1『美しい思い出だけじゃないけど』
「悪気はない わざとじゃないないない」と軽快に始まり「イエスゲイリークリニック」との決め台詞がゲイリーらしく決まったと思えば、
終盤「花束振り回して止まらない日々よ 溢れ出した気持ちだけで何かが変わりそうで」とユコの声が淡々と熱い言葉を綴ります。
2『Dr.PANTY』
タイトルに反してパンティーという言葉は3回しか出てきません。
MVがYouTubeで公開されていますが、その見た目やタイトルとは裏腹に、サビでは男の孤独が切実に綴られているのが印象的。
3『シャンペイン』
楽しいナンバーがようやく来たと思ったらサビで「変わらないよ死ぬまで お互い傷だらけ」と来るから油断できない。
ゲイリーの歌とドラムだけで印象的に浮き上がる「最後の夏休み」というワードも意味深に思いました。
4『モスコミュール・メルシー』
「メルシー今夜 全部棄てなくちゃ ロマンティックだけは胸に秘めて レッツゴーユートピア 君と僕 ザ・ラストナイト」
一行目から最後までわかりやすく男と女の別れを淡々としたリズムで、しかし強い覚悟で綴られているように見えるのです。
5『イグノアの娘』
ゲイリーの気持ちが切実に綴られた(?)最初の4曲の後ようやく「イグアナの娘」を文字った(?)ふざけた曲名が目に入りホッとしたのも束の間。
「真夜中 君からの電話は無視さ」とゲイリーが強く歌い上げるサビから始まるこのナンバーが個人的にこのミニアルバムで心を揺さぶられるピークでした。激しい感情が、歌で、ベースで、ドラムで、鍵盤で、掛け声で、全方向から畳み掛けてくる。
6『シャラララ・ラブレター』
「毎晩 何かに追われてるんだ」との語りから始まるこの曲に身構えてしまったものの、このミニアルバムで唯一、頭を空っぽにして楽しめる曲でした。
7『なにもかも忘れたよ』
「あるがまま紡ぎたいと思ったのです これがいつしか愛に変わると信じてた頃が
切なく若かったねと笑います だけど命を削って誰かに恋する人はとても美しい」
・・・この曲で号泣した後に高校の卒業アルバムを何年かぶりに手に取っていた自分がいました。そんな力のある曲だと思います。
今作は今までと違って全曲の作詞作曲が「ゲイリー・ビッチェ」名義になっています。
きっとゲイリーに何かがあったのは間違いないでしょう。
命を削って音楽に恋するゲイリーはとても美しい。そう素直に思わせてくれる作品です。