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月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫) Kindle版
宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女の物語。
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。
共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。
その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。
厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。
「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」
イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。
上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。
共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。
その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。
厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。
「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」
イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。
上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2016/12/25
- ファイルサイズ11732 KB
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登録情報
- ASIN : B01NAKPOZ4
- 出版社 : 小学館 (2016/12/25)
- 発売日 : 2016/12/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 11732 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 286ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 126,589位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 323位ガガガ文庫
- - 15,500位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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愛知県岡崎市出身/東京在住。
脚本家・小説家・ゲームシナリオライター 。
小説、ライトノベル以外に、実写ドラマ、映画、ゲームなど多数執筆。
公式サイト
http://makino.strikingly.com/
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2022年1月2日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
月に向かうという大きな目標に向かって頑張ってるのに感動した アニメもしてた お勧めです

月に向かうという大きな目標に向かって頑張ってるのに感動した アニメもしてた お勧めです
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて手に取る作家さんだけど、購読にはそれほど迷わなかった。
タイトルだけで読ませるパワーを持つ作品、というのが稀にあるが本作もその一つ。
「月」、「ライカ」、「吸血姫」とどこをどう結び付けたら話が出来上がるのか皆目見当が付かないお題で
一体どんな「三題噺」を読ませてくれるのか期待しつつ拝読。
物語の舞台は50~60年代の米ソが宇宙開発競争で鎬を削っていた時代を模したと思われる世界。
世界を二分する大国、ツィルニトラ共和国連邦とアーナック連合王国が「人類初の有人宇宙飛行」を
実現しようと先を争う中、共和国の最高指導者ゲルギエフ第一書記の肝いりである「ミェチタ計画」が発動。
ミェチタ計画の重要拠点でありながら地図にない町「ライカ44」で暮らす空軍中尉・レフ・レプスは
ある日指導教官であるヴィクトール中将から呼び出しを受ける。
人類史上初めて犬を宇宙に送った「パールスヌイ1号」を設計した天才・スラヴァ・コローヴィンの
直々の呼び出しと中将から告げられたレフは震え上がる。
春に採用されながら、夏にちょっとした事件を起こしたことで有人宇宙飛行のパイロット候補から
補欠へと格下げとなったレフはいよいよクビかと怯えながらコローヴィンの元に向かう。
出頭したレフを前にしたコローヴィンは政府中央委員会が
「有人宇宙飛行成功の暁は軌道に乗った直後に国営放送でその偉業を発表せよ」と
犬を飛ばすのがやっとの状況を踏まえれば無茶としか言えない決定を通達してきた事を明かす。
唖然とするレフだったが、コローヴィンの「同志は吸血鬼を知っているか?」という次の質問で更に唖然とする。
レフが知っている吸血鬼と言えば、伝説上の怪異ともう一つ、共和国の西隣に位置しながら
大戦中の敵陣営の侵攻で国家が崩壊したリリット国の辺境・アニヴァル村に住む吸血種族の事だった。
宇宙開発と吸血鬼の関係が分からず戸惑うレフにコローヴィンは極秘の決定と前置きした上で
人類の前に吸血鬼を実験体として無重力空間へと送り込む「ノスフェラトゥ計画」を決定した事を告げる。
人類初は祖国の人民でなければならないが、極めて人類に近い吸血鬼であれば実験には適役であり、
同時に「人類ではないから人類初とは認定されない」という極めて身勝手なロジックの上で実験体とされた
吸血鬼に同情しそうになったレフだったが、コローヴィンが最終的にレフに伝えた役割、それは
「打ち上げまでの間、実験体の監視と訓練の付き合い、すなわちマネージャーを務めてもらう」という物だった。
幼い頃に散々怪談を聞かされ、恐怖の対象でしかない吸血鬼の元へと案内すると言われ震えるレフだったが、
人間用の独房に連れてこられたレフの前に姿を現したのは狭い部屋の中、軍服を着た黒髪の少女。
棺桶に腰掛けたまま軌道力学の本を読んでいたイリナ・ルミネスクというその少女は素っ気ない態度を崩そうとしないまま
レフと共同生活を送りながら宇宙を目指した真夜中の訓練の日々を送る事になるが…
また珍しい時代・舞台に目を付けたなあ、と序盤から驚かされた。
宇宙開発競争の時代を扱った小説なんて今年で丁度公開から30年を迎える「オネアミスの翼」ぐらいしか
記憶にないのだが、更に舞台を秘密主義・全体主義の支配する旧ソ連を模した国にするとは更に意外。
旧ソ連風の国を舞台にしたラノベと言えば石川博品の「耳狩ネルリ」シリーズぐらいかと。
タイトルだけで「一体どんな話なのか?」と興味を惹かれたが、その勘は満更外れてなかった。
しかも読み進めてみればこれが、ライトノベルの王道であるボーイ・ミーツ・ガールなのだから二重に驚き。
話の方は吸血鬼を実験体としてロケットに乗り込ませるという人道が欠片も感じられない計画で
当の実験体として選ばれた吸血鬼の少女・イリナのマネージャーに選ばれた空軍中尉のレフが
「対象は人間ではなくモノと見做せ」という上層部の指示や吸血鬼であるイリナと宇宙パイロットの「補欠」から
吸血鬼のマネージャーにまで落とされた自分への偏見や軽蔑に戸惑いながら「人間なんて嫌い」と
愛想の欠片も無い態度を取るイリナに接しているうちに彼女の孤独や月への想いを知るに至り、
一人の年頃の少女と変わらぬ接し方をする様になる中、イリナの成功を目指して訓練に邁進する…
と言うのが主な流れ。
ベースにあるテーマはもろに「人種差別」。
宗教が利用してきた怪異譚で伝えられてきた吸血鬼の汚らわしいイメージを疑おうともせず
十七歳のあどけなさが残る少女に実験動物に向ける酷薄な態度を崩そうともしない高官たちや、
「吸血鬼風情が人類に先駆けて宇宙へ行くなど烏滸がましい」と偏見混じりの敵意を向ける
パイロット候補生たちの冷たい仕打ちを受け続けるイリナを農村出身で朴訥そのものだが、
正義感が強く曲がった事が許せない性格が災いして高官の息子に歯向かい「補欠」に追いやられた
落ちこぼれパイロットのレフだけがイリナを「一人の人間」として認め、厳しい訓練の日々を送る中、
何とか守り、彼女が無事に地球に戻ってこれるまで育てようとする姿が繰り返し描かれる。
最初は偏見に晒され続けた事で人間に対する頑なな態度を崩さなかったイリナが
時にレフと訓練で張り合い、時には思わぬ弱点を晒してしまい、人間臭さを隠せなくなる中で
次第に氷が解ける様に頑なな姿勢を崩してレフに打ち解けた態度で接し始める辺りで
まさに「ボーイ・ミーツ・ガールで最高なのはこのヒロインがデレていく過程だよな」と再認識。
このイリナの頑なさが解けていく過程のスピードが遅からず、早からずで実に良い塩梅。
訓練が進んでいく中、迎えた休日にジャズバーに続けて夜のスケートリンクに二人で繰り出し、
無邪気な姿を見せるイリナの姿を描いた辺りで最高潮に達した直後に…思い切り蹴落とす!
この話の運びの巧さが素晴らしい!
訓練の中で「実験体」である自分にとって一番見たくなかったモノを見せつけられて
イリナが精神と身体のバランスを崩す中、様々な謀略と「運送屋」と呼ばれる秘密警察が暗躍する
共和国の暗部に巻き込まれた事でイリナの乗るロケットが一気にリスクを増し、信頼するレフと
別れ別れになったまま打ち上げの日を迎えて一気に話はクライマックスへ…ここまで話のテンポは最高!
打ち上げそのものがどうなったか、それは読んでのお楽しみ。
ただ、うーん、終盤が意外なほどにあっさりし過ぎていたかな、と。
ここはちょっとだけ惜しかった。
尺の関係なのかもしれないが、出来ればレフの一人語りで終わらせるのではなく
もうちょっとだけイリナとのやり取りを増やして欲しかったかな、と惜しまれてならない。
特に宇宙でイリナが語った事や互いが認め合っていた辺りをもうちょっと描いてほしかったな、と。
あと、サブキャラであるパイロット候補生たちが途中でフェイドアウトしてしまい、あまり掘り下げて描かれなかった点や
宇宙開発のライバルである連合王国の事情も序盤で秘密部隊みたいな組織の存在を匂わせていた割りに
劇中でほとんど語られなかったのも若干のマイナス要素(そこまで描いたら単巻に収まらないか?)
ライトノベルではあまり見かけない意外性たっぷりの時代や舞台を選んだ作者のセンスや
イリナとレフが打ち解け合っていく過程を進める話の運びの塩梅、クライマックスまでの盛り上げの巧さは
見事というべきで話にダレが全く感じられなかった。
終盤があっさりし過ぎていた部分とサブキャラの掘り下げの甘さで星を一つ減らさなければならないのは辛いが、
それでも十分に「読まずにおくのは惜しい」と堂々とお勧めできる一冊。
王道のボーイ・ミーツ・ガールを最近あまり読んでないな、という方には必読の書!
2017年1月5日追記
作者である牧野圭祐氏によれば、単巻で読める作りにしたので誤解されがちだが、
次巻以降の構想も練っておられるとの事で、ラスト近辺のあっさり感も納得。
この巻だけでは不足気味だったサブキャラの掘り下げも含めて次巻に大いに期待。
タイトルだけで読ませるパワーを持つ作品、というのが稀にあるが本作もその一つ。
「月」、「ライカ」、「吸血姫」とどこをどう結び付けたら話が出来上がるのか皆目見当が付かないお題で
一体どんな「三題噺」を読ませてくれるのか期待しつつ拝読。
物語の舞台は50~60年代の米ソが宇宙開発競争で鎬を削っていた時代を模したと思われる世界。
世界を二分する大国、ツィルニトラ共和国連邦とアーナック連合王国が「人類初の有人宇宙飛行」を
実現しようと先を争う中、共和国の最高指導者ゲルギエフ第一書記の肝いりである「ミェチタ計画」が発動。
ミェチタ計画の重要拠点でありながら地図にない町「ライカ44」で暮らす空軍中尉・レフ・レプスは
ある日指導教官であるヴィクトール中将から呼び出しを受ける。
人類史上初めて犬を宇宙に送った「パールスヌイ1号」を設計した天才・スラヴァ・コローヴィンの
直々の呼び出しと中将から告げられたレフは震え上がる。
春に採用されながら、夏にちょっとした事件を起こしたことで有人宇宙飛行のパイロット候補から
補欠へと格下げとなったレフはいよいよクビかと怯えながらコローヴィンの元に向かう。
出頭したレフを前にしたコローヴィンは政府中央委員会が
「有人宇宙飛行成功の暁は軌道に乗った直後に国営放送でその偉業を発表せよ」と
犬を飛ばすのがやっとの状況を踏まえれば無茶としか言えない決定を通達してきた事を明かす。
唖然とするレフだったが、コローヴィンの「同志は吸血鬼を知っているか?」という次の質問で更に唖然とする。
レフが知っている吸血鬼と言えば、伝説上の怪異ともう一つ、共和国の西隣に位置しながら
大戦中の敵陣営の侵攻で国家が崩壊したリリット国の辺境・アニヴァル村に住む吸血種族の事だった。
宇宙開発と吸血鬼の関係が分からず戸惑うレフにコローヴィンは極秘の決定と前置きした上で
人類の前に吸血鬼を実験体として無重力空間へと送り込む「ノスフェラトゥ計画」を決定した事を告げる。
人類初は祖国の人民でなければならないが、極めて人類に近い吸血鬼であれば実験には適役であり、
同時に「人類ではないから人類初とは認定されない」という極めて身勝手なロジックの上で実験体とされた
吸血鬼に同情しそうになったレフだったが、コローヴィンが最終的にレフに伝えた役割、それは
「打ち上げまでの間、実験体の監視と訓練の付き合い、すなわちマネージャーを務めてもらう」という物だった。
幼い頃に散々怪談を聞かされ、恐怖の対象でしかない吸血鬼の元へと案内すると言われ震えるレフだったが、
人間用の独房に連れてこられたレフの前に姿を現したのは狭い部屋の中、軍服を着た黒髪の少女。
棺桶に腰掛けたまま軌道力学の本を読んでいたイリナ・ルミネスクというその少女は素っ気ない態度を崩そうとしないまま
レフと共同生活を送りながら宇宙を目指した真夜中の訓練の日々を送る事になるが…
また珍しい時代・舞台に目を付けたなあ、と序盤から驚かされた。
宇宙開発競争の時代を扱った小説なんて今年で丁度公開から30年を迎える「オネアミスの翼」ぐらいしか
記憶にないのだが、更に舞台を秘密主義・全体主義の支配する旧ソ連を模した国にするとは更に意外。
旧ソ連風の国を舞台にしたラノベと言えば石川博品の「耳狩ネルリ」シリーズぐらいかと。
タイトルだけで「一体どんな話なのか?」と興味を惹かれたが、その勘は満更外れてなかった。
しかも読み進めてみればこれが、ライトノベルの王道であるボーイ・ミーツ・ガールなのだから二重に驚き。
話の方は吸血鬼を実験体としてロケットに乗り込ませるという人道が欠片も感じられない計画で
当の実験体として選ばれた吸血鬼の少女・イリナのマネージャーに選ばれた空軍中尉のレフが
「対象は人間ではなくモノと見做せ」という上層部の指示や吸血鬼であるイリナと宇宙パイロットの「補欠」から
吸血鬼のマネージャーにまで落とされた自分への偏見や軽蔑に戸惑いながら「人間なんて嫌い」と
愛想の欠片も無い態度を取るイリナに接しているうちに彼女の孤独や月への想いを知るに至り、
一人の年頃の少女と変わらぬ接し方をする様になる中、イリナの成功を目指して訓練に邁進する…
と言うのが主な流れ。
ベースにあるテーマはもろに「人種差別」。
宗教が利用してきた怪異譚で伝えられてきた吸血鬼の汚らわしいイメージを疑おうともせず
十七歳のあどけなさが残る少女に実験動物に向ける酷薄な態度を崩そうともしない高官たちや、
「吸血鬼風情が人類に先駆けて宇宙へ行くなど烏滸がましい」と偏見混じりの敵意を向ける
パイロット候補生たちの冷たい仕打ちを受け続けるイリナを農村出身で朴訥そのものだが、
正義感が強く曲がった事が許せない性格が災いして高官の息子に歯向かい「補欠」に追いやられた
落ちこぼれパイロットのレフだけがイリナを「一人の人間」として認め、厳しい訓練の日々を送る中、
何とか守り、彼女が無事に地球に戻ってこれるまで育てようとする姿が繰り返し描かれる。
最初は偏見に晒され続けた事で人間に対する頑なな態度を崩さなかったイリナが
時にレフと訓練で張り合い、時には思わぬ弱点を晒してしまい、人間臭さを隠せなくなる中で
次第に氷が解ける様に頑なな姿勢を崩してレフに打ち解けた態度で接し始める辺りで
まさに「ボーイ・ミーツ・ガールで最高なのはこのヒロインがデレていく過程だよな」と再認識。
このイリナの頑なさが解けていく過程のスピードが遅からず、早からずで実に良い塩梅。
訓練が進んでいく中、迎えた休日にジャズバーに続けて夜のスケートリンクに二人で繰り出し、
無邪気な姿を見せるイリナの姿を描いた辺りで最高潮に達した直後に…思い切り蹴落とす!
この話の運びの巧さが素晴らしい!
訓練の中で「実験体」である自分にとって一番見たくなかったモノを見せつけられて
イリナが精神と身体のバランスを崩す中、様々な謀略と「運送屋」と呼ばれる秘密警察が暗躍する
共和国の暗部に巻き込まれた事でイリナの乗るロケットが一気にリスクを増し、信頼するレフと
別れ別れになったまま打ち上げの日を迎えて一気に話はクライマックスへ…ここまで話のテンポは最高!
打ち上げそのものがどうなったか、それは読んでのお楽しみ。
ただ、うーん、終盤が意外なほどにあっさりし過ぎていたかな、と。
ここはちょっとだけ惜しかった。
尺の関係なのかもしれないが、出来ればレフの一人語りで終わらせるのではなく
もうちょっとだけイリナとのやり取りを増やして欲しかったかな、と惜しまれてならない。
特に宇宙でイリナが語った事や互いが認め合っていた辺りをもうちょっと描いてほしかったな、と。
あと、サブキャラであるパイロット候補生たちが途中でフェイドアウトしてしまい、あまり掘り下げて描かれなかった点や
宇宙開発のライバルである連合王国の事情も序盤で秘密部隊みたいな組織の存在を匂わせていた割りに
劇中でほとんど語られなかったのも若干のマイナス要素(そこまで描いたら単巻に収まらないか?)
ライトノベルではあまり見かけない意外性たっぷりの時代や舞台を選んだ作者のセンスや
イリナとレフが打ち解け合っていく過程を進める話の運びの塩梅、クライマックスまでの盛り上げの巧さは
見事というべきで話にダレが全く感じられなかった。
終盤があっさりし過ぎていた部分とサブキャラの掘り下げの甘さで星を一つ減らさなければならないのは辛いが、
それでも十分に「読まずにおくのは惜しい」と堂々とお勧めできる一冊。
王道のボーイ・ミーツ・ガールを最近あまり読んでないな、という方には必読の書!
2017年1月5日追記
作者である牧野圭祐氏によれば、単巻で読める作りにしたので誤解されがちだが、
次巻以降の構想も練っておられるとの事で、ラスト近辺のあっさり感も納得。
この巻だけでは不足気味だったサブキャラの掘り下げも含めて次巻に大いに期待。
2017年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
爽やかで、綺麗な文章で描かれる物語。十分に一読の価値のある作品。
正直に言えば、若干物足りない部分もあった。作品に倣うなら"レモネードの炭酸が弱い"感じ。
国家、組織内外、種族といった対立構造を強調していた割に、闇から這い出てくるような悪意や、理不尽で卑劣な暴力といった類の悪性がなかった。どれも子猫がじゃれているような感じなので、緊張感の煽り方が物足りない。"ふぇ?伏線じゃないんかーい!"と突っ込むことになるかも知れない。
まぁ多少エンタメ中毒な人間の意見だ。平和に読めるといえばその通りなので、この作品には"丁度いい"と感じる方も多いことだろう。
そこは実際に読んで確かめてみて欲しい。
それに、刺激は弱くても強く印象を与えるものだってある。
宙で口ずさまれる追想ーーあのワンシーンはとても美しく、甘やかで記憶に残った。
終盤はスピード感が出てさっと流してしまうかも知れないが、あそこはじっくり一文一文を堪能して貰いたい。
その後は、もう主人公と一緒に突っ走ってしまっていい。
読了後、温かな想いが胸の内へすっと溶け込んでいくことだけは請け合おうと思う。
正直に言えば、若干物足りない部分もあった。作品に倣うなら"レモネードの炭酸が弱い"感じ。
国家、組織内外、種族といった対立構造を強調していた割に、闇から這い出てくるような悪意や、理不尽で卑劣な暴力といった類の悪性がなかった。どれも子猫がじゃれているような感じなので、緊張感の煽り方が物足りない。"ふぇ?伏線じゃないんかーい!"と突っ込むことになるかも知れない。
まぁ多少エンタメ中毒な人間の意見だ。平和に読めるといえばその通りなので、この作品には"丁度いい"と感じる方も多いことだろう。
そこは実際に読んで確かめてみて欲しい。
それに、刺激は弱くても強く印象を与えるものだってある。
宙で口ずさまれる追想ーーあのワンシーンはとても美しく、甘やかで記憶に残った。
終盤はスピード感が出てさっと流してしまうかも知れないが、あそこはじっくり一文一文を堪能して貰いたい。
その後は、もう主人公と一緒に突っ走ってしまっていい。
読了後、温かな想いが胸の内へすっと溶け込んでいくことだけは請け合おうと思う。
2019年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吸血鬼の女の子イリナが宇宙を目指すお話。というと何のことかサッパリですが、宇宙開発競争をベースにした緩いファンタジー作品みたいな感じです。共和国という組織の閉塞感とか、希望としての宇宙への憧れとか、登場人物を通して表現するのがうまい印象でした。レフはイリナの相棒みたいな立ち位置です。徐々に互いを理解していく感じが、お約束の展開ですが、いい感じに楽しめました。
2018年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終えたとき、深い余韻も名残惜しさも感じませんでした。
読み返すこともないかもしれません。
ただ、読んでいる間はとても楽しめました。
ドライブ中、思いがけずいい景色を見ることができたときのような、爽やかな読了感。
読み返すこともないかもしれません。
ただ、読んでいる間はとても楽しめました。
ドライブ中、思いがけずいい景色を見ることができたときのような、爽やかな読了感。
2018年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界観と発想がとても良かった。
宇宙開発の実験に吸血鬼を採用するという発想はすごい、どうやって思いつくんだこんなの。
ほぼ人間と変わらない種族の吸血鬼なのに理不尽に差別されているという背景はあるが、
主人公とヒロインとの関係値作りがあっさりしてたと思ってたので後半の展開に感情移入しづらかった。
もう少し好感度上げイベントが欲しかったところ。
宇宙開発の実験に吸血鬼を採用するという発想はすごい、どうやって思いつくんだこんなの。
ほぼ人間と変わらない種族の吸血鬼なのに理不尽に差別されているという背景はあるが、
主人公とヒロインとの関係値作りがあっさりしてたと思ってたので後半の展開に感情移入しづらかった。
もう少し好感度上げイベントが欲しかったところ。
2017年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
静かな水面を湛える湖畔の四季の移ろいを描いた様なそんなラノベに私は思えました
月とライカと吸血姫がもし湖なら、どこまでも深く潜ってその湖に身を委ねたい、そうして作品の一部になれたらどんなに幸福だろう
月とライカと吸血姫がもし湖なら、どこまでも深く潜ってその湖に身を委ねたい、そうして作品の一部になれたらどんなに幸福だろう
2023年2月19日に日本でレビュー済み
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マーキュリー計画及びアポロ計画に関して正直そんな詳しい訳じゃないけれど、昔から色々目にしてきた事で通り一遍の事は何となく分かる。その程度の知識でもこの作品が史実を元にして書かれてるのは分かるけれど、故に「何か全く同じ設定で名前だけ変えた話を読んでるみたい」という違和感が拭えない。正直60年代の「吸血鬼のいる」アメリカとソ連て設定で良かったのでは?と思う。元にしている割に宗教観など変に違う所もあるので余計に戸惑う。その辺は若干失礼な言い方だけど、史実の知識が無い人の方が楽しめそう。まぁ別に気にしないてな人もいるでしょうが。
他方吸血鬼モノラノベとして、最後ヒロインの選択は素晴らしいと思った。本能より理性を取ること、それこそ正に人間の証明。最高です。
何だかんだキャラクターは好きなので、舞台を2030年位にして、今作品の子や孫が有人火星探査ミッションに頑張る話なんてのあったら読んでみたい。
他方吸血鬼モノラノベとして、最後ヒロインの選択は素晴らしいと思った。本能より理性を取ること、それこそ正に人間の証明。最高です。
何だかんだキャラクターは好きなので、舞台を2030年位にして、今作品の子や孫が有人火星探査ミッションに頑張る話なんてのあったら読んでみたい。