駄目駄目なチームが或ることをきっかけに、少しずつ成長していく。
「艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!」は、そんな少し懐かしい王道ストーリーを敷いています。
三巻の主人公はメインキャラである陽炎たちじゃなく、初登場の叢雲です。
彼女があきつ丸にあるものを渡すシーンは本当に感動しました。拙い部分も見える本作ですが、ばっちり決めるところは決めてくれます。
全体的に隙のない作品より、私は一つでも心にくる場面がある作品を評価したいです。
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艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!3 (ファミ通文庫) Kindle版
E海域の攻勢作戦で大きな戦果を挙げた陽炎たち第十四駆逐隊。だが依然として深海棲艦との攻防に終わりは見えなかった……。そんな中、秘書艦・愛宕から第十四駆逐隊に告げられた命令はリンガ泊地への転属! あくまで一時的な転属ということで南方へ赴いた彼女たちを待っていたのは、ここに所属する艦娘は自分たちだけだと言う叢雲とあきつ丸の二人で――!? 話題沸騰のファミ通文庫版『艦これ』公式ノベライズに、待望の第3巻が登場!! ※作品の表現や演出を考慮して、電子版は本文縦組で制作しております。また一部のページを改変しております。※
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2014/8/29
- ファイルサイズ7867 KB
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登録情報
- ASIN : B00M3OEYI0
- 出版社 : KADOKAWA (2014/8/29)
- 発売日 : 2014/8/29
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 7867 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 302ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 268,619位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 437位ファミ通文庫
- - 30,074位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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3月生まれ。東京都出身。メジャーデビューは「ガルハド戦記」(ログアウト誌掲載)。小説デビューは「ライトセイバーズ」の短編(ドラゴンマガジン掲載)(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 まぶらほ じょなんの巻・ろく (ISBN-13: 978-4829135044 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月19日に日本でレビュー済み
毎巻感心しますが、兎に角作者がゲームに精通しているため、その設定の取込み方が巧みで原作をやり込んでいる人ほど、成る程なと唸ってしまいます。場面的に主人公から基本離れないため深く掘り下げた物語ではありませんが、その駆逐艦娘達の日常が目に前に展開されていくのがとても楽しいです。
2014年8月7日に日本でレビュー済み
築地版、「艦これ」ノベルズ、第三弾。内容についてはすでに、別項にて私見を述べさせていただいているため、ここでは本編の主要キャラクターのうち、「長月」に少々、触れさせていただきたい。と、いうのもこのシリーズを俯瞰するうえで、キーとなるキャラであるためだ。
そもそも、「陽炎・・・」シリーズは、おそらく作者の指向だろうが、いわゆる「艦これ」世界のメジャーキャラは、現在、未登場か、登場しても出番が限られている。あくまでも主要キャラは、陽炎以下、当初は「あまりもの」「はみだしもの」と揶揄された、駆逐艦娘たち。それも、ファンからすれば一部でコアな人気の潮あたりをのぞき、マイナーに属する面々である。
そのなかでも、長月はとりわけキャラが薄い。いや、薄かった。ゲームよりも、だ。
NOCO氏のイラストでは、少女というよりは童女のようなイメージであり、やはり幼い印象の霰の「騎士役」を気取ってはいるが、背丈からして(イラストによっては)その霰よりも低く描写されていたりする。さらに、本編を読んで読者が違和感を禁じ得ないのは、彼女の独特の口調であろう。
少女らしさは一切、なし! 大人びたーーというよりも、まるで壮年の男性そのものなのである(映画「紅の豚」の主人公を連想させられる)。これは、1〜3巻を通じて変わらない。陽炎をして「強情」「上位者のいうことをもきかない」と思わしめた長月だが、しかし、実はその武人的な口調とは裏腹に、戦闘能力は劣悪最低であったことが露呈してしまう。虚勢。これが、当初の長月のすべてであった。
けれども、長月の「いぶし銀」ともいえる魅力は、ここから開花する。
陽炎にコンプレックスを吐露したことをきっかけに、研さんが始まり、戦闘能力をみがき、狭かった視野も広がり。1巻のクライマックスでは曙という「仲間」のため、他の駆逐隊の面々とともに水平線をうめつくす深海棲艦に立ち向かう、その勇姿!そこにもはや虚勢の影は、ない。さらに命令違反の罪を一人で被ろうとする姿は、最高のカタルシスを与えてくれる。ここにおよんで、築地版「長月」のキャラクターは確立したといえよう。
2巻以降、名実ともに陽炎の右腕ともいうべきポジションとなった長月は、あるときは分隊を指揮し、また参謀役をもこなしてゆく。行方不明になった不知火を案じ、陽炎が虚脱状態に陥った時などは、嚮導である陽炎を精神的な死から回復させるため。命を賭して敵の牙城に乗り込み、不知火を救出することをも、仲間たちに提案すらしている。その覚悟! 意気!! 手練!! まさに「炎の駆逐艦」の呼称にふさわしいではないか?
当初の胆力すらあやしかった長月からは、考えられぬことだ。自己犠牲を厭わず、嚮導・陽炎のよき相談相手となり、彼女の精神的なメンテにつとめ。それでもふだんは一歩退いて嚮導をたて、一方で隊そのもののコンディションまで気遣い得るキーマン(キーガールか?)への着実な成長……。
そうして、本書3巻。最初から最後まで、「魚雷」づくめの本書だが、長月の最大の見せ場は、中盤の別行動をとる陽炎のかわりに、事実上駆逐隊を指揮しての対潜水艦戦であろう。運にめぐまれたとはいえ、終始冷静。正確に敵の意図をおしはかり、先読みをし。神経戦を制して、見事撃破するその手並みの凄さ! 長月ファンにはぜひ、緊迫感にあふれた名勝負を堪能していただきたい。
くわえて、この後の決戦時に負傷した彼女が、入渠を陽炎に強制され。めずらしくすねて、そっぽを向くシーンなどは、ふだんがふだんだけに状況が緊迫しているにもかかわらず、ユーモラスでなおかつ可愛らしく、おかしみを誘う。このシーンのみならず、各巻のあちこちにちりばめられているふだんとの落差、いきすぎないアンバランスこそが、長月の最大の魅力であろう。
もっとも薄かったキャラは、作者の力量により、この作品世界に不可欠な存在へと脱皮をはたした。
それにしても。常々思うのだが、この築地版世界において、長月はいったい、どんな声質なのだろう。
ゲームとは異なり、ハスキー? 口調そのままの、しぶめの低音? いやいや、案外、ビジュアルのそれに近い、童女特有の甲高い声音で一連の「いぶし銀」の台詞を、大真面目でしゃべっているのかもしれない。本編に声質の描写はなかったと思うがーーぜひ、知りたいものである。
追記。出版案内によれば、築地氏の第四弾「陽炎・・・4」は、どうやら過去編。呉鎮守府のエピソードになるらしい。おそらく番外編的な展開なのだろうが・・・当方としては、曙の描写が期待できないのが無念。さらには、時間軸的に陽炎&不知火VS深海棲艦レ級のエピソードが期待できない・・・というのが残念である。饒舌にして、毒舌(2次創作からの刷り込み?)。無慈悲にして最凶! 「僕がかんがえた最強のせんかん(ヤプール謹製の超獣か?)」と名高いレ級と、駆逐隊との智謀の限りをつくした攻防戦を期待していたのだが・・・?
そもそも、「陽炎・・・」シリーズは、おそらく作者の指向だろうが、いわゆる「艦これ」世界のメジャーキャラは、現在、未登場か、登場しても出番が限られている。あくまでも主要キャラは、陽炎以下、当初は「あまりもの」「はみだしもの」と揶揄された、駆逐艦娘たち。それも、ファンからすれば一部でコアな人気の潮あたりをのぞき、マイナーに属する面々である。
そのなかでも、長月はとりわけキャラが薄い。いや、薄かった。ゲームよりも、だ。
NOCO氏のイラストでは、少女というよりは童女のようなイメージであり、やはり幼い印象の霰の「騎士役」を気取ってはいるが、背丈からして(イラストによっては)その霰よりも低く描写されていたりする。さらに、本編を読んで読者が違和感を禁じ得ないのは、彼女の独特の口調であろう。
少女らしさは一切、なし! 大人びたーーというよりも、まるで壮年の男性そのものなのである(映画「紅の豚」の主人公を連想させられる)。これは、1〜3巻を通じて変わらない。陽炎をして「強情」「上位者のいうことをもきかない」と思わしめた長月だが、しかし、実はその武人的な口調とは裏腹に、戦闘能力は劣悪最低であったことが露呈してしまう。虚勢。これが、当初の長月のすべてであった。
けれども、長月の「いぶし銀」ともいえる魅力は、ここから開花する。
陽炎にコンプレックスを吐露したことをきっかけに、研さんが始まり、戦闘能力をみがき、狭かった視野も広がり。1巻のクライマックスでは曙という「仲間」のため、他の駆逐隊の面々とともに水平線をうめつくす深海棲艦に立ち向かう、その勇姿!そこにもはや虚勢の影は、ない。さらに命令違反の罪を一人で被ろうとする姿は、最高のカタルシスを与えてくれる。ここにおよんで、築地版「長月」のキャラクターは確立したといえよう。
2巻以降、名実ともに陽炎の右腕ともいうべきポジションとなった長月は、あるときは分隊を指揮し、また参謀役をもこなしてゆく。行方不明になった不知火を案じ、陽炎が虚脱状態に陥った時などは、嚮導である陽炎を精神的な死から回復させるため。命を賭して敵の牙城に乗り込み、不知火を救出することをも、仲間たちに提案すらしている。その覚悟! 意気!! 手練!! まさに「炎の駆逐艦」の呼称にふさわしいではないか?
当初の胆力すらあやしかった長月からは、考えられぬことだ。自己犠牲を厭わず、嚮導・陽炎のよき相談相手となり、彼女の精神的なメンテにつとめ。それでもふだんは一歩退いて嚮導をたて、一方で隊そのもののコンディションまで気遣い得るキーマン(キーガールか?)への着実な成長……。
そうして、本書3巻。最初から最後まで、「魚雷」づくめの本書だが、長月の最大の見せ場は、中盤の別行動をとる陽炎のかわりに、事実上駆逐隊を指揮しての対潜水艦戦であろう。運にめぐまれたとはいえ、終始冷静。正確に敵の意図をおしはかり、先読みをし。神経戦を制して、見事撃破するその手並みの凄さ! 長月ファンにはぜひ、緊迫感にあふれた名勝負を堪能していただきたい。
くわえて、この後の決戦時に負傷した彼女が、入渠を陽炎に強制され。めずらしくすねて、そっぽを向くシーンなどは、ふだんがふだんだけに状況が緊迫しているにもかかわらず、ユーモラスでなおかつ可愛らしく、おかしみを誘う。このシーンのみならず、各巻のあちこちにちりばめられているふだんとの落差、いきすぎないアンバランスこそが、長月の最大の魅力であろう。
もっとも薄かったキャラは、作者の力量により、この作品世界に不可欠な存在へと脱皮をはたした。
それにしても。常々思うのだが、この築地版世界において、長月はいったい、どんな声質なのだろう。
ゲームとは異なり、ハスキー? 口調そのままの、しぶめの低音? いやいや、案外、ビジュアルのそれに近い、童女特有の甲高い声音で一連の「いぶし銀」の台詞を、大真面目でしゃべっているのかもしれない。本編に声質の描写はなかったと思うがーーぜひ、知りたいものである。
追記。出版案内によれば、築地氏の第四弾「陽炎・・・4」は、どうやら過去編。呉鎮守府のエピソードになるらしい。おそらく番外編的な展開なのだろうが・・・当方としては、曙の描写が期待できないのが無念。さらには、時間軸的に陽炎&不知火VS深海棲艦レ級のエピソードが期待できない・・・というのが残念である。饒舌にして、毒舌(2次創作からの刷り込み?)。無慈悲にして最凶! 「僕がかんがえた最強のせんかん(ヤプール謹製の超獣か?)」と名高いレ級と、駆逐隊との智謀の限りをつくした攻防戦を期待していたのだが・・・?
2014年7月31日に日本でレビュー済み
1巻、2巻に続いて購入してみました。
既存のキャラクターで物語を書く際のポイントは、いかにそのキャラクターのイメージを崩さないようにしつつ、物語を面白いものにするかであると思っております。今回、これまでの第十四駆逐隊の面々に加えて、新たに二人、主要なキャラとして艦娘が登場しました。私の感想では、二人とも特に違和感のないキャラクター描写がなされているように思いました。登場人物同士の掛け合いも楽しかったです。
問題は物語の方。展開にかなり無理があるように感じました。物語の根幹に関わるところなので詳しくはいえないのですが、登場人物全員に思惑を持たせた結果、辻褄が合わないことになっています。各鎮守府・泊地が力を合わせて(艦娘を派遣しあったりして)敵と戦っているという設定のはずなのに、キャラクターが私情をはさみまくっているため、突っ込みどころ満載です。軍や命を描く作品でもあるので、この内容には納得できませんでした。1巻、2巻が比較的ストレートで、分かりやすい内容だったからかもしれません。
ただ、登場キャラクターはみんな魅力的でした。1巻、2巻が気に入った方なら、買って損はないでしょう。
既存のキャラクターで物語を書く際のポイントは、いかにそのキャラクターのイメージを崩さないようにしつつ、物語を面白いものにするかであると思っております。今回、これまでの第十四駆逐隊の面々に加えて、新たに二人、主要なキャラとして艦娘が登場しました。私の感想では、二人とも特に違和感のないキャラクター描写がなされているように思いました。登場人物同士の掛け合いも楽しかったです。
問題は物語の方。展開にかなり無理があるように感じました。物語の根幹に関わるところなので詳しくはいえないのですが、登場人物全員に思惑を持たせた結果、辻褄が合わないことになっています。各鎮守府・泊地が力を合わせて(艦娘を派遣しあったりして)敵と戦っているという設定のはずなのに、キャラクターが私情をはさみまくっているため、突っ込みどころ満載です。軍や命を描く作品でもあるので、この内容には納得できませんでした。1巻、2巻が比較的ストレートで、分かりやすい内容だったからかもしれません。
ただ、登場キャラクターはみんな魅力的でした。1巻、2巻が気に入った方なら、買って損はないでしょう。