表題曲は聞き始めの2秒で誰しもが胸キュンソングと理解できるのがまず素晴らしいのですが、映像なしで聞けば聞くほどに、メロディーの美しさ、音色の多彩さ、ラストサビのベースの亀田節、アウトロ直前の「女の子は誰でも」に通じる仕掛け、そしてギターの存在感…と、徐々にたくさんのことに気づいていく所が輪をかけて素晴らしいです。
とくにギターは、音量、音質、スケールなどが、とにかく普通でなく、プロの作るいわゆるきれいなJPOPでは、このようなバランスで世に出ることは、まずないはずです。しかしながらそのノイズのような尖った部分は、赤い公園のアイデンティティーであるだけでなく、JPOPとして実は本当に大切なことだったりするわけです。
このバンドの異様なほどの振れ幅は、ひとえに津野氏の非凡な才能と、それを最大限に出力できるメンバーという奇跡がなせる技であり、さらにその振れ幅こそヒトとして自然なことだと訴えかけてくるようです。スビッツやベボベなどの大御所バンドから羨ましがられるのはとても納得できることですね。
常に最新作が最高傑作であるこのバンドのことですから、闇夜に提灯、放蕩を入れた4曲をリピートしてjourneyへの期待を、高めようではありませんか。