世界でもっとも刺激的な音楽の発信地リオの今を知る!
常に時代の最先端のブラジル音楽をリサーチし、意識の高い世界の音楽ファンに向けて発信し続けてきたのが、イギリスを拠点にするレーベル“Mais Um Discos"。最近ではリオ・オリンピックの開会式にも出演した大ベテラン女性歌手エルザ・ソアーレスの『世界の果ての女』(MAR-6001)や、トロピカリア黄金時代のサウンドの現代化を目指す若手グループ、グラヴェオラの『カマレオン・ボルボレータ』(MAR-6003)を発表して話題となりました。そんな同レーベルがお勧めする最新ブラジル音楽をコンパイルした2枚組が登場しました。
本作をコンパイルしたのは、リオで定期開催されている“ノーヴァス・フリケンシアス"というフェスティヴァルを主宰するシコ・ダブという人物。もともとインディー系の実験的な音楽を紹介する目的でスタートしたイヴェントだけに、彼がここで選ぶ音楽もやはり刺激的で進歩的なサウンドが中心となっています。
ディスク1ではアヴァ・ローシャ、リカルド・ジアス・ゴメス、ネグロ・レオ、メイア・バンダといった、日本ではまだまだ知られていないニューカマーらをたくさん紹介しています。彼らはいわゆるリオのLo-Fi・オルタナティヴ・シーンで注目を集めている面々で、それぞれ個性的なアンダーグラウンド・サウンドを披露します。さらに独自のブラジリアン・アフロビートを聴かせるアバヨミ・アフロビート・オーケストラや新作を発表したばかりのエルザ・ソアーレスなど、多彩な顔ぶれを紹介します。
またディスク2ではエレクトロニックやノイズといった、より実験的なサウンドを満載。スペルフィシィ、エリック・アルヴィスといったダウンビート系エレクトロニック・シーンの代表格のほか、バイリ・ファンキや実験音楽のシーンに多大な影響を受けた音楽家が放つ、ある種のビザール・サウンドがギッシリと詰まっています。
加えてアントニオ・カルロス・ジョビンの末娘マリア・ルイザ・ジョビンや、ブラジル映画界の巨匠グラウベル・ローシャの娘アヴァ・ローシャといった旧世代との繋がりも感じられるキャスティングにも注目してください。