欠かさず買っている期待作。
ほかのみなさんが5巻の内容について素晴らしいレビューを書かれているので、わたしは違った視点から書くことにしました。
まずは整理。前巻のレビューでこの物語をただの脱獄の物語だと勘違いされている方もいらっしゃるようなので。
エラたち視点ではなく俯瞰してみることにしました。
この物語は現代で拷問具として有名な『鋼鉄の処女』が分水嶺にて発見されたところから始まりました。
現存する『鋼鉄の処女』は全てが18世紀より後に作られたものばかりですが、この発見されたものは中世のものの様子。
拷問器具のはずの姿形がなぜ聖母を象っているのか?一体この拷問具の誕生の歴史とは?
その誕生の始まりである『分水嶺』の物語です。
キーワードは『鋼鉄の処女(聖母)』と『分水嶺』になります。
時代はルネッサンス前の暗黒中世。
そこに火のような苛烈な意志を持った少女エラがいました。
エラの育ての親であるアンゲーリカは薬の調合を生業にしていましたが、暗黒中世では魔女であるとされ無残にもエラの目の前で処刑されてしまします。
その処刑を指揮した象徴が修道院のエーデルガルド総長であり、得体の知れない不気味な存在です。
エラはエーデルガルドに対し強い復讐心を抱きます。これが彼女の行動原理です。
魔女の子としてエラも『分水嶺』の修道院に送られてしまい、修道院に都合のよい人間を作り出すための洗脳生活を強いられるようになりますが、
エラはその復讐心を糧に知恵を振り絞って洗脳生活から逃れ、復讐できる期を待つのです。
そのなかでエラは、自分と同様に洗脳生活に疑問を持つ者や利用できる者たちと関わっていく中で、
様々な理不尽な出来事を供に乗り越えるうち結束する辺獄のシュヴェスタ(姉妹)となっていきます。
彼女らはエラのような復讐の背景を背負っていませんが、それぞれ洗脳されることを善しとせず、自分らしく生きるためのしっかりとした背景があります。
少し話が逸れますが、
この辺獄というのは聖書に記されていないカトリックの宗教的概念であり、(洗礼を受けていない)罪のある人間が地獄か救済かを選択されるまで一時的に待機する場所というものです。
そもそもカトリックは人は生まれながらにして罪を背負っているという教えがありますから、幼児期にその罪を許されるため洗礼を受けるのですが、
「では生まれて洗礼前にすぐ死んだ幼児は罪は許されず魂は地獄に行ったのか?」「死産の場合は?」
といった信者の疑問を解決するために『辺獄』というものがいつからか出来上がり、
そこで宗教的情操のある者(家族がカトリック等で自然とその者もカトリックであろうと考えられる)ならば辺獄にて救済を待つことができるというもの=辺獄
だと私は理解しています(違うかもしれませんが)。
ほかにはイエス・キリストが一度処刑されたあと、三日間で多くの魂を解放する場所(のちに復活)になりますので、作者のタイトルの意図としてはどちらも併せ持っているのではないかと想像します。
辺獄のシュヴェスタというのはつまるところ、理不尽の象徴である修道院に立ち向かう少女たちの解放の場所、天国(or地獄)への待機場所というものだと私は作者の意図を想像します。
解放されるのは一体なんなのか、天国か地獄か・・・。
閑話休題。
この5巻ではついに『鋼鉄の処女』と関わりの深そうな鋼鉄の聖母像が出てきます。
偶像崇拝禁止であるカトリックの神父が密かに信仰の対象にしていたということですが、果たしてエラたちのいる『分水嶺』の修道院にどう関わっていくことで、聖母を象った拷問具である『鋼鉄の処女』へとなっていくのでしょうか。
処刑人となったエラの運命を重ね合わせると、色々な想像が及びます。
これまでじっくりと積み上げたエラたちの過酷で残酷、しかし美しく逞しかった1年間の戦いと結束。
それが加速度を増して運命に導かれ最高潮へ向かう第5巻。
次巻が大増量7話収録の最終巻になる、と作者のアナウンスが巻末にあります。今から傑作の予感。
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辺獄のシュヴェスタ(5) (ビッグコミックス) Kindle版
16世紀神聖ローマ帝国。
魔女狩りで天涯孤独となった少女・エラは
「魔女の子供達」を集めた女子修道院に収容された。
仲間達との友情をあたためて
穏やかな感情を覚えたエラだが、
処刑人となる“栄誉”を授かってしまう。
そして――友との日々にも新たな試練が…!?
魔女狩りで天涯孤独となった少女・エラは
「魔女の子供達」を集めた女子修道院に収容された。
仲間達との友情をあたためて
穏やかな感情を覚えたエラだが、
処刑人となる“栄誉”を授かってしまう。
そして――友との日々にも新たな試練が…!?
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2017/2/10
- ファイルサイズ53468 KB
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登録情報
- ASIN : B01MYH6BSE
- 出版社 : 小学館 (2017/2/10)
- 発売日 : 2017/2/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 53468 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
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- 付箋メモ : 有効になっていません
- 本の長さ : 195ページ
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネタバレ有、ご注意願います。
エラの強さや聡明さは相変わらず魅力的。昨今強いヒロインは珍しくありませんが、これだけ一貫して存在の際立ったヒロインはそうそう見かけないように思います。
加えて一位生の救出、修道会の陰謀、コルドゥラの最期と見所も盛り沢山です。また終盤ではヒルダが大きな行動に出ます。愚鈍なお荷物から少しずつ脱却し、懸命に強くなってきた彼女が一体どうなるのかハラハラしております。
それにしても次が最終巻とは思えない展開です(まだ二位生ですし)。
どう伏線回収してくるのかという期待感と、もう数巻分はじっくり読みたかった名残惜しさが入り交じっています。
そういえば既刊のあるシーンから暫くの間、エラの右目に変化がありましたが、あれも鋼鉄の処女の顔と関係があるのでしょうか…?
想像を巡らせつつ次巻を待ちます。
エラの強さや聡明さは相変わらず魅力的。昨今強いヒロインは珍しくありませんが、これだけ一貫して存在の際立ったヒロインはそうそう見かけないように思います。
加えて一位生の救出、修道会の陰謀、コルドゥラの最期と見所も盛り沢山です。また終盤ではヒルダが大きな行動に出ます。愚鈍なお荷物から少しずつ脱却し、懸命に強くなってきた彼女が一体どうなるのかハラハラしております。
それにしても次が最終巻とは思えない展開です(まだ二位生ですし)。
どう伏線回収してくるのかという期待感と、もう数巻分はじっくり読みたかった名残惜しさが入り交じっています。
そういえば既刊のあるシーンから暫くの間、エラの右目に変化がありましたが、あれも鋼鉄の処女の顔と関係があるのでしょうか…?
想像を巡らせつつ次巻を待ちます。
2017年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなにもゾクゾクする漫画は久々です。
言葉では言い表せません。
グロテスクな表現や、場面があったりしますが、ホラーではないですし、
人が誰しも感じたことがある嫉妬、恨み、妬み、どうしようもないこと、他人を許すこと、受け入れること、
それが見事に描かれています。
主人公のエラのような人間は実在しませんが、
こんな人間が居たら今の日本はもっと良くなるのかも。
強く、気高く、それでいて弱い。
弱いからこそ強さがより一層輝く、と言うのでしょうか。
人間が憧れる姿がこの漫画にはあります。
最終巻、どうなるのか本当にたのしみです。
言葉では言い表せません。
グロテスクな表現や、場面があったりしますが、ホラーではないですし、
人が誰しも感じたことがある嫉妬、恨み、妬み、どうしようもないこと、他人を許すこと、受け入れること、
それが見事に描かれています。
主人公のエラのような人間は実在しませんが、
こんな人間が居たら今の日本はもっと良くなるのかも。
強く、気高く、それでいて弱い。
弱いからこそ強さがより一層輝く、と言うのでしょうか。
人間が憧れる姿がこの漫画にはあります。
最終巻、どうなるのか本当にたのしみです。
2017年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この巻でついに話は分かれ道に差し掛かりました。
別れの描写がとても緻密に描かれていて、心に残ります。
毎回次がどんな話になるのかが簡単に読めず、手が止まりませんでした。
エラ達ひとりひとりがそれぞれ意思を持って、機転を働かせる姿が素晴らしいです。
次巻はエラとクリームとの対決ですが、どういった結果が待っているのか楽しみです。
別れの描写がとても緻密に描かれていて、心に残ります。
毎回次がどんな話になるのかが簡単に読めず、手が止まりませんでした。
エラ達ひとりひとりがそれぞれ意思を持って、機転を働かせる姿が素晴らしいです。
次巻はエラとクリームとの対決ですが、どういった結果が待っているのか楽しみです。
2017年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一巻を無料公開しているのをたまたま見つけてそこからドハマり。書き下手なので書物のレビュー書くのは今まで控えていましたが、内容に関してのレビューは他の方のレビューにお任せして、人間として生まれたなら貫き通すべき最も重要なことが作中にちりばめられています。この漫画が読めるだけで人生得したと言えましょう。
2017年2月10日に日本でレビュー済み
待ちに待った第5巻です。やはり読み応えがあって良い!面白い!
今回も彼女らは多くの苦難に見舞われ、いくつもの選択を迫られます。
4巻終盤でもほのめかされていたことの答えがこの巻で読むことができ、
”片目の鋼鉄の処女”の出自に関して垣間見ることが出来る巻でもあります。
※この先、若干ネタバレ注意 かも・・・?
~前巻のあらすじと今巻をふわっと~
エラ達は冬に向けて食料を蓄えていく
上級生コルドゥラの協力や 新たな発見もあり 備えは万全となった
しかし 冬を目前に 彼女らは目の前で それらを奪われてしまう
それでも 彼女らは屈しない 「まだ私たちは生きている」 と 決意を胸に 一方で
誰しもが もう間に合わないことを予感した
打ちひしがれながらも 彼女らは必死に冬を越える策を探す
それぞれが奔走する中 時を選ぶことなく選択の時 は訪れる
彼女らは 自身で下した決断に 何を思うのか・・・
以下細かい点
この巻には5話分が収録されていますが、冬(秋かも・・・?)の話は短く、二つ目の話でもう春へと場面が変わります。
この巻での割合的に短く感じやすいかもしれませんが、もう冬がすぐそこまで来ているという展開を考えれば、むしろ長々やる方が違和感があるかもしれません。それでも若干短いと思う巻は否めませんが、酷いレベルではなく、もう少し長くても良かったかも・・・?というくらいです。
また、春には新たな妹達(シュベスタ)が大勢連れてこられ、姉となった主人公たちは何とか犠牲者を減らそうと尽力します。
しかし、それは下手をすれば自分の首を絞めることにもなりかねないリスクともとれますし、彼女らの目的や自身の安全を考えれば、放っておくべきだと思うかたもいらっしゃるのではと思います。
彼女らは、修道院の異常な(何をしても神の意思として正当化される)状態から抜け出すために戦っているのであり、その根底には教会のやっていることは間違っているという思いがあるはずです。
助けられるかもしれない相手を見ても何も考えずに、仕方ないと切り捨てるのは楽ですし安全ですが、それは彼女らが敵対している教会のやりかたに屈する(教会と同じ事をしてしまう)に等しい行為です。彼女ら(特にエラは)がそれを良しとしていれば、この物語は始まらなかったでしょう。
だから、彼女らがリスクを負っても助けられるならば最善を尽くして助けようとするし、助けられないと思っても、ギリギリまで助けられる方法を模索することは不思議ではないと思います。
とはいえ、それで助ける相手の中には、若干「え、コイツを?」感がある者もいるかもしれません(作中も若干揺らいでましたし)
しかしこれも、助ける基準を価値・利益で判断し始めたら、それこそ神の意思による価値基準で残虐なことを正当化している教会と同じ事をすることになる・・・とも考えられます。そもそも、彼女らが正しくあろうとする少女であることを考えれば、助けたいと考えること事態は別に不自然でもないかなとも思います。
画力については、少しずつ達者になってきていると思いますが、泣き顔や、髪形の変化でたまにキャラが見分けずらくなる事があります。
私はこの巻で出てきたヴィルケ審問官がパッと見、別の新キャラかと思ってしまいました。
まぁ、このキャラは若干名前の印象が薄いというのもありましたし、泣き顔のシーンなどは大概は会話と、それまでの流れで問題なく分かるので、人によってはもしかしたら位のものだと思います。
余談ですが、たまに間が長くて前の巻の内容を忘れるからダメという意見もありますが、そういう方は雑誌で読む方が良いかもしれません。より早く読めますし、まぁ、そもそも読み返せば問題ないはずなので、それはもう個人の問題だと思います。
少なくとも、何度も読み返せる面白さがある作品だと私は信じています。
今回も彼女らは多くの苦難に見舞われ、いくつもの選択を迫られます。
4巻終盤でもほのめかされていたことの答えがこの巻で読むことができ、
”片目の鋼鉄の処女”の出自に関して垣間見ることが出来る巻でもあります。
※この先、若干ネタバレ注意 かも・・・?
~前巻のあらすじと今巻をふわっと~
エラ達は冬に向けて食料を蓄えていく
上級生コルドゥラの協力や 新たな発見もあり 備えは万全となった
しかし 冬を目前に 彼女らは目の前で それらを奪われてしまう
それでも 彼女らは屈しない 「まだ私たちは生きている」 と 決意を胸に 一方で
誰しもが もう間に合わないことを予感した
打ちひしがれながらも 彼女らは必死に冬を越える策を探す
それぞれが奔走する中 時を選ぶことなく選択の時 は訪れる
彼女らは 自身で下した決断に 何を思うのか・・・
以下細かい点
この巻には5話分が収録されていますが、冬(秋かも・・・?)の話は短く、二つ目の話でもう春へと場面が変わります。
この巻での割合的に短く感じやすいかもしれませんが、もう冬がすぐそこまで来ているという展開を考えれば、むしろ長々やる方が違和感があるかもしれません。それでも若干短いと思う巻は否めませんが、酷いレベルではなく、もう少し長くても良かったかも・・・?というくらいです。
また、春には新たな妹達(シュベスタ)が大勢連れてこられ、姉となった主人公たちは何とか犠牲者を減らそうと尽力します。
しかし、それは下手をすれば自分の首を絞めることにもなりかねないリスクともとれますし、彼女らの目的や自身の安全を考えれば、放っておくべきだと思うかたもいらっしゃるのではと思います。
彼女らは、修道院の異常な(何をしても神の意思として正当化される)状態から抜け出すために戦っているのであり、その根底には教会のやっていることは間違っているという思いがあるはずです。
助けられるかもしれない相手を見ても何も考えずに、仕方ないと切り捨てるのは楽ですし安全ですが、それは彼女らが敵対している教会のやりかたに屈する(教会と同じ事をしてしまう)に等しい行為です。彼女ら(特にエラは)がそれを良しとしていれば、この物語は始まらなかったでしょう。
だから、彼女らがリスクを負っても助けられるならば最善を尽くして助けようとするし、助けられないと思っても、ギリギリまで助けられる方法を模索することは不思議ではないと思います。
とはいえ、それで助ける相手の中には、若干「え、コイツを?」感がある者もいるかもしれません(作中も若干揺らいでましたし)
しかしこれも、助ける基準を価値・利益で判断し始めたら、それこそ神の意思による価値基準で残虐なことを正当化している教会と同じ事をすることになる・・・とも考えられます。そもそも、彼女らが正しくあろうとする少女であることを考えれば、助けたいと考えること事態は別に不自然でもないかなとも思います。
画力については、少しずつ達者になってきていると思いますが、泣き顔や、髪形の変化でたまにキャラが見分けずらくなる事があります。
私はこの巻で出てきたヴィルケ審問官がパッと見、別の新キャラかと思ってしまいました。
まぁ、このキャラは若干名前の印象が薄いというのもありましたし、泣き顔のシーンなどは大概は会話と、それまでの流れで問題なく分かるので、人によってはもしかしたら位のものだと思います。
余談ですが、たまに間が長くて前の巻の内容を忘れるからダメという意見もありますが、そういう方は雑誌で読む方が良いかもしれません。より早く読めますし、まぁ、そもそも読み返せば問題ないはずなので、それはもう個人の問題だと思います。
少なくとも、何度も読み返せる面白さがある作品だと私は信じています。
2017年2月11日に日本でレビュー済み
先行するお2人のレビュー、大変参考になりました。
私で3人めのレビューですが、みんな☆5つの評価です。
時代や設定は暗く、場合によっては仲間を処刑するか
自分が処刑されるかもしれません。そんな中でも知恵をしぼり
仲間たちと生き延びる、あるいは罪の無い1位生を逃す、
罪の無い人々を救うエラたちの活躍に目が離せません。
他の方もレビューされているとおり、次巻の6巻で完結と
竹良先生のアナウンスが書かれています。
この巻には生きるための別れがありましたが、悲しい別れも
ありました。
次の巻でも悲しい別れ、そして希望の別れがあるんだろうな
と期待して6巻、楽しみにしています。
私で3人めのレビューですが、みんな☆5つの評価です。
時代や設定は暗く、場合によっては仲間を処刑するか
自分が処刑されるかもしれません。そんな中でも知恵をしぼり
仲間たちと生き延びる、あるいは罪の無い1位生を逃す、
罪の無い人々を救うエラたちの活躍に目が離せません。
他の方もレビューされているとおり、次巻の6巻で完結と
竹良先生のアナウンスが書かれています。
この巻には生きるための別れがありましたが、悲しい別れも
ありました。
次の巻でも悲しい別れ、そして希望の別れがあるんだろうな
と期待して6巻、楽しみにしています。