![新潮 2016年 12 月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/519RAM9mQWL._SY445_SX342_.jpg)
なんといっても、手塚治虫のスクラップ落書きのカラー掲載が圧巻です。
他人に見せることを前提としていないアイデアスケッチのようなものであるが故に
肉筆の生々しさと、タッチ・描写過程が描かれていて非常に貴重と思います。
筒井康孝氏、手塚るみ子氏のキャプションも故人への戸惑いと敬愛に溢れて
いますし、実は、宝塚の文化を愛した原点を持つ故に、代表作「リボンの騎士」
以降、「ムゥ」、「奇子」等では、ねつい昇華されたエロスを発し続けた、この巨匠
の肉声がそのまま聞こえるように思えます。
実は、手塚作品は、科学もの（「鉄腕アトム系」以外にかなりエロスを感じる系列
が、「ペエスケ」系で全く違う画風で「大人向けのギャグ」として描かれています。
また、下記作品は、今見ても濃厚だがお洒落な雰囲気もある、映像作品です。
千夜一夜物語 [DVD
]
クレオパトラ [DVD
]
哀しみのベラドンナ [DVD
]
惜しむらくは、この豪華キャストと、今から見ても名作と評価できる3部作のコスト
の為に、虫プロが経営難になって倒産してしまった、という経緯はありますが。
特に、「 千夜一夜物語」のキャスト陣は、カメオ出演（CV)も含め、故人も多く、
非常に貴重と思います。
尚、今回発掘された遺稿も含め、下記をみると、まだまだ色々な遺産が残されて
いるようで、今後に期待したいとも思います。
ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘 (文春文庫)
勿論、掲載作の「息子と狩猟に」等も圭作です。是非、手元に置きたい1冊として
お勧めします。
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