ジェイムズ・エルロイの「暗黒のL.A.」4部作の2作目。
2作目なのだが、ストーリー的にはここから読み始めても問題ない。
本書は3人の男達がそれぞれの理由と思惑から猟奇殺人事件の捜査と"赤狩り"を行うストーリーとなっている……。
腐敗した警察組織、ギャング、赤狩り等の50年代アメリカのダークな要素が複雑に絡み合うストーリーは圧巻。
それぞれの主人公のたどり着く結末は必見。
まさに当時のアメリカの都市を覆う暗澹たる空気を存分に味わえる一冊。
かなり濃密な作品なので、これだけでノックアウトされそうになるが、さらに『L.A.コンフィデンシャル』が待ち構えているという……。
最近『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』『傷だらけのカミーユ』の3部作がヒットしたが、あのような雰囲気が気に入ったならぜひ手にとって欲しい。
あの3部作を超えるような、かなり濃厚な読書体験になること請け合いだ。
※余談だが『悲しみのイレーヌ 』で言及される『ブラック・ダリア』こそ「暗黒のL.A.」4部作の1作目だったりもする。
本来なら絶版なので古本でしか手にはいらなかったのだが、電子版のおかげで即時に購入できるようになった。
これこそ電子版のメリットなので各社どんどんこういう絶版本の電子版を販売して欲しいところ。
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