画質とか音質とかへの拘りは余り無い方ですので、そうしたレビューをお望みの方は他の方のレビューをご覧ください。
「SF」は通常「Science Fiction」の略とされ、「空想科学小説」と邦訳される。
然し乍、「Speculative Fiction」「思弁小説」と言う広義のジャンル分けも存在する。
此れは「もしも」の世界を物語化したものだ。
例えば『タイム・マシン(1895)』H・G・ウェルズ著はSF黎明期の作品だが、タイム・マシンと言うメカニズム自体が科学的かと言うと、甚だ怪しい所がある。
現にSFのもう一方の祖ジュール・ヴェルヌは、ウェルズのタイム・マシンを「科学的ではない」と批判している。
『縮みゆく人間(1957)』は「放射能雲と殺虫剤が原因で人間が縮む」と言う引き金部分に対し「科学的ではない」と批判する向きも有る様だが、実は劇中でも縮小化の原因を明確に限定してはいない。
詰まる所、此の物語にとって縮小化の原因など如何でも良い事なのだ。
「もし人間が限り無く縮んでいったら」
此の物語はそうした仮定を突き詰めていった「Speculative Fiction」なのである。
そしてそれは、人間が縮小していく過程の「心理的」「物理的」トラブルの考察から始まり、遂には「人間は、何処迄が人間足り得るのか」と言う人間の存在意義に至って幕を閉じている。
『かもめのジョナサン(1973)』が「翔ぶ」ことを突き詰めていったように、『縮みゆく人間』も小さくなることを突き詰めていくことで、世界の果ての深淵を覗き込むのにも似た戦慄の様な感動を見る側に伝えてくるのだ。
いやいや、ジャック・アーノルド監督作品って良いですね。
『大アマゾンの半魚人(1954)』『世紀の怪物/タランチュラの襲撃(1955)』『モノリスの怪物(1957:原作)』。
モンスター映画に「美女と野獣」の構図は付き物だけど、『大アマゾンの半魚人』のそれは実に美しい。
オブライエンやハリー・ハウゼン等の特撮監督は別として、古い映画の監督って余り意識した事は無かったけれど----ジョージ・パルは例外として----私の好きなクラッシック・モンスター映画を3本も作っている~~。
何れも特に物凄い特撮技術は使っていない地味な作品ながらお薦めですよ。
モンスター好きな人は必見だけど、『縮みゆく人間』はそうした娯楽作品から突き抜けてしまった観があります。
古い怪獣映画っぽい作品を探して見ていたら、とんでもない傑作にブチ当たってしまったと言う感じ。
蛇足
当然の事ながらスタジオジブリの『借りぐらしのアリエッティ(2010)』と印象の被る部分は多い。
『Spirit of Wonder』鶴田謙二のSF漫画、そしてそのアニメ化シリーズ内にある『チャイナさんの縮小(2001)』は、『縮みゆく人間』の主人公を「チャイナさん」にしてアレンジした物。
ケース裏の見出しコピー「進撃の小人!」----某作品を貶める気は更々無いが、此れは作品を冒涜しているだろー、ダメだろー。
縮みゆく人間 [DVD]
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フォーマット | DVD-Video |
コントリビュータ | ジャック・アーノルド, ポール・ラングトン, グラント・ウィリアムズ, ウィリアム・シャラート, エイプリル・ケント, ランディ・スチュアート |
稼働時間 | 1 時間 20 分 |
【まとめ買いフェア開催中】よりどり2点以上で5%OFF
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商品の説明
傑作SF映画選
縮みゆく人間
原題: The Incredible Shrinking Man(1957年)
☆仕様 片面一層/80分/モノクロ/モノラル・英語/日本語字幕/スタンダードサイズ
☆監督
ジャック・アーノルド
☆出演
グラント・ウィリアムズ/ランディ・スチュアート/エイプリル・ケント/ポール・ラングトン/ウィリアム・シャラート
☆原作・脚本
リチャード・マシスン
☆解説
「地球最後の男」「激闘!」「トワイライトゾーン/超次元の体験」等の脚本を手がけたSF作家リチャード・マシスンが、1956年に発表したSF小説の完全映画化。
「大アマゾンの半魚人」「それは外宇宙からやって来た」 「ピーター・セラーズのマ☆ウ☆ス」のジャック・アーノルド監督作品。
縮みゆく男スコットを熱演するのは「魚雷艇109」「人類最終兵器ドゥームズデイ・マシーン」のグラント・ウィリアムズ。
「モノリスの怪物~宇宙からの脅威~」「ペティコート作戦」の特撮を担当したクリフォード・スタインが見事な美観を用いて、クォリティの高い特撮に成功している。
登録情報
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 100 g
- EAN : 4571450820112
- 監督 : ジャック・アーノルド
- メディア形式 : DVD-Video
- 時間 : 1 時間 20 分
- 発売日 : 2015/9/25
- 出演 : グラント・ウィリアムズ, ランディ・スチュアート, エイプリル・ケント, ポール・ラングトン, ウィリアム・シャラート
- 販売元 : ランコーポレーション
- ASIN : B0111AQ0GA
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,948位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 43位外国のSF映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1週間で1インチ測ったように確実に身体が縮む。
最初の就職先でのシゴトがインチ単位で長さを測るシゴトだったこともあり
金ザシの目盛りを見る度に、
原作小説を思い出してました。
本DVDの発売で念願の鑑賞が叶ったワケですが
全ての始まりである、
濃密な霧に画面全体が包み込まれるオープニングから
オリジナルのイメージに忠実にできてるのは意外でした!
それでもってラスト、
これも見事なまでに原作を再現できてるのですが
映像として見せつけられることで
ありとあらゆる死をもたらすソンザイよりも
小さくなった先は・・・。
原作の遥か先を見てしまった気分。
最初の就職先でのシゴトがインチ単位で長さを測るシゴトだったこともあり
金ザシの目盛りを見る度に、
原作小説を思い出してました。
本DVDの発売で念願の鑑賞が叶ったワケですが
全ての始まりである、
濃密な霧に画面全体が包み込まれるオープニングから
オリジナルのイメージに忠実にできてるのは意外でした!
それでもってラスト、
これも見事なまでに原作を再現できてるのですが
映像として見せつけられることで
ありとあらゆる死をもたらすソンザイよりも
小さくなった先は・・・。
原作の遥か先を見てしまった気分。
2015年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(少し内容に触れています)
謎の要因により一日5/8インチずつ体が縮み始めたスコット・ケアリー(グラント・ウィリアムズ「モノリス・モンスター」「風と共に散る」)。
時々縮小が停まる事は有っても元には戻れない事がほぼ確実に。
愛する妻との関係もギクシャクし、生活の為に己の悲惨な身の上をマスコミに切り売りして暮らす毎日。
遂にドールハウスサイズに迄縮んだスコットは、妻の外出中にかつての愛猫と生き残りを掛けて戦う羽目に。
戦前戦後、世界を席巻したホラームーヴィーを生み出したユニバーサルが、50年代にメロドラマと共に活路を見出したホラー風味も薫るSF映画の体裁を持ちながら、壮健・聡明な若者が陥る孤独と恐怖感を描いた異色作でも御座います。
特に後半はロビンソン漂流記の如き様相を帯びてきますが、場所が南洋の孤島ではなく、かつては勝手知ったる我が家の地下室で有る所に強烈なアイロニーが生まれて居ます。
そこには地位や国籍をいきなり剥奪されたり、健康状態が激変したりする事への隠喩も有り、ラストは安易なハッピーエンドを避けた、形而上学的な結末が待ち受けて居ます。
確かに特撮や科学考証は現在の目で観ると古く、誤りだらけに映るかもしれません。
それでもSFを愛していた監督ジャック・アーノルドと光学合成に優れた特撮のクリフォード・スタイン等による丁寧な演出と、美術、役者陣の手抜きのない熱演によって、心を打つ作品となりました。
原作者で脚本にも関わった才人リチャード・マシスンに依る、平凡な日常が一転、ホラーな状態になる描写に長けたストーリーも非凡です。
特にラストは、主人公の多幸感は神が与えし慈悲の如く見え、万感胸に来ます。
50年代SF映画がお好きな方のみならず、孤独と闘う主人公の冒険、立場の変化逆転を描いたアイロニーが強い映画がお好きな方にもお薦めです。
可愛い家猫が小動物にとっては恐るべきハンターで有る事も痛烈に示しています。
本DVDは日本語字幕のON/OFFとチャプター選択が出来るのみですが、画質はDVDとしては良好です。
リーフレット等、紙媒体の付録は御座いませんでした。
謎の要因により一日5/8インチずつ体が縮み始めたスコット・ケアリー(グラント・ウィリアムズ「モノリス・モンスター」「風と共に散る」)。
時々縮小が停まる事は有っても元には戻れない事がほぼ確実に。
愛する妻との関係もギクシャクし、生活の為に己の悲惨な身の上をマスコミに切り売りして暮らす毎日。
遂にドールハウスサイズに迄縮んだスコットは、妻の外出中にかつての愛猫と生き残りを掛けて戦う羽目に。
戦前戦後、世界を席巻したホラームーヴィーを生み出したユニバーサルが、50年代にメロドラマと共に活路を見出したホラー風味も薫るSF映画の体裁を持ちながら、壮健・聡明な若者が陥る孤独と恐怖感を描いた異色作でも御座います。
特に後半はロビンソン漂流記の如き様相を帯びてきますが、場所が南洋の孤島ではなく、かつては勝手知ったる我が家の地下室で有る所に強烈なアイロニーが生まれて居ます。
そこには地位や国籍をいきなり剥奪されたり、健康状態が激変したりする事への隠喩も有り、ラストは安易なハッピーエンドを避けた、形而上学的な結末が待ち受けて居ます。
確かに特撮や科学考証は現在の目で観ると古く、誤りだらけに映るかもしれません。
それでもSFを愛していた監督ジャック・アーノルドと光学合成に優れた特撮のクリフォード・スタイン等による丁寧な演出と、美術、役者陣の手抜きのない熱演によって、心を打つ作品となりました。
原作者で脚本にも関わった才人リチャード・マシスンに依る、平凡な日常が一転、ホラーな状態になる描写に長けたストーリーも非凡です。
特にラストは、主人公の多幸感は神が与えし慈悲の如く見え、万感胸に来ます。
50年代SF映画がお好きな方のみならず、孤独と闘う主人公の冒険、立場の変化逆転を描いたアイロニーが強い映画がお好きな方にもお薦めです。
可愛い家猫が小動物にとっては恐るべきハンターで有る事も痛烈に示しています。
本DVDは日本語字幕のON/OFFとチャプター選択が出来るのみですが、画質はDVDとしては良好です。
リーフレット等、紙媒体の付録は御座いませんでした。
2016年9月5日に日本でレビュー済み
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主役の俳優の2枚目然としたところがハナについて観る気がしなかった作品です。しかも人間が小さくなってペットや昆虫に襲われるというありがちなアイデアも、別にどうでもいいかぐらいにしか思っていませんでした。だいたいそのきっかけが安易すぎやしないかなんて、観ながら観ていないようなものでして。ドラマとしてはなかなか見せるなあと徐々に惹きつけられたのですが、これどうやって落とすのだろうと途中から気になりだしたのです。
皆さんネタバレのレビューをしていますけど、これを書かないとそんな魅力のある作品とは思えないところがツライ。でも、この最後はどこか救いのない結末のようでもあるのですが、彼が新しい世界で生きていくことを決意したというような若干の希望を持たせるダイアローグが、当時観ていたであろう少年少女たちに未来の夢を託すようで、別の意味で救われるところではあります。これを先に観ていたおかげで「アントマン」などは新鮮味に欠けるほどでした。彼はいま、どうしているのでしょうか?
皆さんネタバレのレビューをしていますけど、これを書かないとそんな魅力のある作品とは思えないところがツライ。でも、この最後はどこか救いのない結末のようでもあるのですが、彼が新しい世界で生きていくことを決意したというような若干の希望を持たせるダイアローグが、当時観ていたであろう少年少女たちに未来の夢を託すようで、別の意味で救われるところではあります。これを先に観ていたおかげで「アントマン」などは新鮮味に欠けるほどでした。彼はいま、どうしているのでしょうか?
2017年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作が非常に面白ったので、以前から見てみたかった映画。
期待以上の物だった。
今のSFX技術からすると、チャチだけど、意外にハラハラ、ドキドキ
ぜひ、今の技術でリメイク版を作ってほしい。
期待以上の物だった。
今のSFX技術からすると、チャチだけど、意外にハラハラ、ドキドキ
ぜひ、今の技術でリメイク版を作ってほしい。
2016年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
縮みゆく人間 [DVD
]
この作品は以前からぜひ観たいと思っていましたが
やはり期待を裏切らないものでした。
ミステリー・ゾーンの一遍を観るような感じがしました。
この作品は以前からぜひ観たいと思っていましたが
やはり期待を裏切らないものでした。
ミステリー・ゾーンの一遍を観るような感じがしました。
2017年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
巨人、小人ものが好きな人には必見なだけでなく、
特にそうでない人もオススメ。
身体がどんどん縮んでいく絶望感、なかなかよく表現されてます。
特にそうでない人もオススメ。
身体がどんどん縮んでいく絶望感、なかなかよく表現されてます。
2015年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白いです。
テンポがよく、とんとん拍子に物語が進むので退屈しません。
特撮もなんというか、古典的方法なんですけど、それっぽく見せるためにいろいろな工夫がされていて見ていて飽きません。
脇道に必要以上に深入りせず、主人公の身の回りの出来事に終始しています。
結果的に視聴者に見えている範囲が狭いので、主人公の知らないことは視聴者にも分かりません。
これがよく効いてか、スケールの小ささとは裏腹に大きな不安を募らせます。
先が気になり、見ているうちにあっという間のラストでした。最後は、、うーん、、結構考えてしまいました。
でもこれは大変面白かったですよ、の星5つ。
テンポがよく、とんとん拍子に物語が進むので退屈しません。
特撮もなんというか、古典的方法なんですけど、それっぽく見せるためにいろいろな工夫がされていて見ていて飽きません。
脇道に必要以上に深入りせず、主人公の身の回りの出来事に終始しています。
結果的に視聴者に見えている範囲が狭いので、主人公の知らないことは視聴者にも分かりません。
これがよく効いてか、スケールの小ささとは裏腹に大きな不安を募らせます。
先が気になり、見ているうちにあっという間のラストでした。最後は、、うーん、、結構考えてしまいました。
でもこれは大変面白かったですよ、の星5つ。