっています。
 しかし何といっても焦点は、独伊との三国同盟締結時
の駐イ大使・白鳥敏夫らの独走と日米交渉をめぐっての
革新派の立場の評価でしょう。著者は、彼らの言動が日
本の外交方針の主軸にはならなかったけれども(といっ
ても実際に政策決定を行う人々の考え方も彼らと大きな
相違はなかった)、国民大衆と呼応して大きな流れを作る
きっかけにはなったとしています。とりあえずは、無理なく
胸にストンと落ちる結論ではありました。
 もっとも彼ら外務省革新派が、戦後の一時期こそ実務
の場から遠ざけられたものの、やがて次官、大使など主
要ポストに復帰し、戦後の外交をリードしたという後日談
は、どう受け止めたらよいか戸惑ったままです。
 それにしても、パリ講和会議での不遇感からスタートし
た重光葵や有田八郎らの外務省改革運動から革新派と
いう鬼子が出現し、彼ら自身を苦しめるという経過は、何
とも皮肉なことでした。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年11月20日に日本でレビュー済み
新書で扱うには広すぎるテーマというのを痛感した本。書いていないか、ほとんど書いていないことが多すぎる。斎藤博は革新派から慕われた割にはアメリカからも厚遇された理由、海軍の条約派が強く危惧した対米戦争リスクを革新派が全く想定せず陸軍の強硬派みたいな一億玉砕上等ほど覚悟ができていなく暗殺や割腹という手段を誰も取らなかった理由、英米は偽善といってナチスを使って対英米自立を図るならホロコースト容認さらには協力を強いられそうだが書いていないこと、白鳥敏夫が東條内閣から距離を置いた理由、陸海軍ではポツダム宣言受諾を巡り大臣暗殺計画や割腹がいくつもあったが外務省ではどうだったか書いていないこと、そもそも太平洋戦争開戦後そして戦争責任隠蔽の動きがほとんど書かれていない。外務省革新派は、せいぜい牛場信彦レベルで、岸信介はおろか瀬島龍三レベルの魔王はいなかったと再確認した本。
2015年11月19日に日本でレビュー済み
他の方のレビューでも書かれているが、戦前~戦中に「外務省の革新官僚」と言われた白鳥敏夫を中心とするグループを描くことで、その当時の外務省官僚が先の大戦の推進にどのような役割を果たしたのかを紹介した一冊である。戦前の外務省官僚というと新聞での特集やTVの歴史ドキュメンタリーでは総じて「平和主義」「反戦主義」の集団として描かれているが、それがとんでもない間違いであることを教えてくれる1冊である。
なお「革新派」と銘うたれているが、これはその当時のマスコミによって付けられた呼称であり、今の私たちから見るととても“革新”とは思えない集団であることに注意。それどころか、“革新派”の中心人物である白鳥の思想は戦後山本勝之助(アナーキストから転じて石原莞爾シンパになったという変わった人物である)に「本来は小心者で、その当時の時勢に応じて擬態した思想が次第に本質になってしまう」と言うように評価されてしまう(p.43)くらいにころころ変わって正直分かりづらい。

この本のポイントは
・第一次大戦後のパリ講和会議での日本外交の立ち後れを懸念した当時の若手外交官から外務省を改革する意見が盛り上がり、しかも当時の上司などからも了解を得ていたこと(第1章) この点は立ち後れを改革しようとしたものの内部の反対から中途半端に終わった陸海軍と比較して興味深い。
・ただし、この改革の一端として民間人の大幅登用なども含む外務官僚の増大が、第一次世界大戦後の不況のリストラなどから今度はポスト不足に繋がり、それが外務省“革新派”勃興の原因の一つとなった(第1章、第2章)
・パリ講和会議の時に改革を唱えた“若手外交官”(重光葵など)は、戦前には逆に“革新派”から“伝統派”と言われ、守旧/保守に属していると見られて攻撃されていた(第2章)
・“革新派”は軍、特に陸軍の動向に左右されることが多く、皇道派全盛の時はソ連を攻撃し、日中戦争が悪化の一途をたどるとワシントン体制の関係から英米を攻撃するというように、対象が流動的(第3章~第5章)
・外務省の“革新派”は、外務省独特の体質(転勤が多く、しかも海外と国内の流動が多い)から、陸海軍の派閥と違って一体的な行動が取れなかった(第6章)
…というあたりだろう。

しかし、この本の一番の注目点は、ネタにされた白鳥敏夫という人物にあると思う。この本は戦前~戦中の外務省の動きを描く一方で、白鳥敏夫の伝記とも言える一面を持っている。
日本史の教科書で「A級戦犯の一人」ぐらいにしか記憶していなかったのだが、既述の「その当時のご時世でころころ変わってしまう主張」もさることながら、石井菊次郎、白鳥庫吉の甥という名門の出身であること、短期的な分析には鋭い物があること(満州事変の本質の分析、独ソが同盟を結ぶ可能性をいち早く指摘、小国には軍備はいらないという主張、など)、“革新派”の首領でありながら(ついでに本人もやる気満々だったにも関わらず)外務大臣にも次官にもなれなかったことなど、この本で初めて知ったことが多かった…。この本を見る限りでは外務省を領導する実力はない人物のように思えるのだが、多くの若手官僚が彼を推戴したのには、名門出身に加え、分析が鋭いこと(但し一時的なポイント限定なのだが),そしてその分析を全国民にアピールする声のでかさがあったように感じられた。白鳥は満州事変に始まる国際社会の激動を「世界新秩序の始まり」と分析…と言うか自らに思い込まそうとしていた感があるが、それが大変な間違いだったように、白鳥を担いだ若手外務省官僚も白鳥のポーズに幻惑された節があるように感じられた。
また、松岡洋右と白鳥は似たもの同士と思っていたのだが、この本によると松岡と白鳥はかなり仲が悪かったらしく、松岡は外相になると“革新派”を本省から“追放”してしまった(第6章「松岡外交」)と言う話は意外だった。
また白鳥があの森恪や鈴木貞一とつながりが深かったらしいと言う話(第2章「外交の「思想的論拠」」)も興味深かった。

なお、外務省“革新派”は、先述のように“伝統派”の先輩叩きに精出したことを吉田茂(“伝統派”扱いされていた)に相当恨まれたらしく、戦後「Yパージ」と呼ばれた左遷劇にあって外務省を追放されてしまった…にも関わらず、吉田茂内閣がつぶれた後にはかなりの数が復帰して、重職に就いた人も多いそうである(第7章)。著者がエピローグで書いたように、分析能力は白鳥のように優れた人が多かったのかも知れない。

また、白鳥が「皇道外交」とか大戦末期になると「ユダヤ陰謀論」「ムー大陸」まで出すようになる思想影響を与えたと指摘されているのが仁宮武夫なる超科学的な?人物なのだが、白鳥が昭和13,4年頃からスメラ会(陸軍の高嶋辰彦や小島威彦、仲小路彰などの学者が設立した団体)などに参加していたことは指摘されていない。この本は戸部氏の30年近く断続的に続けられた研究をまとめた物とのことなので、その辺の史料を見られることがなかっただけなのかも知れないが、少し残念ではある。
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