天国と地獄[東宝DVD名作セレクション]
形式: DVD
34パーセントの割引で¥1,827 -34% ¥1,827 税込
参考価格: ¥2,750 参考価格: ¥2,750¥2,750
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フォーマット | DVD-Video |
コントリビュータ | 三船敏郎 |
言語 | 日本語 |
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商品の説明
☆東宝DVD名作セレクション 第1弾☆
身代金を厚さ7センチのカバンに入れて「こだま」に乗れ!
【特典映像】
特報・予告編
【キャスト】
三船敏郎/山崎努/香川京子/仲代達矢/木村功/三橋達也/志村喬
【スタッフ】
監督:黒澤明 原作:エド・マクベイン 脚本:小国英雄/菊島隆三/久板栄二郎/黒澤明
【仕様】
モノクロ(パートカラー)/143分/シネスコ/音声14chステレオ22chステレオRemix/1963年
※デザイン・仕様は変更になる可能性がございます。
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 100 g
- EAN : 4988104095886
- メディア形式 : DVD-Video
- 発売日 : 2015/2/18
- 出演 : 三船敏郎
- 販売元 : 東宝
- ASIN : B00R4LP3HS
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,755位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 49位日本のミステリー・サスペンス映画
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー

1 星
東宝の方が断然高画質でした
他の黒澤作品のCRITERIONは東宝よりも高画質なのに、これはだめ。白飛び黒つぶれ(というよりグレーつぶれ)。ざらざら。香川京子の清楚な表情が、汚くなってる。CRITERIONの黒澤シネスコ作品は、2.55を2.35ぐらいに、左右圧縮してトリミングもしているようで、両端が少し欠けています。もちろん、作品自体は最高です!CRITERIONの出費が痛手でしたが、比較したからこそ東宝の良さがわかりました。どちらもコレクションしておきます。他の作品は、CRITERIONも素晴らしいので、今後、4Kになっても、きっとまたどちらも買うんだろうなあ。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いやはや、凄い映画を観てしまいました。
尤も、この黒澤明監督の『天国と地獄』(1963年)は、学生の頃(高校生? or 大学生?)に名画座のリバイバル上映で、一度観た記憶があります。
その時の記憶として印象に残っていたのは
① 自社製品である「ナショナル・シューズ」に情熱をかける権藤と彼を追い出そうとする他の重役たちとの駆け引き(秘書の裏切りも含めて)
② 白黒作品の中で唯一カラーになるシーン(犯人が現金取引用の鞄を焼却した際に出た煙突からの桃色の煙)
③ 戸倉警部をはじめとする刑事たちが、犯人の乗った(備考1)タクシーを車で追跡する際に、瞬き一つしない演技
④ ラストの犯人と権藤との面会シーン
でした。
今回、Amazonからブルーレイ・ディスクを購入して、再度じっくり鑑賞しました。
既に一度観ており、大体の筋は覚えていたので、夏休みの晩飯前に冒頭の30分くらい観て、一時停止をかけて晩飯にして、続きは食後にゆっくり観ようかな、なんて甘いことを考えておりましたが、全く通用しませんでした。
オープニングの「出演者」の紹介に何とワクワクしたことか!!「えっ!あの人まで?!」とばかりに、黒澤組や円谷組の錚々たる顔ぶれが名を連ねています(東宝俳優陣総動員?)。もう、ここから一気に最後まで通して観てしまいました。
今回再見して、特に感心したのは、戸倉警部が特急列車の中で咄嗟に下す的確な指示や彼が率いる警察特別本部の一糸乱れぬ見事な連携捜査でした。これほどの人海戦術で、各担当者がこれだけ手間をかければ日本中の全ての犯罪事件は解決するのだろうなと思いました。
もう一つ、やはり序盤の密室劇(備考2)は見事でした。これは全編を通して言えることですが、ナレーションなどによるト書きのような説明は一切なく、台詞と演技と演出だけで観る者に状況を理解させる脚本は完璧です。原作は「エド・マクベイン」という外国人だそうですが、私は未だ原作を読んだことがありません。従って、この映画の脚本がどれほど原作に忠実なのかは不明です。しかし、私にとっては、この隙の無い脚本だけで「おなか一杯」でした。特に、この権藤邸での描写は圧巻でした。非常に高い所から降下するジェットコースターのように、最後まで一気に観せるパワーは、この序盤の密室劇にあるのでしょう。さらわれた子が「自分の子」ではなく「お抱え運転手の子」だと判った後の「身代備考金を払うか払わないか」という権藤の葛藤は原作にもあったのでしょうか?(備考3)(備考4)
そして、ラスト、犯人と権藤との面会シーン。
二人の顔が交互にアップで写されますが、必ず相手の顔がガラスに反射して被って映ります。無一文から再出発しようとする権藤と「冬は寒くてねられない、夏は暑くてねられない」と不平不満ばかり連ねる犯人。権藤は「君は、そんなに不幸だったのかね」と何の嫌味もなく問いかけます。それは「権藤が未だ不幸にはなっていない」つまり「犯人の思いどおりにはならなかった」という証拠です。その権藤の素朴な問いかけがボディブローとなって徐々に効いてきたのか、強がりを続けていた犯人もやがて両者を隔てる金網を握りしめて絶叫します。「天国か地獄かを決めるのは、境遇ではなく心の持ち方なのかな」なんて思ったりもしましたが、そんな説教臭さはありませんでした。面会のシャッターが降りた後、残ったのは厳然と存在する「対比」だけでした。見事な結末でした。
(備考1)
黒澤明監督の独特の手法なのか、犯人がタクシーに乗り込む場面はありません。タクシーを拾おうとしてうろうろする場面は描かれていますが、「実際にタクシーに乗った」場面がないのです。その後すぐに刑事たちが追跡する車内の場面に切り替わります。観る者に「犯人は多分タクシーに乗ったのだろう」と想像させます。『用心棒』(1961年)でも三十郎が徳右衛門の情婦を救出したことがバレて卯之助一味に散々な暴行を受けますが、実際に暴行受けている場面は描かれていません。「恐らく暴行を受けたのだろう」と想像させる三十郎の変り果てた姿が描かれているだけです。私は黒澤明作品を全て観たわけではありませんので、他の作品にもこのような演出があったのかは判りません。どのような効果を狙ったのかも不明です。物語とは直接関係のないことですが、なぜか印象に残りました。
(備考2)
約55分間ですが、厳密に言うと100%「密室劇」ではありません。
→「他の重役たちの退散」と「二人の子供の登場」との入れ違い。
(備考3)
テロリストに人質を取られた場合の国家としての対応として、米国では「絶対に許さない。人質がどうなっても要求は受け入れない。それは再発防止のためだ」と、日本の「超法規的措置として人質解放のためにテロリストの要求を呑む」という違いを思い起こしました。
(備考4)
この映画とは直接関係ないことですが、私は似たような事案について弁護士に相談したことがあります。「たとえ身代金が取り戻されたとしても、このタイミングで金(私の場合は金ではなく時間)を失ったら手遅れになる。その損害は別途に請求できるのか?」その弁護士は暫く黙っていましたが、やがて、「司法試験(?)で、そのような問題が出されたことがある」と言いました。しかし、どう答えたのか、正解は何だったのか、私には教えてくれませんでした。
尤も、この黒澤明監督の『天国と地獄』(1963年)は、学生の頃(高校生? or 大学生?)に名画座のリバイバル上映で、一度観た記憶があります。
その時の記憶として印象に残っていたのは
① 自社製品である「ナショナル・シューズ」に情熱をかける権藤と彼を追い出そうとする他の重役たちとの駆け引き(秘書の裏切りも含めて)
② 白黒作品の中で唯一カラーになるシーン(犯人が現金取引用の鞄を焼却した際に出た煙突からの桃色の煙)
③ 戸倉警部をはじめとする刑事たちが、犯人の乗った(備考1)タクシーを車で追跡する際に、瞬き一つしない演技
④ ラストの犯人と権藤との面会シーン
でした。
今回、Amazonからブルーレイ・ディスクを購入して、再度じっくり鑑賞しました。
既に一度観ており、大体の筋は覚えていたので、夏休みの晩飯前に冒頭の30分くらい観て、一時停止をかけて晩飯にして、続きは食後にゆっくり観ようかな、なんて甘いことを考えておりましたが、全く通用しませんでした。
オープニングの「出演者」の紹介に何とワクワクしたことか!!「えっ!あの人まで?!」とばかりに、黒澤組や円谷組の錚々たる顔ぶれが名を連ねています(東宝俳優陣総動員?)。もう、ここから一気に最後まで通して観てしまいました。
今回再見して、特に感心したのは、戸倉警部が特急列車の中で咄嗟に下す的確な指示や彼が率いる警察特別本部の一糸乱れぬ見事な連携捜査でした。これほどの人海戦術で、各担当者がこれだけ手間をかければ日本中の全ての犯罪事件は解決するのだろうなと思いました。
もう一つ、やはり序盤の密室劇(備考2)は見事でした。これは全編を通して言えることですが、ナレーションなどによるト書きのような説明は一切なく、台詞と演技と演出だけで観る者に状況を理解させる脚本は完璧です。原作は「エド・マクベイン」という外国人だそうですが、私は未だ原作を読んだことがありません。従って、この映画の脚本がどれほど原作に忠実なのかは不明です。しかし、私にとっては、この隙の無い脚本だけで「おなか一杯」でした。特に、この権藤邸での描写は圧巻でした。非常に高い所から降下するジェットコースターのように、最後まで一気に観せるパワーは、この序盤の密室劇にあるのでしょう。さらわれた子が「自分の子」ではなく「お抱え運転手の子」だと判った後の「身代備考金を払うか払わないか」という権藤の葛藤は原作にもあったのでしょうか?(備考3)(備考4)
そして、ラスト、犯人と権藤との面会シーン。
二人の顔が交互にアップで写されますが、必ず相手の顔がガラスに反射して被って映ります。無一文から再出発しようとする権藤と「冬は寒くてねられない、夏は暑くてねられない」と不平不満ばかり連ねる犯人。権藤は「君は、そんなに不幸だったのかね」と何の嫌味もなく問いかけます。それは「権藤が未だ不幸にはなっていない」つまり「犯人の思いどおりにはならなかった」という証拠です。その権藤の素朴な問いかけがボディブローとなって徐々に効いてきたのか、強がりを続けていた犯人もやがて両者を隔てる金網を握りしめて絶叫します。「天国か地獄かを決めるのは、境遇ではなく心の持ち方なのかな」なんて思ったりもしましたが、そんな説教臭さはありませんでした。面会のシャッターが降りた後、残ったのは厳然と存在する「対比」だけでした。見事な結末でした。
(備考1)
黒澤明監督の独特の手法なのか、犯人がタクシーに乗り込む場面はありません。タクシーを拾おうとしてうろうろする場面は描かれていますが、「実際にタクシーに乗った」場面がないのです。その後すぐに刑事たちが追跡する車内の場面に切り替わります。観る者に「犯人は多分タクシーに乗ったのだろう」と想像させます。『用心棒』(1961年)でも三十郎が徳右衛門の情婦を救出したことがバレて卯之助一味に散々な暴行を受けますが、実際に暴行受けている場面は描かれていません。「恐らく暴行を受けたのだろう」と想像させる三十郎の変り果てた姿が描かれているだけです。私は黒澤明作品を全て観たわけではありませんので、他の作品にもこのような演出があったのかは判りません。どのような効果を狙ったのかも不明です。物語とは直接関係のないことですが、なぜか印象に残りました。
(備考2)
約55分間ですが、厳密に言うと100%「密室劇」ではありません。
→「他の重役たちの退散」と「二人の子供の登場」との入れ違い。
(備考3)
テロリストに人質を取られた場合の国家としての対応として、米国では「絶対に許さない。人質がどうなっても要求は受け入れない。それは再発防止のためだ」と、日本の「超法規的措置として人質解放のためにテロリストの要求を呑む」という違いを思い起こしました。
(備考4)
この映画とは直接関係ないことですが、私は似たような事案について弁護士に相談したことがあります。「たとえ身代金が取り戻されたとしても、このタイミングで金(私の場合は金ではなく時間)を失ったら手遅れになる。その損害は別途に請求できるのか?」その弁護士は暫く黙っていましたが、やがて、「司法試験(?)で、そのような問題が出されたことがある」と言いました。しかし、どう答えたのか、正解は何だったのか、私には教えてくれませんでした。
2022年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三船敏郎主演、黒澤明監督作品
つまらないわけなし、白黒映画ってところがいい
カラーだったら大分雰囲気が変わっちゃうと思う。
つまらないわけなし、白黒映画ってところがいい
カラーだったら大分雰囲気が変わっちゃうと思う。
2023年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルにある天国と地獄には色々な意味が込められており、単純に金持ちと犯罪者という訳ではない。そして犯人を追う中で見事なトリックアイデアもあり、手に汗握る映画とはこの作品を言うのであろう。とにかく世界の黒澤が作った見事な作品を堪能させてもらった。映像の綺麗さなど現在でも通用する秀逸な作品である。
2023年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三船敏郎は、演技だけでなく、声も良いね。
2023年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近の映画監督は犯人の代弁、犯人に成り代わってというスタンスが散見されますが、
黒澤明監督の作品は容疑者の動機というのがあまり重要視されておらず、
既成事実を元に追っていくことになります。
これは制作にあたり警察署へ取材を重ねていたことも影響しているのかもしれません。
この映画の軸になるのが身代金の行方。額もリアリティがありドキドキハラハラします。
恋ヶ窪の空が真っ赤に染まった事件を連想させるも、予想外に全額に近い形で戻ってきた。
犯人は不安を煽っていただけであり、裏を返せば不安を抱えていた。
黄金町での残虐性、これは母親と重ねていたのか。同族嫌悪なのかという推測もできます。
現実的には、被害者宅の立地と犯人の嫉妬だけではありえない事件であり、
このサイドストーリーは動機の仮説として存在しているのかもしれません。
三船敏郎の主演俳優としての存在感はもちろん、
戸倉警部役の仲代達矢と犯人役の山﨑努が、海外のトップ俳優にも負けない演技を披露してます。
文字通り、天国と地獄を味わったわけですが、明日につなぐ希望を残すあたりに黒澤明監督らしさが伺えます。
黒澤明監督の作品は容疑者の動機というのがあまり重要視されておらず、
既成事実を元に追っていくことになります。
これは制作にあたり警察署へ取材を重ねていたことも影響しているのかもしれません。
この映画の軸になるのが身代金の行方。額もリアリティがありドキドキハラハラします。
恋ヶ窪の空が真っ赤に染まった事件を連想させるも、予想外に全額に近い形で戻ってきた。
犯人は不安を煽っていただけであり、裏を返せば不安を抱えていた。
黄金町での残虐性、これは母親と重ねていたのか。同族嫌悪なのかという推測もできます。
現実的には、被害者宅の立地と犯人の嫉妬だけではありえない事件であり、
このサイドストーリーは動機の仮説として存在しているのかもしれません。
三船敏郎の主演俳優としての存在感はもちろん、
戸倉警部役の仲代達矢と犯人役の山﨑努が、海外のトップ俳優にも負けない演技を披露してます。
文字通り、天国と地獄を味わったわけですが、明日につなぐ希望を残すあたりに黒澤明監督らしさが伺えます。
2024年1月4日に日本でレビュー済み
『天国と地獄』(High and Low)('63)
出演∶ 三船敏郎、香川京子、江木俊夫、佐田豊、島津雅彦、仲代達矢、石山健二郎、木村功、加藤武、三橋達也、伊藤雄之助、中村伸郎、田崎潤、志村喬、藤田進、土屋嘉男、三井弘次、千秋実、北村和夫、東野英治郎、藤原釜足、沢村いき雄、山崎努、山茶花究、西村晃、清水将夫、清水耕次、熊倉一雄 (声)、清水元、名古屋章、浜村純、織田政雄、田島義文、宇南山宏、牧野義介、近藤準、鈴木智、大村千吉、加藤和夫、菅井きん、富田恵子、小野田功、田口精一、松下猛夫、山本清、伊藤実、鈴木治夫、大滝秀治、常田富士男
監督∶黒澤明
この映画、犯罪サスペンス映画(フィルム·ノワール)の中のサブジャンル"誘拐もの"の代表作として有名だ。決して"元祖"というわけではないが、これ以降に作られた映画やTV刑事ドラマにおける"誘拐もの"の原型·お手本となったことは確かだろう。
児童誘拐事件発生時の警察の初動……犯人にわからぬよう配送業者などに化けて被害者宅に入る刑事たち。録音機の設置、電話逆探知の手配。使用済紙幣の身代金。紙幣番号の記録。身代金入りバッグへの細工。そして公共交通を利用した身代金受渡し。脅迫電話の背景音からの場所の特定。警察と報道陣の協定によるマスコミ統制……今では、あらゆる映画·TVドラマでお約束の誘拐事件捜査の描写は、この映画が定着させたのではないだろうか。
この映画、前半の1時間近くの間、ほぼ主人公宅のリビングの場面のみだ。主人公の家族·使用人らを顔見世し、主人公と権力争いしている会社重役たちを来客として紹介する。そして誘拐犯からの電話。主人公宅に参じる刑事たち。犯人との駆け引き。権力争いに必要不可欠な大金を身代金につぎ込むべきか否かの葛藤……。
以上のことを、たったひとつの"場"で手際よく語りながら、まったく飽きさせない。そして話の舞台は、犯人が身代金受渡しに指定する特急列車こだま号に一気に飛ぶ。まるで舞台のような室内劇の「静」から、高速で疾走する列車内の「動」への鮮やかな転調だ。
[物語] 製靴会社の常務·権藤(三船)のお抱え運転手の息子が、権藤の息子と間違えて誘拐され、身代金3千万円の要求が……。配送業者を偽装した刑事たちが現着する。権藤は、会社の実権を握るか追放されるか瀬戸際の権力闘争の最中で、近々の株主総会で勝つために全財産5千万を投入する手筈を整えたばかりだった。妻·伶子(香川)の懇願に折れた権藤は、身代金3千万を支払う決意をする。
権藤は、3千万円を犯人の指定通り厚さ7cmのバッグに入れ、下りの特急こだま号に乗る。乗客に化けた戸倉警部(仲代)、田口部長刑事(石山)、荒井刑事(木村)、中尾刑事(加藤)らも同乗していた。車内に子供はいなかった。犯人から列車に電話が入る。「酒匂川の鉄橋脇に子供を立たせる。子供の無事を確認したら、金の入ったバッグを土手に投げ落とせ」と。
特急列車の窓は開かない。だが犯人の指摘通り、洗面所の窓だけは約7cm開くのだった。投げ落とされた身代金は、土手にいた2人の共犯者に持ち去られるが、子供は無事に帰ってきた。戸倉ら刑事たちは、現在の地位と財産を捨てて、他人の子供を救った権藤のために、何としても犯人を挙げ、身代金を早期奪回することを誓うのだった……。
(ここからが、この物語の本題です)
※以下、ネタバレあり。
このあとは、救出された子供の証言や犯人との電話の録音に含まれるバックの様々な音などから、犯人たちのアジトや足取りを絞ってゆく地道な捜査活動がテンポよく描かれる。身代金入りバッグの"ある仕掛け"が功を奏して重要な手掛かりも、もたらされる。(この"仕掛け"は、後に『踊る大捜査線 THE MOVIE』で、オマージュ·シーンとして使われます)
この映画の凄いところは、犯人· 竹内銀次郎(山崎)が特定された後だ。現実なら、犯行の一部でも確証を掴めたら、容疑者を逮捕し、それから余罪を追及していくものと思う。だが戸倉警部らは、主犯が共犯者を口封じに殺したことも立証して、誘拐による懲役刑でなく死刑に処することが、すべてを失った権藤に報いることと考え、竹内を泳がせるのだ。
逮捕·裁判後の刑罰のことは、現場の捜査員たちの関与することではないと思うが、この方が、映画を見る者の"義憤"や"正義感"に強く訴える展開であることは間違いない。先進国の大多数で死刑が廃止され、死刑を存続させている日本への風当たりも強い昨今では、この展開はどのように受け取られるのだろう?
[余談] この映画、いわゆる"オールスター·キャスト"とは違うが、チョイ役に至るまで、有名映画の重要なワキ役やTVドラマの主役でお馴染みの"豪華版"です(もちろん黒澤組の常連も多数)。のちのTBSの大ヒット·シリーズ『水戸黄門』の初代·黄門様、東野英治郎と、2代目·黄門様、西村晃も揃って出演。麻薬中毒者の巣窟には、菅井きんと常田富士男。本庁詰めの新聞記者の中には、セリフもなしで『うちのホンカン』大滝秀治が……! そうそう、主人公の息子·純は、フォーリーブスの江木俊夫です。
出演∶ 三船敏郎、香川京子、江木俊夫、佐田豊、島津雅彦、仲代達矢、石山健二郎、木村功、加藤武、三橋達也、伊藤雄之助、中村伸郎、田崎潤、志村喬、藤田進、土屋嘉男、三井弘次、千秋実、北村和夫、東野英治郎、藤原釜足、沢村いき雄、山崎努、山茶花究、西村晃、清水将夫、清水耕次、熊倉一雄 (声)、清水元、名古屋章、浜村純、織田政雄、田島義文、宇南山宏、牧野義介、近藤準、鈴木智、大村千吉、加藤和夫、菅井きん、富田恵子、小野田功、田口精一、松下猛夫、山本清、伊藤実、鈴木治夫、大滝秀治、常田富士男
監督∶黒澤明
この映画、犯罪サスペンス映画(フィルム·ノワール)の中のサブジャンル"誘拐もの"の代表作として有名だ。決して"元祖"というわけではないが、これ以降に作られた映画やTV刑事ドラマにおける"誘拐もの"の原型·お手本となったことは確かだろう。
児童誘拐事件発生時の警察の初動……犯人にわからぬよう配送業者などに化けて被害者宅に入る刑事たち。録音機の設置、電話逆探知の手配。使用済紙幣の身代金。紙幣番号の記録。身代金入りバッグへの細工。そして公共交通を利用した身代金受渡し。脅迫電話の背景音からの場所の特定。警察と報道陣の協定によるマスコミ統制……今では、あらゆる映画·TVドラマでお約束の誘拐事件捜査の描写は、この映画が定着させたのではないだろうか。
この映画、前半の1時間近くの間、ほぼ主人公宅のリビングの場面のみだ。主人公の家族·使用人らを顔見世し、主人公と権力争いしている会社重役たちを来客として紹介する。そして誘拐犯からの電話。主人公宅に参じる刑事たち。犯人との駆け引き。権力争いに必要不可欠な大金を身代金につぎ込むべきか否かの葛藤……。
以上のことを、たったひとつの"場"で手際よく語りながら、まったく飽きさせない。そして話の舞台は、犯人が身代金受渡しに指定する特急列車こだま号に一気に飛ぶ。まるで舞台のような室内劇の「静」から、高速で疾走する列車内の「動」への鮮やかな転調だ。
[物語] 製靴会社の常務·権藤(三船)のお抱え運転手の息子が、権藤の息子と間違えて誘拐され、身代金3千万円の要求が……。配送業者を偽装した刑事たちが現着する。権藤は、会社の実権を握るか追放されるか瀬戸際の権力闘争の最中で、近々の株主総会で勝つために全財産5千万を投入する手筈を整えたばかりだった。妻·伶子(香川)の懇願に折れた権藤は、身代金3千万を支払う決意をする。
権藤は、3千万円を犯人の指定通り厚さ7cmのバッグに入れ、下りの特急こだま号に乗る。乗客に化けた戸倉警部(仲代)、田口部長刑事(石山)、荒井刑事(木村)、中尾刑事(加藤)らも同乗していた。車内に子供はいなかった。犯人から列車に電話が入る。「酒匂川の鉄橋脇に子供を立たせる。子供の無事を確認したら、金の入ったバッグを土手に投げ落とせ」と。
特急列車の窓は開かない。だが犯人の指摘通り、洗面所の窓だけは約7cm開くのだった。投げ落とされた身代金は、土手にいた2人の共犯者に持ち去られるが、子供は無事に帰ってきた。戸倉ら刑事たちは、現在の地位と財産を捨てて、他人の子供を救った権藤のために、何としても犯人を挙げ、身代金を早期奪回することを誓うのだった……。
(ここからが、この物語の本題です)
※以下、ネタバレあり。
このあとは、救出された子供の証言や犯人との電話の録音に含まれるバックの様々な音などから、犯人たちのアジトや足取りを絞ってゆく地道な捜査活動がテンポよく描かれる。身代金入りバッグの"ある仕掛け"が功を奏して重要な手掛かりも、もたらされる。(この"仕掛け"は、後に『踊る大捜査線 THE MOVIE』で、オマージュ·シーンとして使われます)
この映画の凄いところは、犯人· 竹内銀次郎(山崎)が特定された後だ。現実なら、犯行の一部でも確証を掴めたら、容疑者を逮捕し、それから余罪を追及していくものと思う。だが戸倉警部らは、主犯が共犯者を口封じに殺したことも立証して、誘拐による懲役刑でなく死刑に処することが、すべてを失った権藤に報いることと考え、竹内を泳がせるのだ。
逮捕·裁判後の刑罰のことは、現場の捜査員たちの関与することではないと思うが、この方が、映画を見る者の"義憤"や"正義感"に強く訴える展開であることは間違いない。先進国の大多数で死刑が廃止され、死刑を存続させている日本への風当たりも強い昨今では、この展開はどのように受け取られるのだろう?
[余談] この映画、いわゆる"オールスター·キャスト"とは違うが、チョイ役に至るまで、有名映画の重要なワキ役やTVドラマの主役でお馴染みの"豪華版"です(もちろん黒澤組の常連も多数)。のちのTBSの大ヒット·シリーズ『水戸黄門』の初代·黄門様、東野英治郎と、2代目·黄門様、西村晃も揃って出演。麻薬中毒者の巣窟には、菅井きんと常田富士男。本庁詰めの新聞記者の中には、セリフもなしで『うちのホンカン』大滝秀治が……! そうそう、主人公の息子·純は、フォーリーブスの江木俊夫です。
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Roan Clay
5つ星のうち5.0
True Masterpiece of Suspense
2015年7月16日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
I know you would pay everything to save your own child. But what about someone else's?
A highly entertaining film. Everything, from directing to acting to set design, prove what a great work this is! An unusual one, too - the first part of the movie is confined to one set, which helps to drive the suspense into high gear. From a technical perspective, this section of the movie is a series of perfect compositions made with common elements, but it never becomes too technical to enjoy. There is a heart to this movie, and that is what drives the action. That, and the thoroughly excellent performances from everyone involved.
The strange music choices, too - O Sole Mio and Schubert's Die Forelle - underscore important moments in unexpected ways. And then - what an ending! Oh, what an ending!
Just watch it. You will not regret it.
A highly entertaining film. Everything, from directing to acting to set design, prove what a great work this is! An unusual one, too - the first part of the movie is confined to one set, which helps to drive the suspense into high gear. From a technical perspective, this section of the movie is a series of perfect compositions made with common elements, but it never becomes too technical to enjoy. There is a heart to this movie, and that is what drives the action. That, and the thoroughly excellent performances from everyone involved.
The strange music choices, too - O Sole Mio and Schubert's Die Forelle - underscore important moments in unexpected ways. And then - what an ending! Oh, what an ending!
Just watch it. You will not regret it.

Roxane
5つ星のうち4.0
il ne faut pas bouder les Kurosawa qui illustrent le Japon de l'ère moderne
2013年9月9日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
inspirés des films noirs hollywoodiens.
Kurosawa en a compris toutes les ficelles.
Son acteur fétiche, Toshiro Mifune, est méconnaissable d'un film à l'autre.
Il était ce vagabond meurtrier (et dérangé) dans Rashomon,Lion d'Or à Venise en 1954,
mais il est à sa guise un chef
d'entreprise très digne (ici), un intriguant magnifique dans "Les Salauds dorment en paix",
ou un malfrat tuberculeux qui ne se laisse pas soigner
("Chien enragé" adaptation de Tchékhov).
Il faut le voir dans L IDIOT de Kurosawa, adapté de Dostoïevski.
Kurosawa en a compris toutes les ficelles.
Son acteur fétiche, Toshiro Mifune, est méconnaissable d'un film à l'autre.
Il était ce vagabond meurtrier (et dérangé) dans Rashomon,Lion d'Or à Venise en 1954,
mais il est à sa guise un chef
d'entreprise très digne (ici), un intriguant magnifique dans "Les Salauds dorment en paix",
ou un malfrat tuberculeux qui ne se laisse pas soigner
("Chien enragé" adaptation de Tchékhov).
Il faut le voir dans L IDIOT de Kurosawa, adapté de Dostoïevski.

Mr. A. Campbell-walter
5つ星のうち5.0
A masterpiece from Kurasawa
2011年5月7日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Nothing quite prepares you for this carefully researched, tightly scripted, superbly acted and very unusual Japanese crime thriller. It shows all of the stage managed filming for which Kurasawa and other Japanese directors were so famous and which so many Western films lack and I feel this is the films strength. Mifune plays out of type as a hard ambitious businessman who sees all of his dreams collapsing before him. The cops are simply brilliant and the strict social stereotyping of Japanese society is laid bare. A must for Mifune fans.

Amazon Customer
5つ星のうち5.0
Akira Kurosawa classic.
2024年1月15日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Top Japanese actors Toshiro Mifune and Tatsuya Nakadai star in this detective tale of a mistaken kidnapping. Kurosawa's immaculate direction is aided by powerful performances, especially from Mifune who portrays of a modern businessman faced with the moral dilemma of whether to risk destroying his business to ransom an employee's child, mistakenly kidnapped in place of the businessman's son. Kurosawa deftly navigates social inequalities in 1960's Japan where the rich literally live on a hill looking down into the slums below. This is a movie that rewards repeated viewings.

Ryan
5つ星のうち5.0
Great detective movie
2019年1月6日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
I find detective films can be stupid and redundant but not the case with this one from samurai master Akira Kurosawa. It felt like watching 2 movies in one the moral story and the detective story. Both Mifune and Nakadai accord themselves really in this drama. There is not enough good things to say about this movie.