Glauco Venier(1962年~)は、イタリアのピアニスト。ECMファンには、ヴォーカリスト Norma Winstoneの伴奏で知られていると思います。
この「Miniatures」は、サブタイトル「Music for piano and percussion」が示すように、Venierが一人でピアノとパーカッション(ゴング、ベルなど)を演奏したアルバム。
ブックレットには、右手を鍵盤に置き、左手で金属片を叩いているフォトも掲載されていますが、1人多重録音による曲もあるようです。
全15曲・約55分で、いわゆる小品の集まり。しかし、音色の透明度が高く、何気なく聴いているうちに、徐々にVenierが構築する世界に惹き込まれていきます。
そして、ECM作品だからといって、構えて臨む必要はなく、非常に聴きやすいサウンドに仕上がっており、聴きようによってはKeith Jarrettの抒情的な部分を、綺麗に掬い上げたかのように感じるのは、プロデューサー Manfred Eicherの力によるものでしょうか?
録音は、2013年12月、スイス・ルガーノにて。
多忙な毎日が続く中で、思いがけず訪れた短い休息のような音楽、とでも表現したい傑作。