ECMレーベルSHM-CD再発第2弾“ECM for Tomorrow Part2”。近年の発掘作により再評価が著しいヨーロピアン・カルテットの歴史はここから始まった。画期的な『ソロ・コンサート』でECMとの関係を深めたキース・ジャレットが、ノルウェー人2名とスウェーデン人でカルテットを編成。北欧人とは同世代ゆえだろう、たちまち親和性を醸し出して、アメリカン・カルテットとの差別化を図った。ヤン・ガルバレクの飛躍作。 (C)RS
今から30数年前、FM東京系列で金曜日の夜に放送されていたトリオレコード提供によるWe Love Jazzという番組(DJは悠雅彦氏)で、初めて Long As You Know You're Living Yours と Spiral Dance を聴いたときの新鮮な衝撃が忘れられない。躍動するキースのピアノ、「ヨーロッパのコルトレーン」と呼ばれていた頃の、荒削りではあるが力強いガルバレクのサックス、シャープで瞬発力のあるクリステンセンのドラムス、そしてダニエルソンの太く締まったベースの音…このベースの音がまた実にリアルに録音されている(ように思う)。同じ顔ぶれによる第2作 My Song の方がおそらくは人気が高いのだろうが、自分はこの第1作の方がずっと気に入っている。この顔ぶれによるアルバムが僅か4タイトルしか存在しないのが実に悲しい。 先述の2曲の他、初期の Pat Metheny Group もライブで演奏していた摩訶不思議な譜割りの The Windup も楽しい。またクロージング・ナンバーの Solstice も非常に内省的な、ある種の祈りにも似た響きを持つ佳曲。曲の終盤に聞かれるキースのピアノの美しさには言葉が出てこない。この時期のECMを代表する極めて内容の充実した一枚である。
キース以外スゥエーデン人というこのカルテットだが、出てくるメロディはかなりアメリカン、それもジャズとかの狭い範囲ではなく、AORや売れ筋ポップ。ディランはもとより70年代にはやったディビットフォスター関係、イーグルス、ボズスキャッグス、マイケルマクドナルド、などの西海岸からスティビーワンダーなんかのモータウン、さらにはポールサイモン・ビリージョエルなどフィルラモーン系の東海岸までの「あ!なんかジャズっぽくておしゃれ!」っていうやつ、いってみりゃボブジェームス、スティーヴガットなんかのフュージョンつーことにもなっちゃいますけど、そういったテイストをあくまでもアコースティックジャズの範疇で甘くならずにガシガシやっているところにキースのカルテットの一つの凄さがあるわけですが、ヨーロピアンはアメリカン以上にその傾向が強い。実にすっきりはっきり青い空ご機嫌だぜ!のメロディを爽やかに軽やかに演奏しきってしまうところがヨーロピアンカルテットの魅力。ヤンガレバルクのサックスはデューイのようにアクがが無く、ベースもドラムスも(名前が覚えられん!)ヘイデンやモチアンのようにあえて変なことしてやろう、という野心がない。そこがキースがアメリカンと違って聴きやすくものびのびとしたピアノを聴かせてくれる要因になっているのだろうか、キースといえども共演者の影響を受けるんだなぁ。 ところでAORといえば大御所スティーリーダン。このアルバムの3曲目'Long As You Know You're Living Yoursはなんとあのドナルドフェイゲンが盗作疑惑でキースに敗訴したといういわく付(だそうな:ガウチョ)。このことからもわかるようにキースのジャズはジャズそのものというより、ジャズっぽい何か、すごいものなのだ(うーん、よくわからん結論だ)
There are worse ways to spend a rainy, wind swept Sunday morning than listening to Keith Jarrett playing Piano. Ably assisted by Jan Garbarek (sax) Palle Danielson (bass) and Jon Christenson (drums) we get 45 mins of wonderful music that would grace any Jazz lovers collection. Spiral Dance and Long As Your Living Yours are two marvellous upbeat numbers that really shake off the bad weather blues. Blossom is 12 minutes of meditative reflection as it soothes and envelops you. A stunning piece of work all round which has different tempos to suite your different moods.
Une période très riche, avec Jan Garbarek et les musiciens du Nord. Un album avec des thèmes musicaux qui sont des merveilles de délicatesse et de créativité. La perfection dans la complémentarité des musiciens. Allez, disons que c'est une référence incontournable !
Jarrett está aquí en su mejor momento. La versión de cuarteto europeo con buenos instrumentistas le da bastante color a las composiciones, que presentan los motivos típicos del pianista. Una joya rara en la discografía de Jarrett.