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新潮 2017年 04月号 雑誌 – 2017/3/7
【長篇300枚一挙掲載】 又吉直樹 「劇場」
▼創作 芳川泰久「やよいの空に」/大城立裕「B組会始末」
▼対談 黒川創+加藤典洋 「『岩場の上から』から見えたもの」
▼書評 いしいしんじ 「村上春樹『騎士団長殺し』論」
▼創作 芳川泰久「やよいの空に」/大城立裕「B組会始末」
▼対談 黒川創+加藤典洋 「『岩場の上から』から見えたもの」
▼書評 いしいしんじ 「村上春樹『騎士団長殺し』論」
商品の説明
この雑誌について
クオリティの高さをこだわり続ける文芸誌
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
劇場は又吉が睡眠時間を削って渾身の力を絞って書いた恋愛小説だった。主人公の永田は脚本家志望で劇団を主催する貧しい文学青年で、恋人の沙希は大学で服飾を学び、演劇も取り組む学生であった。収入の少ない永田は沙希の家に上がり込み、二人は同棲生活をはじめる。ここまでは普通のラブストーリーだ。この小説のオリジナリティーは永田、沙希、劇団員との人間関係の面白さを上手く表現していることにある。山場は前半にある。鍵穴という作品をアドリブで演じる内容だが、観客の鍵から鍵穴をイメージし、その生活を演じるという難しい作品の上映に失敗し、劇団員三名が永田の作品を時代遅れと一方的に非難し辞めていき、別な劇団を立ち上げる。この時永田には劇団員からの一方的な非難に対し返す言葉がなかった。練習ではなかなか面白い演出ができたのに、本番ではどうして上手く表現出来なかったのかと、逆に劇団員に反省を求めてもよかったのではないか?永田の脚本力不足にではなく、劇団員の表現力不足が失敗の原因だったのではないか?このように永田が反論できなかったのは永田自身の自信のなさからきている。そのくせ虚栄心と独占欲だけは人一倍強い。これでは沙希も永田についていけない。劣等感と見栄のかたまりが本作の主人公永田だ。このような情けなく切なく、やるせない見栄っぱり男を創出できたことはニ作目の大きな成果であろう。また主人公が前作は芸人として、本作は劇作家としてそれなりに才能ある男を登場させている点もよい。才能とは経験によって磨かれていくもの。著者も芸人として、作家として経験を積んで才能を伸ばしてほしい。このニ作目は成功と評価したい。継続は力なり。三作目も期待したい。
2017年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
激しく屈折しているけど、自分は天才だと思って、思い上がって、
周囲の人達とも摩擦を起こしてしまう。一目惚れした彼女を
ストーキング。最後もまた、ストーキングのような終わり方というと
語弊があるかな?さださんの「道化師のソネット」のサビの一節みたいだけど
成功してないので哀しくもアホらしい。
『火花』は最初から最後まで、一気に読んでしまい、
己を掘り下げてゆく深くて暗いところも孤独が描けていて好ましかったのですが
『劇場』は正直言って途中でうんざりしてしまいました。
とにかく一つ一つの文章が長すぎて読みにくい。芥川賞作家を意識してのことかしら。
また、この永田という男はどうにも理解できません。キャラに一貫性がないからか。
「せやな」というセリフが出てくるたびになぜか又吉さんの顔がチラつく。
その度に主人公との齟齬が生じてしまう(嫉妬深く他者に攻撃的なところ)
エンディングは男性が読むと切ないのでしょうが、私にはキモいだけでした。
ナニこのしつこさ?
又吉さん、否、永田にとっての女って優しくて純粋なだけなのでしょうか?
途中で沙希が「わたし、お人形さんじゃないよ」というのですが、
(これは沙希の本音であり大切な心の声)
--それまで沙希の口から聞いたことのないような冷たい声だった
と、永田に言わせています。切ないといえばこのあたりでしょうか。
その後沙希は永田から距離を置くようになります。
チョット酷評気味になりましたが、こういう自虐小説が好きなひとにはお勧めデス。
また、又吉さんならではの人生訓のような言葉が所々あり、そこはきらりと光るものがある。
創作なのかと思いましたがやはり2作目も私小説なのでしょうね。
追記
エッセイは読みやすいのかと思い『第2図書係補佐』を読んでびっくり。
『杳子』の章に書いてある彼女との出会いの場面が『劇場』と酷似しています。
そしてこちらはたったの4ページなのに、しっかり理解もでき、心にズンと響くものがありました。
沙希との別れも含めてです。こちらを読んで良かったです。
周囲の人達とも摩擦を起こしてしまう。一目惚れした彼女を
ストーキング。最後もまた、ストーキングのような終わり方というと
語弊があるかな?さださんの「道化師のソネット」のサビの一節みたいだけど
成功してないので哀しくもアホらしい。
『火花』は最初から最後まで、一気に読んでしまい、
己を掘り下げてゆく深くて暗いところも孤独が描けていて好ましかったのですが
『劇場』は正直言って途中でうんざりしてしまいました。
とにかく一つ一つの文章が長すぎて読みにくい。芥川賞作家を意識してのことかしら。
また、この永田という男はどうにも理解できません。キャラに一貫性がないからか。
「せやな」というセリフが出てくるたびになぜか又吉さんの顔がチラつく。
その度に主人公との齟齬が生じてしまう(嫉妬深く他者に攻撃的なところ)
エンディングは男性が読むと切ないのでしょうが、私にはキモいだけでした。
ナニこのしつこさ?
又吉さん、否、永田にとっての女って優しくて純粋なだけなのでしょうか?
途中で沙希が「わたし、お人形さんじゃないよ」というのですが、
(これは沙希の本音であり大切な心の声)
--それまで沙希の口から聞いたことのないような冷たい声だった
と、永田に言わせています。切ないといえばこのあたりでしょうか。
その後沙希は永田から距離を置くようになります。
チョット酷評気味になりましたが、こういう自虐小説が好きなひとにはお勧めデス。
また、又吉さんならではの人生訓のような言葉が所々あり、そこはきらりと光るものがある。
創作なのかと思いましたがやはり2作目も私小説なのでしょうね。
追記
エッセイは読みやすいのかと思い『第2図書係補佐』を読んでびっくり。
『杳子』の章に書いてある彼女との出会いの場面が『劇場』と酷似しています。
そしてこちらはたったの4ページなのに、しっかり理解もでき、心にズンと響くものがありました。
沙希との別れも含めてです。こちらを読んで良かったです。
2018年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここまで惨めで、情けなくて、残酷でどうしようもない永田という男性像を描いた又吉さん。まるで復讐するように。
でも、なぜかかっこいい。
最後の猿のお面の下では泣いているんだろうと勝手に想像した。でも沙稀を笑わせる事が自分の使命のようで、二人がとても哀しくて愛しくて。
又吉さん。よく描き切ったなと思った。
又吉文学は更に期待してるので、希望を残して星4つです。
でも、なぜかかっこいい。
最後の猿のお面の下では泣いているんだろうと勝手に想像した。でも沙稀を笑わせる事が自分の使命のようで、二人がとても哀しくて愛しくて。
又吉さん。よく描き切ったなと思った。
又吉文学は更に期待してるので、希望を残して星4つです。
2017年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心が、
惨めと、
言っている。
おじさんとしては
チューリップや浜田省吾の
ラブソングを連想させる珠玉の恋愛小説だと思う。
「劇場」というより「小説」と読み違えたい。
兎に角、二度ほど、不覚にもウルウルしてまいった。
惨めと、
言っている。
おじさんとしては
チューリップや浜田省吾の
ラブソングを連想させる珠玉の恋愛小説だと思う。
「劇場」というより「小説」と読み違えたい。
兎に角、二度ほど、不覚にもウルウルしてまいった。
2017年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここにレビューを書く多くの人たちと同じように私も今号の収録作を期待して読みました。
たたかれるのを覚悟で感想を書くのであれば、「火花」の先輩・・・そんなに魅力的?
今回の「劇場」の主人公・・・どこが魅力的?典型的ストーカーチックだめ男じゃん。
基本的に自分に才能があることを疑わずそんな自分に常に酔っている勘違いなかまってちゃんな男。
そんなだめ男が好きな女性も確かにいるのかもね。
村上春樹の論理を越えた女を寄せ付ける「やれやれ」感を、暗くネガティブな感じを醸しつつも焼き直しただけではないかな。
こういう俺だけ悩んでる男って、これから流行るのかな。
自分のせいで一人の女性が不幸になっていく。ああ自分って罪深い。
読後感は太宰のヴィヨンの妻を思わせた。ただし視点がたよりがいのあるさっちゃんじゃなくて情けない男の方であり。
少し村上春樹にも影響を受けたテイスト。(個人の感想なので異論は認める)
とりあえず出だしの5行を匿名で読ませて、文芸雑誌に載るレベルか聞いてみよう。多分ほとんどの人たちがませた中学生が書いたと言うだろう。
結末の辺りは私は気持ち悪くてホラーを読んでいるかのようでした。あそこで共感できる人はいい読者なのでしょう。
たたかれるのを覚悟で感想を書くのであれば、「火花」の先輩・・・そんなに魅力的?
今回の「劇場」の主人公・・・どこが魅力的?典型的ストーカーチックだめ男じゃん。
基本的に自分に才能があることを疑わずそんな自分に常に酔っている勘違いなかまってちゃんな男。
そんなだめ男が好きな女性も確かにいるのかもね。
村上春樹の論理を越えた女を寄せ付ける「やれやれ」感を、暗くネガティブな感じを醸しつつも焼き直しただけではないかな。
こういう俺だけ悩んでる男って、これから流行るのかな。
自分のせいで一人の女性が不幸になっていく。ああ自分って罪深い。
読後感は太宰のヴィヨンの妻を思わせた。ただし視点がたよりがいのあるさっちゃんじゃなくて情けない男の方であり。
少し村上春樹にも影響を受けたテイスト。(個人の感想なので異論は認める)
とりあえず出だしの5行を匿名で読ませて、文芸雑誌に載るレベルか聞いてみよう。多分ほとんどの人たちがませた中学生が書いたと言うだろう。
結末の辺りは私は気持ち悪くてホラーを読んでいるかのようでした。あそこで共感できる人はいい読者なのでしょう。
2017年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説に文句を言ってもしょうがないのだが
主人公に共感できなかった。
沙希ちゃんのようないい子は現実世界
そうそういないだろうが、そんなできた子を
容赦なく泣かせるクズっぷりが理解できない。
読んでいて悲しくなりました。
一人の天真爛漫な娘をぶっ壊すお話デス。
相変わらずの気持ち悪い主人公の考え方は
作者のお家芸なのだろうが、長編だけあって
くどく感じた。
まあその気持ち悪い芸風が作者の特徴なのだが
それはそれでも、もうちょっと沙希ちゃんにやさしく
して欲しかったなー。人間らしく
この恋愛は成立しないと思う。
p.s.光熱費くらい払え
主人公に共感できなかった。
沙希ちゃんのようないい子は現実世界
そうそういないだろうが、そんなできた子を
容赦なく泣かせるクズっぷりが理解できない。
読んでいて悲しくなりました。
一人の天真爛漫な娘をぶっ壊すお話デス。
相変わらずの気持ち悪い主人公の考え方は
作者のお家芸なのだろうが、長編だけあって
くどく感じた。
まあその気持ち悪い芸風が作者の特徴なのだが
それはそれでも、もうちょっと沙希ちゃんにやさしく
して欲しかったなー。人間らしく
この恋愛は成立しないと思う。
p.s.光熱費くらい払え
2019年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味本意で買ってしまった本です。中身はまぁまぁでした。
2017年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おそらく購入した目的は、「劇場」と思いますので、この感想を書きます。
「火花」と舞台背景・人物相関図があまりにも似通っていて、続編のような印象がした。一読者としてですが、いっそ思い切って変化したものが読みたかった。
終わり方は苦労のあとがうかがえ、今回は反対にオーソドックスな感が否めないが、もうすこしふくらましてもよかったのでは? 舞台描写はより詳細に、また専門用語も随所に入れて描いた方が奥行きが出るのでは? とまれ 一番の収穫は、これからの又吉さんの活躍を期待できる後読感が あったこと。 好きな(ー応援したいー)小説家の一人になりました。 おすすめです。
「火花」と舞台背景・人物相関図があまりにも似通っていて、続編のような印象がした。一読者としてですが、いっそ思い切って変化したものが読みたかった。
終わり方は苦労のあとがうかがえ、今回は反対にオーソドックスな感が否めないが、もうすこしふくらましてもよかったのでは? 舞台描写はより詳細に、また専門用語も随所に入れて描いた方が奥行きが出るのでは? とまれ 一番の収穫は、これからの又吉さんの活躍を期待できる後読感が あったこと。 好きな(ー応援したいー)小説家の一人になりました。 おすすめです。