梶井基次郎の檸檬に似た埃っぽい感じの東京版。
地元の先輩の人生四方山話をもっと聴きたくなるようにページを進めてローカルに吹く風を感じました。
Kindle 価格: | ¥815 (税込) |
獲得ポイント: | 15ポイント (2%) |
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
東京の下町 (文春文庫) Kindle版
戦前の東京の暮らしを回想した珠玉エッセイが復刊。
東京・日暮里で生まれ育った作家・吉村昭が、食べ物、風物、戦災など思い出を鮮やかに綴った。
「日暮里を下町と言うべきかどうか。江戸時代の下町とは、城下町である江戸町の別称で、むろん日暮里はその地域外にある。いわば、江戸町の郊外の在方であり、今流の言葉で言えば場末ということになる」
「私が日暮里で生れ育ったことを知っている編集者から、少年時代の生活を書くように、と何度もすすめられた。が、私は、まだそんな年齢ではなく、それに下町の要素が濃いとは言え、御郭外の日暮里を下町として書くのも気がひけて、そのたびに断ってきた。
しかし、私も五十代の半ばをすぎ、戦前なら故老の末席に入ろうともいう年齢になったことを考え、思い切って筆をとることにしたのである」
東京・日暮里で生まれ育った作家・吉村昭が、食べ物、風物、戦災など思い出を鮮やかに綴った。
「日暮里を下町と言うべきかどうか。江戸時代の下町とは、城下町である江戸町の別称で、むろん日暮里はその地域外にある。いわば、江戸町の郊外の在方であり、今流の言葉で言えば場末ということになる」
「私が日暮里で生れ育ったことを知っている編集者から、少年時代の生活を書くように、と何度もすすめられた。が、私は、まだそんな年齢ではなく、それに下町の要素が濃いとは言え、御郭外の日暮里を下町として書くのも気がひけて、そのたびに断ってきた。
しかし、私も五十代の半ばをすぎ、戦前なら故老の末席に入ろうともいう年齢になったことを考え、思い切って筆をとることにしたのである」
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2017/3/10
- ファイルサイズ26377 KB
この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B06X9MYJH9
- 出版社 : 文藝春秋 (2017/3/10)
- 発売日 : 2017/3/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 26377 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 255ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 198,411位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 3,746位エッセー・随筆 (Kindleストア)
- - 4,070位文春文庫
- - 5,253位近現代日本のエッセー・随筆
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本人共通の「懐かしさ」を味わえるエッセイです。
2018年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
浅草育ちの母が好きそうなタイトルであり、吉村昭氏の作品が好きらしいので母に購入。
とても面白かったようで喜んでいたので良かったです。出品者の方が大変丁寧な方で、わざわざ手書きのお礼の一筆が入っていて驚きました。ご親切にありがとうございました。配送も早かったです。
とても面白かったようで喜んでいたので良かったです。出品者の方が大変丁寧な方で、わざわざ手書きのお礼の一筆が入っていて驚きました。ご親切にありがとうございました。配送も早かったです。
2010年9月3日に日本でレビュー済み
内容は全く商品説明のとおりで、昭和初期の日暮里での暮らしを主として小学生〜中学生の年頃の少年の目で見た思い出です。
日々の暮らし、近所の商店、学校のこと、中学生になると浅草の盛り場の話も少々でてきます。
自伝的エッセイにしては「昔はよかった」とか教訓めいた結論付けが少ないあたりが、さすが史実を元に客観的な小説を多数著している著者ならではだと思いました。そのせいか説教がましくなく単純に「ふ〜ん、昔はそうだったんだ」と興味深く読めました。
雑誌連載の単行本化だそうで、話題は各回あちこちに飛び、時間も行ったり戻ったり。毎回その時心に浮かんだネタをもとに思い出話を聞いているようで楽しかったです。
各回1枚挿入されている味のある挿絵も良かったですが、白黒なのが残念でした。
日々の暮らし、近所の商店、学校のこと、中学生になると浅草の盛り場の話も少々でてきます。
自伝的エッセイにしては「昔はよかった」とか教訓めいた結論付けが少ないあたりが、さすが史実を元に客観的な小説を多数著している著者ならではだと思いました。そのせいか説教がましくなく単純に「ふ〜ん、昔はそうだったんだ」と興味深く読めました。
雑誌連載の単行本化だそうで、話題は各回あちこちに飛び、時間も行ったり戻ったり。毎回その時心に浮かんだネタをもとに思い出話を聞いているようで楽しかったです。
各回1枚挿入されている味のある挿絵も良かったですが、白黒なのが残念でした。
2017年5月5日に日本でレビュー済み
『東京の下町』(吉村昭著、永田力絵、文春文庫)は、吉村昭の他の作品とは趣の異なるエッセイ集です。
著者が幼少年期を過ごした戦前の東京・日暮里の庶民の生活振りが克明に記されています。著者は昭和2年生まれ、下町の日暮里育ち、私は昭和20年生まれ、山の手の荻窪育ちなのに、本書に書かれていることが、私の幼少期の思い出とあまりに似通っているのに驚きました。その謎は、著者のこの言葉で解けました。「日本人の生活は、大ざっぱに言って明治以後、昭和30年頃まで基本的な変化は余りなかったように思う。たとえば蚊帳。それは、戦後しばらくたった頃まで、なくてはならぬ夏の生活必需品で、幼児は、ホロ蚊帳の中で昼寝をした。しかし、昭和30年代から蚊帳は、急速に姿を消し、今では眼にすることもできない。殺虫用の噴霧器が出廻ったこともあるが、網戸の普及によるものだ、と言っていいだろう。また、これと時を同じくして便所にも変化があった。古くからみられた汲取り式のものが水洗式に変っている。生活様式は、これらの例をみるまでもなく昭和30年代で大きな変革をとげている」。幼い頃、寝るまでの時間、布団が敷いてある蚊帳の中で妹と騒いで、母に叱られたことを懐かしく思い出します。
「少くとも太平洋戦争がはじまるまでは、町には庶民の生活があった。近くの戦闘に、脱衣場で働いている女がいた。すらりとした長身の女で、少年の私にもたぐい稀な魅力にみちた美しい女に思えた。町の若い男たちの評判になり、彼女を見ようと銭湯に足をむける。・・・女は頭も良さそうで、つつましい性格だった。だれが彼女と結婚するのかが話題になっていた。・・・近所の旧家に嫁に来た女も、背が高く美しかった。・・・どのような育ちであろうと、女は気品があり、(結婚相手の)親が反対するのはおかしい、と子供心にも思った。開戦後、町には出来事らしきものは絶えた。・・・燈火管制で、町は暗く、月と星の光がひときわ冴えていたのが印象に残っているだけだ。空襲は、町の家並を消滅させ、同時に住民を離散させた」。おかげで、私も、当時の近所の綺麗なお姉さんの顔を、何十年ぶりかで思い出してしまいました(笑)。
「電燈の下で、さまざまな遊び具をつくった。・・・(ヒゴや紙などで作る)模型飛行機づくりも、さかんであった。・・・原っぱに持って行って、プロペラをまわしてゴム紐をコブだらけにし、初めてそれを放す時の胸のときめきは忘れられない」。「友達が、或る店のウインドウで列車の模型が走っているのを見たという言葉にひかれ、友達の案内で歩いていった。たしかに、ウインドウの中には電気機関車にひかれた客車がレールの上をまわっていた。・・・その精巧さに私は息をのみ、ウインドウの前で、長い間立って見つめていた」。私も、模型飛行機や模型列車に夢中になったものです。
私たちの世代、それより上の世代の人間にとって、往時を思い出す糸口を与えてくれる得難い一冊です。
著者が幼少年期を過ごした戦前の東京・日暮里の庶民の生活振りが克明に記されています。著者は昭和2年生まれ、下町の日暮里育ち、私は昭和20年生まれ、山の手の荻窪育ちなのに、本書に書かれていることが、私の幼少期の思い出とあまりに似通っているのに驚きました。その謎は、著者のこの言葉で解けました。「日本人の生活は、大ざっぱに言って明治以後、昭和30年頃まで基本的な変化は余りなかったように思う。たとえば蚊帳。それは、戦後しばらくたった頃まで、なくてはならぬ夏の生活必需品で、幼児は、ホロ蚊帳の中で昼寝をした。しかし、昭和30年代から蚊帳は、急速に姿を消し、今では眼にすることもできない。殺虫用の噴霧器が出廻ったこともあるが、網戸の普及によるものだ、と言っていいだろう。また、これと時を同じくして便所にも変化があった。古くからみられた汲取り式のものが水洗式に変っている。生活様式は、これらの例をみるまでもなく昭和30年代で大きな変革をとげている」。幼い頃、寝るまでの時間、布団が敷いてある蚊帳の中で妹と騒いで、母に叱られたことを懐かしく思い出します。
「少くとも太平洋戦争がはじまるまでは、町には庶民の生活があった。近くの戦闘に、脱衣場で働いている女がいた。すらりとした長身の女で、少年の私にもたぐい稀な魅力にみちた美しい女に思えた。町の若い男たちの評判になり、彼女を見ようと銭湯に足をむける。・・・女は頭も良さそうで、つつましい性格だった。だれが彼女と結婚するのかが話題になっていた。・・・近所の旧家に嫁に来た女も、背が高く美しかった。・・・どのような育ちであろうと、女は気品があり、(結婚相手の)親が反対するのはおかしい、と子供心にも思った。開戦後、町には出来事らしきものは絶えた。・・・燈火管制で、町は暗く、月と星の光がひときわ冴えていたのが印象に残っているだけだ。空襲は、町の家並を消滅させ、同時に住民を離散させた」。おかげで、私も、当時の近所の綺麗なお姉さんの顔を、何十年ぶりかで思い出してしまいました(笑)。
「電燈の下で、さまざまな遊び具をつくった。・・・(ヒゴや紙などで作る)模型飛行機づくりも、さかんであった。・・・原っぱに持って行って、プロペラをまわしてゴム紐をコブだらけにし、初めてそれを放す時の胸のときめきは忘れられない」。「友達が、或る店のウインドウで列車の模型が走っているのを見たという言葉にひかれ、友達の案内で歩いていった。たしかに、ウインドウの中には電気機関車にひかれた客車がレールの上をまわっていた。・・・その精巧さに私は息をのみ、ウインドウの前で、長い間立って見つめていた」。私も、模型飛行機や模型列車に夢中になったものです。
私たちの世代、それより上の世代の人間にとって、往時を思い出す糸口を与えてくれる得難い一冊です。
2007年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吉村さんの小説が大好きで何冊も読んでいますが、ある某雑誌で心に残ったという本の紹で、吉村さんのエッセイ「東京の下町」を知り、早速買って読みました。毎日寝る前に一単元ずつ読みました。何か懐かしさを感じ、寝る前に心地よい気持ちになり、良い眠りに入ることが出来ます。吉村さんのエッセイもさいこうですね。