今号241ページの「編集部日記 田名後三昧」の中で
「竜王戦挑戦者変更についての経緯説明について」
にわざわざスペースを割いている。前号の読者から多数の苦情・抗議が殺到したことがよーく分かる。
そうであっても将棋世界の編集方針は、「第三者調査委員会の調査結果待ちで経緯を公表する」という連盟の方針を踏襲するものだ。
こんな編集方針は公平でもなければ、客観報道でもない。
なぜなら時間の経過は、三浦九段にとって圧倒的に不利だからだ。仕事を干されている状況が長く続けば続くほど、既成事実が積み重ねられていく。仕事を干されている間は対局料をもらえない。三浦九段の損害は時間の経過に比例して拡大していく。(公式棋戦の勧進元である)連盟執行部よりもはるかに不利な状況だ。
(連盟執行部の主張よりも)三浦九段の主張をタイムリーに大きく取り上げても、公平というにはまだまだ不十分なぐらいだ。
三浦九段の主張をタイムリーに大きく取り上げないこと自体が、連盟執行部に一方的に加担した「主観報道」であるということを、田名後編集長には認める気が全く無いようだ。
ねとらぼ 2016年11月18日の記事
「スマホ不正疑惑」で騒動続く三浦九段、処分後初の不戦敗が確定 将棋連盟「第三者委の判断を待つしかない」
を読んだ。木っ端役人の国会答弁にあきれた方も多いと思う。
――第三者委の結論はいつごろ発表されるか
連盟は依頼している立場でありコメントできない。
――11月4日以降、第三者委は行動しているのか
何回も会合をしている。
――そうした情報を連盟のサイトに載せない理由は
逆にその都度掲載する理由はあるのか。
「この野郎・・・・そういう言い草は無いだろう?人をナメるのもいい加減にしろ。」
と喉まで出かかったが、できる限り理詰めで考えてみることにする。
そもそも不正疑惑が発生する元凶をつくったのは連盟執行部だ。米長前会長が英紀さんに負けた段階で厳格な不正防止ルールを明文化していれば、今回のような大騒ぎにはならなかった。「公平な対局の実施」という理非曲直よりも「コンピュータ将棋に負けたことを認めたくない」という卑小なメンツを優先し決断を先送りしたために、今回の大騒ぎになった。
当方がねとらぼの記者だったら連盟執行部に確認したかったこと
・三浦九段は順位戦を不戦敗として処理された。郷田さん(寝坊)や久保さん(対局開始時間確認ミス)のケースとは状況が全く違う。出場辞退意思を確認できる書面を三浦九段と取り交わしているか?
もし書面がある場合、第三者調査委員会の調査終了後まで出場辞退する旨が明記されているか?
もし書面が無い場合(あるいは書面があっても出場辞退期限が切られていない場合)、三浦九段の出場辞退は撤回可能な口約束だ。調査期限を切らないために三浦九段に損害が発生し続けている。三浦九段に損害が発生したのは誰の責任か?
口約束でも実効性があるというのなら、伊藤英紀氏との裁判の和解の際に、賠償金額の口外秘(連盟が いくら負けたのか言いふらさないこと)をわざわざ和解条項に明記したのは何のためか?口約束でも実効性があるのなら、賠償金額の口外秘も口約束にすれば良かったのに。
・第三者調査委員会の会合の中身を将棋連盟のサイト等に逐次掲載する理由はある。なぜなら、棋士が自分の頭で考えた指し手には金銭的な価値があるが、ソフトで検索した手順をコピペした指し手には金銭的な価値が無いからだ。将棋ファンは新聞代・配信料などを払うことで身銭を切っている。コピペした指し手に身銭を切る価値は無い。読者・視聴者から情報開示を求められるのが死ぬほど嫌なら、疑惑のある対局が掲載されている新聞代・配信料を将棋連盟理事が連帯して読者・視聴者へ全額返金しろ!
谷川浩司と島朗は、連盟執行部の肝いりで人事を勝手に決めた第三者調査委員会の判断を錦の御旗に掲げ、三浦九段の処分の理非曲直から逃げまくっている。
何回でも繰り返す。
渡辺正和五段の削除されたツイートにて
「お昼休みに外出しないという事になったのも最近ですし、理事は誰も居ない理事室で食事をするのが慣例になっていました。批判があったので最近は桂の間で他の人と一緒に食事したりするようになりましたが。」
という発言があった。
第三者調査委員会の人事は連盟執行部が勝手に決めた。→第三者調査委員会は、対局にイカサマがあったかどうかを厳格に調査する機関だ。→「対局にイカサマがあったかどうかを厳格に調査する機関の人事を決める人間が、イカサマと無縁の人間であること」は最低レベルの要件だ。→連盟執行部の理事がイカサマと無縁の人間でなければ、第三者調査委員会の人事を勝手に決める説得力はゼロだ。→連盟執行部の理事には、イカサマと無縁であることを立証する厳格な義務が存在する。→連盟執行部の理事全員が所有・使用するスマホ・PCを第三者調査委員会に提出する義務がある。→連盟執行部の理事全員が所有・使用するスマホ・PCを調査した結果、対局時間中の利用が判明した場合すべてについて利用意図・理由を詳細に説明する義務がある。
まず谷川浩司と島朗がやれ。続いて青野理事もやる。さらに続いて片上理事と佐藤理事と中川理事もやる。結果を将棋世界の誌面で公表し掲載する。誰一人反対する人間はいないと思う。
もし所有・使用するスマホ・PCを第三者調査委員会に提出するのを谷川浩司と島朗が拒否するのなら、
「状況証拠で他人を疑うこと」が間違っている理由を列挙できると思う。
や・れ!
この理由付けの列挙があれば、三浦九段は一億パーセントの確率で勝訴できる。
なぜなら、自分の主張を自分で否定する連中に軍配を上げる裁判官は地球上に存在しないからだ。
考えられうる反論。
「オレのレーティングは奨励会員よりも低い。成績が実証している。悪い成績を取り繕おうとしていないのだから、オレはカンニングとは無縁の人間だ。」
考えられうる再反論。
「カンニングをしないで奨励会員よりレーティングが低い人間に払う対局料はゼロだ。さっさと引退するか、三段リーグへ降格するか、どちらかだ。」
もし当方が三浦九段の代理人の弁護士だったら、島朗を法廷に引きずり出して反対尋問で容赦なく追及する際に使ってみたい論法だ。
さて、こんな状況ではあっても
当方、渡辺明をどうにかして助けたいと思っている。
「田中寅彦をさんざん甘ったれ呼ばわりしてきたくせに、渡辺明に対しては大甘すぎる!」
という批判は覚悟の上だ。
でもだからといって曖昧模糊とした処分でウヤムヤにされてほしいとも思っていない。棋士総会で正々堂々と自身の言動について説明し、除名処分についての免責を勝ち取ってほしいと思っている。
三浦さんに理があり共感・同情が集まれば集まるほど、渡辺明の分が悪くなる。
もし渡辺明の除名処分が棋士総会で議題になれば、2/3超の阻止でさえも難しいと思っている。そうであっても渡辺明のことが好きなだけに、除名処分についての免責を勝ち取ることについて譲歩はしたくない。
当方、三浦さんも渡辺さんも好きだ。
今年の竜王戦はどっちが勝っても喜べる竜王戦だと楽しみにしていた。竜王が防衛しても喜べるし、挑戦者が奪取しても喜べる竜王戦になると期待していた。二人が一生会話をできないほどの遺恨ができてしまったのが残念でならない。
二人とも助けたい。
残念な編集方針に星四つです。

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将棋世界 2017年1月号 雑誌 – 2016/12/2
●巻頭カラー
新春スペシャルインタビュー[前編]
羽生善治三冠『三冠を死守した激闘の軌跡』 構成/小暮克洋
●特集講座
好きさ! ノーマル四間飛車 ―居飛穴なんて怖くない―
Chapter1 「教えて! 大介先生」 ―四間飛車の疑問を豪快解説―
講師/鈴木大介八段 生徒/中村真梨花女流三段
Chapter2 「石井流 ノーマル四間の居飛穴退治」石井健太郎四段
Chapter3 四間飛車激闘自戦記「側面攻撃が奏功」窪田義行七段
Chapter4 四間飛車次の一手 出題/藤倉勇樹五段、森 信雄七段
新春読者プレゼント
―人気棋士&女流棋士が、グッズ・愛用品・直筆物をプレゼント!
●プロ棋戦
・第29期竜王戦七番勝負 渡辺 明竜王×丸山忠久九段
[第3局]「桂なし穴熊に幻を見た」 記/大川慎太郎
・第6期加古川青流戦決勝三番勝負 井出隼平四段×石川優太三段
「井出、振り飛車で栄冠」文/池田将之
・第6期リコー杯女流王座戦五番勝負 加藤桃子女流王座×里見香奈女流四冠
[第2局]「盤上没我」 文/馬上勇人
・第24期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負 里見香奈倉敷藤花×室谷由紀女流二段
[第1局]「成長の証し」 文/鈴木健二
・第37回将棋日本シリーズJTプロ公式戦決勝 佐藤天彦名人×豊島将之七段
豊島、逆転でライバル対決制す 文/中島 一
●その他
・「追悼・二上達也九段」 文/羽生善治、谷川浩司、加藤一二三、内藤國雄、大内延介、大崎善生、若島 正
・ドキュメント藤井聡太四段
―史上最年少棋士はいかにして生まれたか― 文/鈴木宏彦
●連載講座
・大山将棋強さの秘密 最終回「生涯現役 晩年の名局」
佐藤天彦名人・行方尚史八段・中田功七段 構成/鈴木宏彦
・最新定跡探査[居車編Vol.7]「横歩取り△8五飛戦法 ―復活への課題―」 金井恒太六段
・かりんの将棋部屋[第9回]終盤のテクニック[必至]
講師/黒沢怜生五段 生徒/伊藤かりん(乃木坂46)
●付録「村山聖 魂の一手」監修・森信雄七段
新春スペシャルインタビュー[前編]
羽生善治三冠『三冠を死守した激闘の軌跡』 構成/小暮克洋
●特集講座
好きさ! ノーマル四間飛車 ―居飛穴なんて怖くない―
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Chapter2 「石井流 ノーマル四間の居飛穴退治」石井健太郎四段
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「井出、振り飛車で栄冠」文/池田将之
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―史上最年少棋士はいかにして生まれたか― 文/鈴木宏彦
●連載講座
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佐藤天彦名人・行方尚史八段・中田功七段 構成/鈴木宏彦
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講師/黒沢怜生五段 生徒/伊藤かりん(乃木坂46)
●付録「村山聖 魂の一手」監修・森信雄七段
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登録情報
- ASIN : B01M8LYFDT
- 出版社 : マイナビ出版; 月刊版 (2016/12/2)
- 発売日 : 2016/12/2
- 言語 : 日本語
- Amazon 売れ筋ランキング: - 229位囲碁・将棋の雑誌
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月2日に日本でレビュー済み
2017年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古で付属品もありませんでしたが、値段からすれば相応で綺麗な品でした。
言わずと知れた、将棋一色の本ですので、しばらくは楽しめそうです。
言わずと知れた、将棋一色の本ですので、しばらくは楽しめそうです。
2016年12月9日に日本でレビュー済み
将棋連盟の機関誌「将棋世界」、評者は今号を付録の故・村山聖九段の特集目当てで買いました。
映画の公開をきっかけに、2016年冬には村山さんが再び脚光を浴びています。今回の付録では師匠・森七段の監修のもと、村山さんの渾身の一手が三十以上取り上げられています。さらに、順位戦で昇級したときに将棋世界に寄せたコメントが四本収載されているのがうれしいところです。評者もいくつかはリアルタイムで読んだ記憶があり、さらにA級八段昇段時のものは小説「聖の青春」にも載っていますが、こうやってまとめて読ませてくれると改めて感じるところがありました。
本誌の方も羽生さんの長文インタビュー・二上九段の追悼特集・ノーマル四間飛車の定跡特集記事など、もちろん充実しています。しかし本誌はKindleでも読めるはずですが付録は載らないので、今回は紙で買ってみたいところです。
映画の公開をきっかけに、2016年冬には村山さんが再び脚光を浴びています。今回の付録では師匠・森七段の監修のもと、村山さんの渾身の一手が三十以上取り上げられています。さらに、順位戦で昇級したときに将棋世界に寄せたコメントが四本収載されているのがうれしいところです。評者もいくつかはリアルタイムで読んだ記憶があり、さらにA級八段昇段時のものは小説「聖の青春」にも載っていますが、こうやってまとめて読ませてくれると改めて感じるところがありました。
本誌の方も羽生さんの長文インタビュー・二上九段の追悼特集・ノーマル四間飛車の定跡特集記事など、もちろん充実しています。しかし本誌はKindleでも読めるはずですが付録は載らないので、今回は紙で買ってみたいところです。
2017年4月22日に日本でレビュー済み
四間飛車の右四間対策が載ってました。振り飛車多めの回でした。
2017年1月29日に日本でレビュー済み
棋士村山聖の生涯を描いた映画の影響。その聖さんの将棋のことが書いてあったので購入しました。