SFの世界では妊娠出産にはいろんな形態がある。同性同士でも問題なかったり、そもそも出産の経緯を経ない仕組みだったり様々だ。それでも本能的なタブーがあるのか子宮を扱った作品は少ない。パッと思い出せるのはイーガンの「適切な愛」かバトラーの「血をわけた子供」くらいか。それを漫画でやってのけたのがWOMBSだ。
たぶん人によっては吐き気がするほど不快な作品だろうし拒絶反応示す人もいるだろう。ということで万人にはおすすめできないが、人間の本能に踏み込んだ傑作だ。
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WOMBS(1) (IKKI COMIX) Kindle版
▼第1話/入隊▼第2話/訓練開始[-3週]▼第3話/ネスト[-2週]▼第4話/移植[0週]▼第5話/拒絶反応[3週]▼第6話/座標空間[3週]▼第7話/犬の日[6週]▼第8話/出撃[8週]
●主な登場人物/マナ・オーガ(徴兵され特別転送隊に配属された新兵。故郷に家族と恋人を残してきた)
●あらすじ/歪な月に照らされる惑星・碧王星。漂流の末たどり着き土地を開拓してきたファースト(第一次移民)と、後からやってきて正規移民を名乗るセカンド(第二次移民)との間で激しい戦争が続いていた。ファーストの一国・ハストに暮らすマナ・オーガは、徴兵され特別転送隊に配属される。いまだその実態がつかめぬ“転送兵”として、過酷な軍隊生活が幕を開けた(第1話)。
●本巻の特徴/碧王星の統治権を巡り、戦争を続けるファーストとセカンド。卑劣な攻撃を繰り返すセカンドに対し、ファーストたちは大いなる森の主“ニーバス”の体組織を子宮に入れた女性の“転送兵”が活躍する。碧王星の至る所に瞬間移動が出来る“転送隊”に入隊したマナ・オーガの運命は…!? 圧倒的な画力で見るものを引き込む、白井弓子渾身のSFストーリー!!
●その他の登場人物/アルメア軍曹(特別転送隊の特技一等軍曹。現役の転送兵であり、新兵の指導教官も務める)、サウラ中佐(マナとアルメア軍曹が所属している第一特別転送隊の隊長)、ニコルズ軍医(転送隊員の検査や“転送器官”の移植などを担当する)
●主な登場人物/マナ・オーガ(徴兵され特別転送隊に配属された新兵。故郷に家族と恋人を残してきた)
●あらすじ/歪な月に照らされる惑星・碧王星。漂流の末たどり着き土地を開拓してきたファースト(第一次移民)と、後からやってきて正規移民を名乗るセカンド(第二次移民)との間で激しい戦争が続いていた。ファーストの一国・ハストに暮らすマナ・オーガは、徴兵され特別転送隊に配属される。いまだその実態がつかめぬ“転送兵”として、過酷な軍隊生活が幕を開けた(第1話)。
●本巻の特徴/碧王星の統治権を巡り、戦争を続けるファーストとセカンド。卑劣な攻撃を繰り返すセカンドに対し、ファーストたちは大いなる森の主“ニーバス”の体組織を子宮に入れた女性の“転送兵”が活躍する。碧王星の至る所に瞬間移動が出来る“転送隊”に入隊したマナ・オーガの運命は…!? 圧倒的な画力で見るものを引き込む、白井弓子渾身のSFストーリー!!
●その他の登場人物/アルメア軍曹(特別転送隊の特技一等軍曹。現役の転送兵であり、新兵の指導教官も務める)、サウラ中佐(マナとアルメア軍曹が所属している第一特別転送隊の隊長)、ニコルズ軍医(転送隊員の検査や“転送器官”の移植などを担当する)
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登録情報
- ASIN : B00ZT6BMVG
- 出版社 : 小学館 (2010/1/29)
- 発売日 : 2010/1/29
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 59495 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : 有効になっていません
- Amazon 売れ筋ランキング: - 30,031位青年マンガ
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年7月14日に日本でレビュー済み
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子宮に謎に満ちた生物を宿した女性たちが超常能力を身につけて兵士として戦う話なんですけど、
男としてはそれだけで若干グロがきついんですが、姉は全然平気みたいでした。
設定がしっかりしてて、物語もしっかりと伏線が張ってあって、実力のある作家なんだと思いました。
ハードなSFが好きな人だったらオススメですが、あんまりSF漫画を読まない人はとりあえずプラネテスあたりから入った方がいいと思います。
男としてはそれだけで若干グロがきついんですが、姉は全然平気みたいでした。
設定がしっかりしてて、物語もしっかりと伏線が張ってあって、実力のある作家なんだと思いました。
ハードなSFが好きな人だったらオススメですが、あんまりSF漫画を読まない人はとりあえずプラネテスあたりから入った方がいいと思います。
2017年11月3日に日本でレビュー済み
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これだけすごい作品なのに、雑誌「pen」でSF特集が組まれるまで、わたしは知りませんでした。あまりにハード系のSFなので、特定のSFマニアだけにウケると思われたのでしょうか? あるいは、完結までに6年ほど(単行本がわずか5冊)の長期間がかかっていたためでしょうか?
ざっくりストーリーを語れば、太陽系外移住の第一世代に対し、なんと第二世代が侵略者としてやってきて、戦わざるおえなくなった第一世代は女性だけが子宮内にその惑星固有種の細胞を育てることによって戦いのキイを握ることになるというお話。
占領戦をしかけてくる第二世代は悪役かと言えば、第一世代も過去に惑星固有種の土地を奪って入植しているわけで、いったい誰が悪いのか、誰を信用して良いのか、本当にわからない前提となっています。そもそも敵であるはずの第二世代は誰一人目覚めずコールドスリープをしたままで、動いているのはAIだけなのです。
また、戦うための特殊な能力は、そのための移植手術を受けた者にしかわからないがため、戦友となるはずの男性兵士に理解が得られなかったりする。(これは妊婦の苦しみや独特の体調を、男が理解できないだけでなく、むしろ粗野は揶揄さえ行ってくる現状のメタファーになっています。)
この複雑な前提が全く破綻せず、次から次に驚く事実が展開していきます。
登場人物たちも女性らしさを全く失わないまま、とことんカッコイイ。
びっくりするような完成度、読み返すたびに発見や考えることのある名作です。
ざっくりストーリーを語れば、太陽系外移住の第一世代に対し、なんと第二世代が侵略者としてやってきて、戦わざるおえなくなった第一世代は女性だけが子宮内にその惑星固有種の細胞を育てることによって戦いのキイを握ることになるというお話。
占領戦をしかけてくる第二世代は悪役かと言えば、第一世代も過去に惑星固有種の土地を奪って入植しているわけで、いったい誰が悪いのか、誰を信用して良いのか、本当にわからない前提となっています。そもそも敵であるはずの第二世代は誰一人目覚めずコールドスリープをしたままで、動いているのはAIだけなのです。
また、戦うための特殊な能力は、そのための移植手術を受けた者にしかわからないがため、戦友となるはずの男性兵士に理解が得られなかったりする。(これは妊婦の苦しみや独特の体調を、男が理解できないだけでなく、むしろ粗野は揶揄さえ行ってくる現状のメタファーになっています。)
この複雑な前提が全く破綻せず、次から次に驚く事実が展開していきます。
登場人物たちも女性らしさを全く失わないまま、とことんカッコイイ。
びっくりするような完成度、読み返すたびに発見や考えることのある名作です。
2011年4月29日に日本でレビュー済み
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1巻では設定はあまり語られないが、パワードール(POWER DoLLS)の亜種のような印象。
そいでなんというか、感触は『最終兵器彼女』に似ているなと思う。
ここまででは評価しづらいが、普通の漫画という感じがする。
他のレビューではSFだ、リアルだ、女の強さが……とかあるが、現時点ではそんな感じではない。
普通の漫画。
そうそう、線のタッチは、カバーから想像する以上に少女漫画っぽい。
気になる方は、漫画喫茶などで確認した方がいいかも。
そいでなんというか、感触は『最終兵器彼女』に似ているなと思う。
ここまででは評価しづらいが、普通の漫画という感じがする。
他のレビューではSFだ、リアルだ、女の強さが……とかあるが、現時点ではそんな感じではない。
普通の漫画。
そうそう、線のタッチは、カバーから想像する以上に少女漫画っぽい。
気になる方は、漫画喫茶などで確認した方がいいかも。
2017年7月10日に日本でレビュー済み
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女性だけの特殊部隊、転送器官を宿し戦う女性たち。
妊婦が戦場に出るというだけで、ちょっと特殊すぎる設定にどのような内容なのかと他の方のプレビューを読み、そこから興味を持ちました。
転送器官とはいったい何?どうやって戦うの?
少しずつ明かされていく状況と少しずつ大きくなっていく転送器官。
読みごたえはあると思います。
妊婦が戦場に出るというだけで、ちょっと特殊すぎる設定にどのような内容なのかと他の方のプレビューを読み、そこから興味を持ちました。
転送器官とはいったい何?どうやって戦うの?
少しずつ明かされていく状況と少しずつ大きくなっていく転送器官。
読みごたえはあると思います。
2011年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第1巻目次
* 入隊
* 訓練開始[-3週]
* ネスト[-2週]
* 移植[0週]
* 拒絶反応[3週]
* 座標空間[3週]
* 犬の日[6週]
* 出撃[8週]
* 特別転送隊資料ファイル
「 白井弓子初期短篇集 」「 天顕祭 」と読んできましたが、今までとは一転してハードSFな内容になっていました。思わず昔読んだロバート・A・ハインラインの「 宇宙の戦士 」を思い出しました。
舞台は第一次移民と第二次移民が戦争している碧王星(へきおうせい)。そして特別転送隊とは、第一次移民の軍が、碧王星の現地生物「ニーバス」の組織を子宮に移植することで「飛ぶ」ことができる女性だけの部隊です。
第1巻では女性が特別転送隊として入隊するところから初任務につくところまでが描かれています。冒頭で転送するシーンが描かれており、その迫力に度肝を抜かれました。
水彩画的な絵柄も健在です。闇のシーンを描くのに他のマンガ家なら黒一色で塗りつぶすところを、このマンガでは黒一色でも濃淡があり、それがかえってより闇をうまく表現できています。また水彩画的な絵柄にもかかわらず、線はシッカリと強弱の変化をつけて力強く描かれており、迫力満点です。
最近ではなかなか見られないハードSFなので、嬉しいです。2巻では実戦が描かれていると思うのですが、凄く楽しみです。
* 入隊
* 訓練開始[-3週]
* ネスト[-2週]
* 移植[0週]
* 拒絶反応[3週]
* 座標空間[3週]
* 犬の日[6週]
* 出撃[8週]
* 特別転送隊資料ファイル
「 白井弓子初期短篇集 」「 天顕祭 」と読んできましたが、今までとは一転してハードSFな内容になっていました。思わず昔読んだロバート・A・ハインラインの「 宇宙の戦士 」を思い出しました。
舞台は第一次移民と第二次移民が戦争している碧王星(へきおうせい)。そして特別転送隊とは、第一次移民の軍が、碧王星の現地生物「ニーバス」の組織を子宮に移植することで「飛ぶ」ことができる女性だけの部隊です。
第1巻では女性が特別転送隊として入隊するところから初任務につくところまでが描かれています。冒頭で転送するシーンが描かれており、その迫力に度肝を抜かれました。
水彩画的な絵柄も健在です。闇のシーンを描くのに他のマンガ家なら黒一色で塗りつぶすところを、このマンガでは黒一色でも濃淡があり、それがかえってより闇をうまく表現できています。また水彩画的な絵柄にもかかわらず、線はシッカリと強弱の変化をつけて力強く描かれており、迫力満点です。
最近ではなかなか見られないハードSFなので、嬉しいです。2巻では実戦が描かれていると思うのですが、凄く楽しみです。
2022年2月21日に日本でレビュー済み
白井弓子作品は最初にまず比較的新しい「大阪環状結界都市」を知り、次に「天顕祭」でガツンときて、それから「ラフナス」「ニキとイワの新婚旅行」を読みました。
どの作品も、よくこんなアイデアを思いつくなと思うような斬新さでとてもおもしろいです。
この作品の舞台は碧王星という人類が宇宙移民した星。なんとか環境に適応し開拓を進めて何世代かが過ぎ、やっと平穏な暮らしができるようになったところへ、第2次移民が自分たちこそ正規移民と名乗り侵略してきます。
それから20年、彼らとの戦いが続く中、妊娠しているメスだけが”飛べる”という碧王星の特有種ニーバスの組織を女性の子宮に移植することで、戦闘部隊を転送させる能力を持つ転送兵として女性たちも軍に参加しています。
先の作品「ラフナス」が、移民星ラフナスで半重力物質ラフナを体内に取り込んで変異し、”飛べる”ようになり、現地適応した人類を描いていたのと少し似ていますね。
タイトル「Wombs」の名の通り、”子宮”をテーマにした異色のSF作品ですが、いまだにおおっぴらに話題にすることがなんとなくはばかられるような”子宮”を、戦うためのツールとして使うという思い切った設定には驚きました。
ニーバスを移植するつらい過程を耐えているのは国を守るためなのに、男性兵たちがお腹の大きな女性転送兵にかける卑猥な言葉は、現在でも無頓着な男性のセクハラに悩まされている女性の状況を端的に表しているようです。このあたりの微妙なところは女性作家だからこそ描けるのでしょう。
また、戦時体勢の軍隊とはいえ、スパルタな訓練や、家族に送るメッセージまで体制批判になる言葉が検閲されている状況は、かなり息苦しい全体主義だと思ってしまいました。
絵は少年漫画のように骨太な感じなので、少女漫画を読みなれているとゴツゴツしていると感じると思います。私は慣れるまでに少し時間がかかりました。
主人公の新人訓練兵マナが無事に移植の過程を終え、やっと出撃体勢に入れたところで1巻は終わります。さて先はどんな展開になるのでしょうか。
どの作品も、よくこんなアイデアを思いつくなと思うような斬新さでとてもおもしろいです。
この作品の舞台は碧王星という人類が宇宙移民した星。なんとか環境に適応し開拓を進めて何世代かが過ぎ、やっと平穏な暮らしができるようになったところへ、第2次移民が自分たちこそ正規移民と名乗り侵略してきます。
それから20年、彼らとの戦いが続く中、妊娠しているメスだけが”飛べる”という碧王星の特有種ニーバスの組織を女性の子宮に移植することで、戦闘部隊を転送させる能力を持つ転送兵として女性たちも軍に参加しています。
先の作品「ラフナス」が、移民星ラフナスで半重力物質ラフナを体内に取り込んで変異し、”飛べる”ようになり、現地適応した人類を描いていたのと少し似ていますね。
タイトル「Wombs」の名の通り、”子宮”をテーマにした異色のSF作品ですが、いまだにおおっぴらに話題にすることがなんとなくはばかられるような”子宮”を、戦うためのツールとして使うという思い切った設定には驚きました。
ニーバスを移植するつらい過程を耐えているのは国を守るためなのに、男性兵たちがお腹の大きな女性転送兵にかける卑猥な言葉は、現在でも無頓着な男性のセクハラに悩まされている女性の状況を端的に表しているようです。このあたりの微妙なところは女性作家だからこそ描けるのでしょう。
また、戦時体勢の軍隊とはいえ、スパルタな訓練や、家族に送るメッセージまで体制批判になる言葉が検閲されている状況は、かなり息苦しい全体主義だと思ってしまいました。
絵は少年漫画のように骨太な感じなので、少女漫画を読みなれているとゴツゴツしていると感じると思います。私は慣れるまでに少し時間がかかりました。
主人公の新人訓練兵マナが無事に移植の過程を終え、やっと出撃体勢に入れたところで1巻は終わります。さて先はどんな展開になるのでしょうか。
2018年6月3日に日本でレビュー済み
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これはすごい。タイトルはARMSに引っかけたのかな。そうだとしても、その引っかけ含め、素晴らしい。お試し無料版で一巻を読みましたが、全巻揃えようと思います。手元に置いて、繰り返し読み直したい作品。