裏切りのサーカス スペシャル・プライス [DVD]
フォーマット | ワイドスクリーン, ドルビー, 色 |
コントリビュータ | トム・ハーディ, トビ―・ジョーンズ, コリン・ファース, ゲイリー・オールドマン, トーマス・アルフレッドソン, ジョン・ハート |
言語 | 英語, 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 8 分 |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
第84回アカデミー賞3部門ノミネート!!〈主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、脚色賞、作曲賞〉
元MI6諜報員にして、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレが描く、リアル。
英国ミステリーの歴史に燦然と輝く傑作、完全映画化!!
■静かに、そして熱く突きつけられる〈リアル〉に世界が唸った。アカデミー賞主演男優賞ほか3部門ノミネート!世界の賞レースを制した傑作!!
■元MI6諜報員にして、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレ最高傑作!実在の事件を基に描かれた`スパイ小説の金字塔'を完全映画化!!
■ゲイリー・オールドマン、コリン・ファースetc…英国最高峰の名優たちが魅せる圧巻の競演!!
■世界的なファッションデザイナー「ポール・スミス」が特別協力!!
【ストーリー】東西冷戦下、英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBは熾烈な情報戦を繰り広げていた。 ある策略により、
英国諜報部<サーカス>を去ることとなった老スパイ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)の元に、困難な任務が下される。 それは、
長年に渡り組織の幹部に潜り込んでいるソ連の二重スパイ<もぐら>を捜し出すこと。 標的は組織幹部の4人、<ティンカー(鋳掛け屋)、
テイラー(仕立屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧乏人)>。 過去の記録を遡り、証言を集め、容疑者を洗いあげていくスマイリー。
浮かび上がるソ連の深部情報ソース<ウィッチクラフト>、そしてかつての宿敵、ソ連のスパイ<カーラ>の影。やがて彼が見いだす
意外な裏切者の正体とは―。
【キャスト】ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビ―・ジョーンズ
【スタッフ】監督:トーマス・アルフレッドソン、製作:ブリジット・オコナー&ピーター・ストローハン、音楽:アルベルト・イグレシアス
【映像特典】
◆メイキング集
◆インタビュー集(ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、監督:トーマス・アルフレッドソン、脚本:ピ
ーター・ストローハン)
◆未公開シーン集
◆予告編集(オリジナル版予告編A、オリジナル予告編B、日本版予告編)
◆キャスト・スタッフ プロフィール(静止画)
【音声特典】
◆トーマス・アルフレッドソン監督×ゲイリー・オールドマンによるオーディオ・コメンタリー
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語, 日本語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 140 g
- EAN : 4907953061323
- 監督 : トーマス・アルフレッドソン
- メディア形式 : ワイドスクリーン, ドルビー, 色
- 時間 : 2 時間 8 分
- 発売日 : 2014/12/2
- 出演 : ゲイリー・オールドマン, コリン・ファース, トム・ハーディ, ジョン・ハート, トビ―・ジョーンズ
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1), 日本語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : Happinet(SB)(D)
- ASIN : B00MUF3D0C
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 73,379位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 108位外国のスパイ映画
- - 2,558位外国のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
原作は未読で、予備知識なく観ました。映画は筋ではなく表現。その濃厚さと香りとザラザラ感。全部言ってしまう現代の映画の中であって、異彩を放つ。わからない部分があっても訴える力。これら要素と綿密な描写は、ストーリーとは別の魅力を持つ。映画は筋にあらずということを再確認した作品。画のすべてが、音が本作を私に繋ぎ止めているようにも思われる。私は画面から目を離すことができなかった。
本作のごく大まかな概要は本頁の内容紹介のとおり。1973年、英国情報部MI6(通称サーカス)上層部にいる旧ソ連との二重スパイ「モグラ」の正体を暴き、影で糸を引く英国情報部の永年のソ連の宿敵「カーラ」の目論みを挫くことを命じられたのは、引退した老諜報員スマイリー(ゲイリー・オールドマン)。
本作の面白さは、スマイリーらをはじめとする登場人物たちの五里霧中の心理を観客になぞらせ、霧の中へ我々を誘う点にある。登場人物へ知らされないことは観客には知らされない。つまり我々に彼らがはまり込む疑念の迷宮を追体験させる。展開が明快であればあるほど、スマイリーたちと観る者の距離は遠くなるように思われので、この曖昧さは正解。一応この顛末は示されるが、鑑賞後はそれでもなお釈然としない苦い後味を残す。現実には、解決することなんか何もないように、彼らの結末も解決とは言い切れない作品処理。
また、本作は観客に組織の冷たく暗い非情さとやりきれない疲労感を、疑心暗鬼を与える。彼らの職業には東側との攻防だけではない。身内に向けられた疑惑、不信感、脚のすくいあいがつきもので頼る者は自分だけ。この究極の孤独と焦燥とアイデンティティの危機が払っても払いきれない消耗を生む。落ちた針の音にさえ反応するような緊張。こんな全編に垂れこめた重苦しさ、鉛を飲むような抑制、因果なプライド・自身の選択への深い深いため息にからめ捕られそう。
一方で同志愛を多分に含んだ、当事者だけが知る傷を共有する身内どうしの同性愛めいた感覚がところどころに流れている。これは本作のカラーを決定付けている。誰と誰がは書けないが(1つではなく)、スマイリーはじめ多くの者があまりに渋くダンディ?(過ぎて)まさに男騒ぎの映画とも。
そして3回描かれる昔の情報部の家族パーティのgood old circusのノスタルジー。退職した腕利き女性分析官サックスが語る上層部連の若き日々。現実の現在の各国情報部はおそらくもっと様変わりしているだろうが、冷戦が第二次大戦後の情報部を変え、後の冷戦の終了がさらにスパイの現場を変えたかも。特に3番目のパーティでは万感の思いが「La Mer」の軽やかな旋律となぜか相まって、海に憧れつつも泡沫のように翻弄される男たちに胸が熱くなる。すでに変容していた70年代から見た共同体意識の喪失への挽歌としての本作の側面も忘れられない。遠い遠い追憶がpost ww2という時代にキラキラと流れていくよう。
表情、背中、手つき、目配せ、沈黙、間がセリフより多くを語る点も本作の魅力となっています。メイキングのインタビューでオールドマンが次のように語っている。本作は雪が降るようなペースを持っている、と。映画にはその作品にあったペース(やリズム)があるが、この深深とした静けさと速度を選んだ監督に脱帽。
撮影や衣装・美術・オリジナル音楽、既成音楽の使い方の素晴らしさは先行レビューのおっしゃる通り。これも本作の魅力を高めている。特にハンガリー、トルコのロケは出色。陰鬱なロンドンも素晴らしい。俳優陣ではやはり、時に冷徹なスマイリーのオールドマン。後姿、立ち姿だけで何かを語る。そして失意のコントロール役のジョン・ハート、複雑な感情に揺れ動くヘイドン役のコリン・ファース、あらゆる辛苦を背負うブリドー役のマーク・ストロングが出色(少年とのやりとりも深い)。若手もおじさんも皆良い。俳優を観るための作品ともいえる。本音を出さない彼らの中で、若い現地工作員ター(トム・ハーディ)と、スマイリーに訳ありの情を抱くギラム(カンバーバッチ)だけが感情・感傷的な一面を見せ、印象的。スマイリーの行動原理の大きな部分を占めているのが、顔を見せないカーラとスマイリーの妻アンというのもうまい作劇。
調べてみると、後の続編小説ではスマイリーのカーラ追跡が描かれるが(「スクールボーイ閣下」「スマイリーと仲間たち」)それを踏まえた結末とも見える。ル・カレ映画化作品といえば「寒い国から帰ったスパイ」は傑作(未邦盤ディスク化)、「テイラー・オブ・パナマ」も佳作だった。そして本原作小説は1979年に英BBCで5時間のテレビ・ミニシリーズ化されている。そちらのスマイリーは最も偉大な俳優の1人アレック・ギネス。ただ邦盤ディスクは出ておらずimport(Tinker Tailor Soldier Spyで検索。リージョン、PAL等に注意。「Smiley’s People」との英語字幕ありPAL廉価4枚組セットも出ている)。
本廉価盤先行レビューによれば初邦盤商品(非廉価)と同じ特典らしいとのこと。
TINKER TAILOR SOLDIER SPY, 2011, FR=UK=DE,
Studio Canal, Working Title Films/ Studio Canal
Theatrical aspect ratio 2.35 : 1 , 127min. Color, Datasat, Dolby Digital, 35mm
-------------------------------------------------------------------------
傷、パラ、ノイズなし。諧調も良く出ている。DVDとしては特に文句なく良い画質。
フィルムライクで適度なグレイン感あり。今風のツルツルピカピカ調ではない。
リージョン2, NTSC
映像仕様は16:9LB(スコープ)、画面アスペクト比は2.35:1
片面 2層、127min.Color
音声:英語5.1ch.サラウンド、日本語吹替え2.0ch.ステレオ、
英語コメンタリー2.0ch.ステレオ。Dolby Digital
字幕:日本語(本編、コメンタリー)on/off可能
メインメニューあり、チャプターメニューあり。
同社からBDも発売。画質等は当該レビューを参照ください。
映像特典:本頁どおり。計45分
メイキングは撮影風景を交えたインタビュー、10分、1.78:1 画質良し
インタビュー、24分、1.78:1 画質良し
未公開シーン、6分、2.35:1 字幕あり、画質良し
予告編集、5分、2.35:1 字幕なし(日本版はあり)、画質良し
音声特典: 監督とオールドマンのコメンタリー、興味深い内容と思います。
発売:ギャガ / 販売:ハピネット ,2014
関連キーワード:(未見の方はスルーしてください)
英国情報部、ロンドン、70年代、イスタンブール、ブダペスト、二重スパイ、メガネ、スーツ、
ソ連、ゲイ、水泳、家庭不和、チェス、ライター、宿敵
関連作:TINKER TAILOR SOLDIER SPY(1979, TVミニシリーズ)、
SMILEY'S PEOPLE(1982、TVミニシリーズ)、スクールボーイ閣下(小説)
2011年イギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ作品。
原作の小説はヨーロッパでは凄く有名で、その粗筋は知れ渡っており、映画化した本作はその内容より、撮影法や役者の演技に関心を寄せるものになっている。
まず撮影法だが、本作のコピー「一度目、あなたを欺く。二度目、真実が見える」に偽りなく、初観では私もわからない箇所がいくつもあった。
それも明らかに解りづらくするようなカット割がされている。
なのに2度観ることによって、思わず唸ってしまうストーリー構成を観客に認知させる技が、随所に散りばめられていることが判明する。
既知の小説を、再びドキドキしながら味わうためのテクニックなのでしょう。
しかしながら原作小説は、私を含め多くの日本人には馴染みがなく?が多くなるだろうから、そこをフォローするべく、ネット上には本作の嗜み方を伝授するサイトまであります。
恥ずかしながら私はこれ読んで、初めてその詳細を理解し、本作の凄さに改めて感心しました。
そして演じる俳優陣、主役のゲイリー・オールドマンを筆頭に、「キングスマン」のコリン・ファースとマーク・ストロング、「ヴェノム」の トム・ハーディ、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・カンバーバッチと主役級が出演して、それぞれに魅入ってしまう個性を発している。
なかでも、主役のゲイリーが上映開始から姿見せているのに、20分間も無言で演技し続けているのは圧巻でした。
アカデミー賞にも3部門でノミネートされ、制作費の4倍の興行収入を叩き出した成功作。
原作小説は3部作になっているようなので、是非続編も映像で観てみたい。
損ねない程度の映画化です。
ゲイリーオールドマンのインタビュでもあるように
独立した作品…
そのように見るべきですね。
冷戦時代の情報戦、西VS東の構造を完全に理解して
さらに暗部ではどういうことが行われているっぽかったかがわからないと
この映画だけではわからないでしょう。
でも逆にわかる人はシーン一つ一つが宝のよう。
私はもともとこういうダブルエージェントものが好きだというのもありますが、
これはそれを抜いたとしてもまず出演俳優がすごい。
こう、味のある人しかチョイスしていない。
最近チャイルド44を見たのですが、
これと関連があるスタッフがかかわっているのでしょうか、
主演がトムハーディ、脇役ゲイリーオールドマンでした
雰囲気とかはやはり最高でしたが、チャイルド44の方は原作を結構改変していて
大事な部分を欠落させていたのとトムがなぜか低い声で話すのが気になって
今一つでしたが…
ただ、東の雰囲気、東と接触している西側の人間の雰囲気というのは
この映画ととても似通っていました。
レンタルで借りたのですが、何度も見るべきものだと思い購入。
やはり最初の方のスマイリーの自宅での絵や、ビルに関わる話など、
あとから見るにつけ、あーーと思うところたくさんです。
原作読んでいると気づきやすいのでしょうが。
とにかくおすすめ。900円強で購入したのですが、
いいんだろうかと若干ためらいました。
それほどまでに本作の異質なまでの作風は衝撃的だった。
ゲイリー・オールドマン、ジョン・ハート、コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、キーラン・ハインズ、トム・ハーディら実力派名優が競演した超リアリズムなスパイ作品なのだが、スパイ映画特有のアクションが一切無く、推理映画の如く組織に深く潜伏する二重スパイを炙り出す追い込み漁を淡々と描く異色作だ。
英仏独合作のシリアステイストが全編を支配し、お色気やコメディ要素を一切廃除し、東西冷戦時代の英国諜報機関の米ソに挟まれた難しい位置付けを描写したストーリーの尖り方が素晴らしい。イデオロギー対立と国家忠誠、個人栄達の狭間で揺れる男達のドライな選択と覚悟に圧倒される。特にゲイリー・オールドマンは彼の過去最高演技だと確信する。「レオン」のキレた麻薬捜査官や、「ウィンストン・チャーチル」の熱い首相を遥かに凌駕する表情の奥深さには感嘆の溜め息しか出ない。
カメラワークは過去に類を見ない緻密な計算が施され、スクリーン全体に全神経を集中していないと伏線をボロボロ見落としてしまう、恐ろしく体力を要求される観客泣かせな作品でもある。
無言で流れるカットを含め、全ての画像と台詞に意味が施されていて、安易な気持ちで娯楽スパイ映画のつもりで観に来た観客の注意力を試すかの様な攻撃的な作風だとも言える。
無駄な台詞を許さないソリッドな脚本と併せて、これ程観客の力量が試される作風には出合った事がない。名優達の含みのある演技や何気無い仕草は、言葉に頼らない演技の真髄に触れられる稀少な機会だった。観た直後に2回目の視聴が楽しみなのは久し振り。
派手さは期待してはいけない。超リアルに再現された権謀術策シナリオにガン&カーアクションは要らない。国家に忠誠を尽くした男達と、覚悟の上の裏切りの代償の重さを思い知る、欧州大陸らしさ満点の異色スパイ映画の傑作です。