amiとmiinaでamiina。日本各地で音楽好きの心をかっさらった前作「drop」より約1年ぶりのシングル。
今作も「Canvas」「○△□」「I'm Home」の3曲収録で、まったく捨て曲なし。
ドラムだけじゃなく、ベースもギターもシロフォンもピアノもパーカッシヴに飛び回るアレンジ、その野生の音塊を鎮め、導くような二人の声が力強い「Canvas」。聞き手にポップスとかロックなどといったジャンルを軽く越えていく高揚感を届けます。しかも、その高揚感はアイドルポップスで味わえる多幸感をも内包していて、まさに「世界を染めて/加速していく」「合図を告げる/金色の鐘が鳴る」という歌詞通りのamiina流のアンセムとなっています。輝いている。続く「○△□」では、不可思議なタイトルと歌詞、せわしないトイピアノとシンセサイザー、あっちこっちするヴォーカル、たくさんの楽器、その奇妙なアンサンブルを楽しむのも、もちろん最高なのですが、この曲の恐ろしいところは、それらすべてが、時計の刻む音(リズムがややレゲエっぽいのが素敵)によって、ひとつの律に巻き込まれ、楽曲として大きなうねりを作り上げるところでしょう。きらめいてる。最後の「I'm Home」は、ここまでハイセンス・ハイスキルを見せてきたamiina製作陣が投げた、変化球一切なしのストレートなフォークトロニカ名曲。二人の素朴な歌声で、「ただいま/おかえり/重なって」と歌われるだけで、こんなに染みます。こんなに泣けます。こんなに幸せ。
非常にハードなライヴサーキットをこなしていくなかで、身につけたスキルと、本人たちが生来もっていて、失われることのないまっすぐな歌声が奇跡的なバランスで、楽曲との調和を聴かせてくれます。ホントはアルバム出すまで温存したかったけど、こんな良い盤出されたら出すしかないでしょう! 星5つ!