幾つかの作品は既読です。が「良かった!」記憶だけはあるのに内容をあまり覚えていない--これは私のハーラン・エリスン読後の平常運転なので、既読未読を気にせず冒頭から読み始めました。
で、やっぱり良かった!根本的にセンチメンタルではあるのだけれど、それが緩さにならない。こんなズブズブに汚い世界に、限界ギリギリみたいな美しい文章(これはもちろん、伊藤典夫さんの翻訳だからなのでしょうが)--サリンジャーの短編に「愛と汚辱についての物語」を読みたい少女が出てきますが、現実世界でこう言われたら、エリスンを薦めればそれで済むでしょう。
これはSFじゃないよな、という作品も結構含まれているけれど、これらも素晴らしかった。スティーブン・キングの初期短編風の作品もあれば、エドガー賞をとったという短編もありで、粒揃いのセレクトといえるでしょう。
でもエリスンなら、失敗作であってもあえて読んでみたい気もするなぁ…そういう作家です。
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死の鳥 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版
25万年の眠りののち、病み衰えた惑星〈地球〉によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語――「おれには口がない、それでも俺は叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2016/8/15
- ファイルサイズ1718 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B01K1TTI0M
- 出版社 : 早川書房 (2016/8/15)
- 発売日 : 2016/8/15
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1718 KB
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- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 334ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 134,374位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
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2016年8月30日に日本でレビュー済み
レポート
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23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年11月8日に日本でレビュー済み
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様々な作品の原点になっている部分があると思います。
しかし、今になって読んでも新鮮さがなく、楽しめるかどうかは微妙…。
「これがもとになっている」「この時代にこんな作品が」という視点で読むのと、物語を楽しむのは別物だなぁと感じました。
しかし、今になって読んでも新鮮さがなく、楽しめるかどうかは微妙…。
「これがもとになっている」「この時代にこんな作品が」という視点で読むのと、物語を楽しむのは別物だなぁと感じました。
2016年10月4日に日本でレビュー済み
あれ?エリスンてこんなに暴力的だったっけ?と想った作品集。もともとケンカっぱやい人物だったらしいが、時代順に編集したと云うので、初期の暴力性が特に高かった頃の作品が集まってしまったのだろう。尚、エリスンはメインストリームの文芸誌に書いた事も有ると云うし、SFではニューウェーブからも注目されていたらしいが、その辺りは良く判る。この暴力性は直接SFには関係無く、SFと云うより文学にSFを取り込んだハシリの様な感じすら有る。
2018年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題名から判断して既読のものもあるが、なにぶんかなり以前の事なので内容をハッキリと覚えていない自分に気づく。しかしページをめくると、やはりいきなり「世にも不思議な世界」へ放り出されるわけで、その一瞬爽快なんだか躊躇いなんだかわからない感覚は、中毒性が有る。ハーランエリスンだっ!
でも日本語訳版があまりにも少ないので欲求不満になってしまいます。
なお、内容とは関係ありませんが、電子版には解説がありませんのでご注意の程。(これだけ刊行数が少ないんだからせめて解説等情報が欲しいですよね。
でも日本語訳版があまりにも少ないので欲求不満になってしまいます。
なお、内容とは関係ありませんが、電子版には解説がありませんのでご注意の程。(これだけ刊行数が少ないんだからせめて解説等情報が欲しいですよね。
2019年7月26日に日本でレビュー済み
サイエンス・フィクションというよりスペキュレイテブ・フィクションに傾いた短編群。時間や空間物理が少し異なる異世界物語。TVシナリオライターでもあったので、「トワイライト・ゾーン」を想起すれば近いものがあるだろう。
また、「ソフト・モンキー」のように完全に近代文学フィクションの作品もある。
また、「ソフト・モンキー」のように完全に近代文学フィクションの作品もある。
2018年10月20日に日本でレビュー済み
不遜なタイトルだが正直に感想を言えばそう。世界の中心でエトセトラに感動して手に取ったが、前作の作品群と比べて上と言えるほどの作品は無かったが、愛と暴力に満ち満ちたエリスンの世界を充分に堪能できたので満足。
気になった作品だけをレビュー
「悔い改めよハーレクイン!とチクタクマンは言った」
時間を守らない事が罪になる管理社会と戦うテロリスト、ハーレクィンの話だが、非常にユニークでポップな作品。
ゼリー・ビーンズで革命を起こすってのが可愛くて好き。チクタクマンと言う間の抜けた名前もこの世界観にあってる。
「竜討つものにまぼろしを」
アンブローズ・ビアスの「アウルクリーク橋の事件」にそっくり。あの作品の類似作は古今東西枚挙にいとまがない。世にも奇妙な物語でも何回も見ている時代を越えて様々な形で語られる汎用性の高いプロットである。別に面白かったわけではないが、大好きな話なのでエリスンがこのプロットで話を書くのが嬉しかった。
「おれには口がない、それでも俺は叫ぶ」
AMと言うスカイネットみたいなAIが人類を滅ぼした後に、人間の人格データを自分の内部にプログラムし、ありとあらゆる苦痛を与えるようになった地獄のような世界で絶望的な抵抗を試みる男女の話。
設定を聞いた限りでは物凄い内容になってそうな気がするが、実際は然程ではない。缶詰の話とか「ギャグ?」って感じ。
思うにエリスンには狂気はあるが変態性は無いのだろう。日本の変態作家ならとんでもない地獄絵図を描くだろうに。最も凡百の作家どもにこの設定は思いつくまい。
設定は凄く好きだけど内容は拍子抜けだったがほっともした。あまりエグイのは読めないので。
「プリティ・マギー・マネーアイズ」
破滅寸前だった男があるスロットマシンをやり始めてから、あり得ないバカ勝ちをしだす。しかしそのマシンにはある女の怨念がこもっていた。
好みで言うなら一番好きかも。日本ならもっと女の情念がこもった陰気な話になるだろうに、欧米人が書くと何かカラッとした感じがありますな。男が可愛そうだが、現実でもフィクションでもギャンブラーに待ってるのは破滅だけであるのは自明の理である。
「世界の縁にたつ都市をさまよう者」
未来世界の描写がとても良かった。何時もどうりの容赦のない暴力に満ちているのに何故か煌びやかな印象がある不思議な作品。
「死の鳥」
小説と言うより詩みたいでカッコいい。
だが、これを「カッコいい」と思うのは書かれている内容に関して程々に興味が無い、或は共感できないからだろう。外国人がニンジャやサムライを「クール!」と称するように真の理解からは程遠い感覚だと思う。
我々日本人には理解し難い感覚だが、信仰深い人間だろうと無神論者だろうと、或はその中間にいる曖昧な生き方をしている人間であろうとも、キリスト教圏の人間にとって聖書は世界を理解する上で重要な意味を持つようだ。神を否定するのにも信仰を前提としているのだ。
一方21世紀の典型的日本人である私にはこの作品の主題は人生の理解にはさして必要のないものであるために、「カッコいい」と言う中身のない感想しか出て来ない。
「鞭うたれた犬たちのうめき」
とある夜。ベスと云う女性はビルの中庭で女が狂人に殺される姿を目撃する。ベスとその他25名はその姿をじっと見ていただけで助けようともしなかった。そして上空ではそんな全てを見降ろす二つの巨大な目があった。
途中までは、「え?何?コンクリートジャングルの住人たちの非人間性を抽象的な表現で批判する文学小説か何か?」と思って退屈したが終盤で巨大な目は何かの比喩ではなくそのまんまである事が分かりほっとした。
私はエリスンの破壊的な狂気と暴力描写を愛します。
気になった作品だけをレビュー
「悔い改めよハーレクイン!とチクタクマンは言った」
時間を守らない事が罪になる管理社会と戦うテロリスト、ハーレクィンの話だが、非常にユニークでポップな作品。
ゼリー・ビーンズで革命を起こすってのが可愛くて好き。チクタクマンと言う間の抜けた名前もこの世界観にあってる。
「竜討つものにまぼろしを」
アンブローズ・ビアスの「アウルクリーク橋の事件」にそっくり。あの作品の類似作は古今東西枚挙にいとまがない。世にも奇妙な物語でも何回も見ている時代を越えて様々な形で語られる汎用性の高いプロットである。別に面白かったわけではないが、大好きな話なのでエリスンがこのプロットで話を書くのが嬉しかった。
「おれには口がない、それでも俺は叫ぶ」
AMと言うスカイネットみたいなAIが人類を滅ぼした後に、人間の人格データを自分の内部にプログラムし、ありとあらゆる苦痛を与えるようになった地獄のような世界で絶望的な抵抗を試みる男女の話。
設定を聞いた限りでは物凄い内容になってそうな気がするが、実際は然程ではない。缶詰の話とか「ギャグ?」って感じ。
思うにエリスンには狂気はあるが変態性は無いのだろう。日本の変態作家ならとんでもない地獄絵図を描くだろうに。最も凡百の作家どもにこの設定は思いつくまい。
設定は凄く好きだけど内容は拍子抜けだったがほっともした。あまりエグイのは読めないので。
「プリティ・マギー・マネーアイズ」
破滅寸前だった男があるスロットマシンをやり始めてから、あり得ないバカ勝ちをしだす。しかしそのマシンにはある女の怨念がこもっていた。
好みで言うなら一番好きかも。日本ならもっと女の情念がこもった陰気な話になるだろうに、欧米人が書くと何かカラッとした感じがありますな。男が可愛そうだが、現実でもフィクションでもギャンブラーに待ってるのは破滅だけであるのは自明の理である。
「世界の縁にたつ都市をさまよう者」
未来世界の描写がとても良かった。何時もどうりの容赦のない暴力に満ちているのに何故か煌びやかな印象がある不思議な作品。
「死の鳥」
小説と言うより詩みたいでカッコいい。
だが、これを「カッコいい」と思うのは書かれている内容に関して程々に興味が無い、或は共感できないからだろう。外国人がニンジャやサムライを「クール!」と称するように真の理解からは程遠い感覚だと思う。
我々日本人には理解し難い感覚だが、信仰深い人間だろうと無神論者だろうと、或はその中間にいる曖昧な生き方をしている人間であろうとも、キリスト教圏の人間にとって聖書は世界を理解する上で重要な意味を持つようだ。神を否定するのにも信仰を前提としているのだ。
一方21世紀の典型的日本人である私にはこの作品の主題は人生の理解にはさして必要のないものであるために、「カッコいい」と言う中身のない感想しか出て来ない。
「鞭うたれた犬たちのうめき」
とある夜。ベスと云う女性はビルの中庭で女が狂人に殺される姿を目撃する。ベスとその他25名はその姿をじっと見ていただけで助けようともしなかった。そして上空ではそんな全てを見降ろす二つの巨大な目があった。
途中までは、「え?何?コンクリートジャングルの住人たちの非人間性を抽象的な表現で批判する文学小説か何か?」と思って退屈したが終盤で巨大な目は何かの比喩ではなくそのまんまである事が分かりほっとした。
私はエリスンの破壊的な狂気と暴力描写を愛します。
2017年6月22日に日本でレビュー済み
どの作品も面白いのはいうまでもない。ただしそれは面白いの種類は作品ごとに異なる。単純に笑える作品はないが、生きていることの意味、人間の正体、人類を取り巻く環境など、様々な観点で読者の心を揺さぶる。個人的に気に入った作品は、『「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった』『プリティ・マギー・マネーアイズ』『ジェフティは五つ 』『ソフト・モンキー』といったところ。
2016年8月11日に日本でレビュー済み
既読作のみ、と侮ることなかれ。
本書は、ほぼ三十年に渡り、ハーラン・エリスンを訳しつづけてきた伊藤典夫の成果である。
訳文や訳注の見直しがあり、なにが書かれているのかが、理解しやすくなっている。
とはいうものの、粗暴と繊細がシヴァ神のように入れ替わる(目まぐるしいときも、緩慢なときもある)、もはやエリスン節としかいいようのない内容と文体であるからして、「これはテストだ」(「死の鳥」冒頭)。
読むことが試されるのだ、そう、本書はためし読み不可ともいえる。
決意して、手に取ろう。
読むことでなにが変わるのか、あなたはなんに変わりたいのか。
狼男に?
白鯨に?
遅刻常習者に? あるいは、
スロットマシン。
そして、あなたは知るだろう。
『世界の中心で愛を叫んだけもの』の献辞の真実を。
本書は、ほぼ三十年に渡り、ハーラン・エリスンを訳しつづけてきた伊藤典夫の成果である。
訳文や訳注の見直しがあり、なにが書かれているのかが、理解しやすくなっている。
とはいうものの、粗暴と繊細がシヴァ神のように入れ替わる(目まぐるしいときも、緩慢なときもある)、もはやエリスン節としかいいようのない内容と文体であるからして、「これはテストだ」(「死の鳥」冒頭)。
読むことが試されるのだ、そう、本書はためし読み不可ともいえる。
決意して、手に取ろう。
読むことでなにが変わるのか、あなたはなんに変わりたいのか。
狼男に?
白鯨に?
遅刻常習者に? あるいは、
スロットマシン。
そして、あなたは知るだろう。
『世界の中心で愛を叫んだけもの』の献辞の真実を。