『とある雨の日、小悪魔ビッチにせまられて』で午後１２時の男先生の作品に出会いました。それ以来のファンです。
ふつうのエッチな小説、成人コミックもそうなんですが、たとえ舞台が現代日本であっても、読者と物語の距離感で言えばその多くはファンタジーなんですよね。性の指輪物語というか。
『とある雨の日』でもそうだったんですけど、この小説では特に、読んでいてふとまわりで川の匂いがしたり、女性の所作の描写を読んで何か自分でもわからないものを思い出してざわざわと鳥肌が立ったりするような、平易な文章で、一見平凡な言葉選びなのに、なんらかのセンスか努力を感じさせる表現が、すばらしいです。空気を止めたり動かしたりするリズムも相変わらずすごい。
なんて、こんなこと言ってるとおかしなレビューですが、だからこそ、だからこそエッチなシーンに入ったときの威力すごいんですよね…。エッチなPCゲームを20時間プレイしてやっと得られるくらいの情がこの短編で入るんです。自分、なぜか読んでて泣けちゃいました…。
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