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猿神のロスト・シティ 地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ Kindle版
NASAの最新テクノロジー×考古学調査
『ナショナル ジオグラフィック』の発表に世界中が騒然!
中米ホンジュラスに500年前から伝わる「猿神王国」伝説。熱帯雨林の奥地に、謎の古代都市群が存在していたという。過去、数々の探検家が都市の場所を突き止めようとしてきた。だが、ジャングルの脅威と殺人発生率世界一という政情不安に阻まれ、21世紀に至るまで、その一帯は人跡未踏のままだった……
最新テクノロジーを駆使した空中からの探索と、命を賭した密林での探検。はたして、そこにはマヤ文明に匹敵する一大都市が栄えていたのか?なぜ、彼らは忽然と姿を消したのか?
世界中が固唾をのんで見守った一大発見をスリリングに描き出す、考古学アドベンチャー・ノンフィクション。
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2017/4/27
- ファイルサイズ30120 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
商品の説明
メディア掲載レビューほか
21世紀にこんな冒険が!? 未知の遺跡に挑む圧巻のノンフィクション
何という素晴らしい、ロマンに満ちた本のタイトルなんだ! 読む前から期待で興奮した。私が中学生の時、インディ・ジョーンズの映画を初めて観て探検、冒険、考古学に憧れた。命がけで未知の世界を探検する考古学者になりたいと思った。その頃、母親が私の誕生日にインディ・ジョーンズが被っているカウボーイハットをプレゼントしてくれたことを思い出しながら読み進める。
著者が縁あって関わることになった猿神王国の探検史の話から物語は始まる。何世紀にも渡ってたくさんの人物が中米ホンジュラスの失われた都市、猿神王国を探してジャングルに分け入る。だが劣悪な環境に逃げ帰ってしまう者や、そもそも行っていないのに行ったことにして世間に発表してしまう者など、昔の文献や資料を調べれば調べるほど困惑してくる。ただ一人の人物が辿り着けた可能性があるに過ぎなかった。
私も五年前にNHKの協力で、陸路の無いパプアニューギニアのジャングルの奥地の洞窟を解明する活動にガイドとして同行した。ジャングルの環境は飛んできて刺す蟻など一日中何かに刺されて全身が痒くなる。とくに睾丸が我慢できないほどの痒みで夜も寝られない。湿度は一〇〇%に近く、気温は四〇℃以上、何もしなくてもそこにいるだけでどんどん体力と気力が失われていく劣悪な環境だった。
著者を含めた考古学者、元麻薬密輸人、ジャーナリスト、元軍人などいろいろな立場の人間が目的を持って失われた都市を探しにいく。探検以前の人間模様が面白い。またライダー観測という飛行機に搭載した機械から地上に向かってレーザーを照射して地形を探るハイテク機器を使用してジャングルの木々に覆われて隠れている遺跡を探すという調査方法は実に興味深い。私も未踏の洞窟を探すときにグーグルアースで地形を見て目星をつけている。
苦難を乗り越えて最後には幸運を掴み、無事彼らは帰還することが出来るのだが、実はこのあと恐ろしいリーシュマニア原虫由来のウイルスに感染してしまっていることを知る。
一番驚いたことはこの探検を祝福してくれる者ばかりではなく、誹謗中傷する者が多かったことだ。だがそれでもほとんどのメンバーが再び現地に向かい調査を続けていることに、共感と深い感銘を覚える。
猛毒のヘビ、ジャガー、そしていろいろな感染症が待っているのに、それでもなお行く。なぜ行くのか? それは、知りたい、見てみたいから、それだけだ。探検家の胸にある行動の理由は、極めてシンプルなのだ。
評者:吉田 勝次
(週刊文春 2017.06.29号掲載)著者について
1956年、マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。アメリカ自然史博物館にライター兼編集者として勤務し、プリンストン大学でライティングを教えた。『ニューヨーカー』『ナショナル ジオグラフィック』『スミソニアン』『アトランティック』などに寄稿。ノンフィクション『屋根裏の恐竜たち──世界最大の自然史博物館物語』(野中浩一訳、心交社、1991年)でデビュー。『殺人者の陳列棚』(棚橋志行訳、二見書房、2003年)など、スリラー作家としてリンカーン・チャイルドとの合作で知られる。『ホット・ゾーン』の著者リチャード・プレストンは実兄。 http://www.prestonchild.com
◎[訳者]鍛原多惠子(かじはら・たえこ)
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(哲学・人類学専攻)。訳書にコーキン『ぼくは物覚えが悪い』、ニコレリス『越境する脳』、ワイナー『寿命1000年』(以上、早川書房)、マクニック他『脳はすすんでだまされたがる』(角川書店)、ストーン他『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1』(共訳、早川書房)、コルバート『6度目の大絶滅』、ウルフ『フンボルトの冒険』(NHK出版)など多数。
登録情報
- ASIN : B071DML219
- 出版社 : NHK出版 (2017/4/27)
- 発売日 : 2017/4/27
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 30120 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 407ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 217,145位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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その地は麻薬カルテルが牛耳り、アメリカに入ってくる80%のコカインが
ホンジュラス産であり、殺人事件の発生率は世界一高い。
本のなかで一番面白いのはジャングルに入ってからの話です。
熱帯雨林は雨季には足もとを水が覆いつくし、
キャンプが寝静まる深夜に忍び寄るジャガーの気配、
全身に塗りたくりむせかえるようなにおいを発する虫よけ薬、
フェルドランスという巨大な毒蛇、人間を初めて見るホエザルの群れ、
そして寄生虫を持つハエ。
こういったものを並び立てるといかにもおもしろそうに感じるのですが
実際にジャングルに入っているのは本の中盤辺りだけで、
あとはレーダーによる科学的見地や、だらだらと続く人物紹介、
リーシュマニア症という寄生虫の話、科学者同士の諍いなどが多く、
興味のない部分はとことん眠くなる話も多かったです。
ジャングルに入ってからのキャンプと遺跡を見つけるまでは
本当にわくわくしておもしろかったです。
ただのいいかげんな伝説のお話のようにも聞こえますが、ベテランの捜索隊でもほとんど調査が出来ない地域。
そんな世界の描写が丁寧で、それだけでも読んだ価値があると感じます。
500年もの時を、誰にも気づかれず残っていたということが驚きです。
ここに暮らしていた人はどんな人で、遺跡の全貌すらまだ把握できていない、、
今後の発掘がとても気になります。
内容自体はノンフィクションで、翻訳の影響か若干読みづらい気もしますが、
それを超えるスケールと内容になっています。
冒険や探検、古代遺跡などが好きな人にはぜひ読んでもらいたい一冊。
これだけでも、まるで冒険小説のようなワクワクの予感にとらわれる。
おまけに著者は、リンカーン・チャイルドとのコンビで、たとえば『レリック』とか『海賊オッカムの至宝』とか『マウント・ドラゴン』とか、スケールの大きなエンタテインメント小説を書いている、あのプレストンである。
期待するなというほうが無理であろうが、その期待を裏切らなかった。
最新テクノロジーを使った調査から、人跡未踏のジャングルでの実地調査。
これだけでもお腹いっぱいになりそうなのに、さらにそこから、マスコミや学会の反発との闘い、さらには……
まさにノンフィクションを凌駕するエンタテインメントである。
2015年、中米・ホンジュラスのモスキティア東部で500年に亘りジャングルの奥地に埋もれていた遺跡が発見された。現地で長く語り継がれてきた「猿神王国」とも「白い都市」とも呼ばれる伝説の遺構・遺物――多数の広場、防壁、土塁、土造りのピラミッド、埋納された石像群――に、遂に著者らの調査隊が辿り着いたのである。1000年前に栄え500年後に消滅した文明を築いたのは、どういう人たちだったのか。そして、彼らはなぜ、忽然と姿を消してしまったのか。
この探検は、従来の探検とは異なり、最新テクノロジーを駆使することによって、短期間で大きな成果を上げることができたのである。「GPSやライダー(最新のレーザー調査技術)が発明されていなかったら、この谷や遺跡の調査は不可能ではなくとも、とても難しかっただろうと私たちは話した。ライダー地図がなければ、T1(山間の1番目の峡谷)遺跡の中を通っても、その存在にすら気づかないかもしれない。ライダー地図とGPSがあったからこそ、どこを探せば植生に隠された遺構にたどり着けるかを知ることができたのだ。対岸の湿原の先にある森を見たが、土塁や広場の存在を示すような手がかりは何もなかった」。
「フィッシャーが仲間になったことを喜び、エルキンスはライダーが描いた地図を彼に送った。フィッシャーはその解析に6か月かけた。12月、サンフランシスコで調査隊と合流し、解析結果をみなに報告した。T1もなかなかなものだが、T3(山間の3番目の峡谷)がより驚異的だと彼は考えていた。この2か所の遺跡がマヤ文明のものでないのは間違いなかった。それは、何世紀も何世紀も前にモスキティア地方を支配していた古代文明なのだ。儀式用の構造物、巨大な防壁、多数の広場の存在は、T1もT3も考古学で言うところの古代『都市』であることを示唆しているという」。
「これほど原始的で人の手に汚されていない谷が、21世紀になってもまだ残っていることに驚嘆する思いだった。ここは真の意味で失われた世界なのだ。この地は私たちが入ってくるのを望んではいないし、私たちのものというわけでもなかった。明日、私たちは遺跡に入る予定になっている。何が見つかるだろうか? 想像もできなかった」。
「私たちは、ピラミッドの側面から都市の最初の広場に下りた。ライダー画像では、広場の3つの側面が幾何的な土塁やテラスに囲まれていた。フィッシャーがふたたびトリンプル製のGPSで位置を調べ、地上マッピングを始めようとしたときだった。ネイルが叫び声を上げた。彼はひざまずき、植物にほぼ完全に埋もれた大きな石板を覆う土と蔓を取り除いた。石板には加工面があった。辺りの植物を引き抜いたり切ったりすると、同じような石板がさらにある。たくさんの石板が長く一列に並び、そのどれもが3個の白い玉石の上に置かれている。どうやら祭壇らしい。フィッシャーが口を開いた。『石板をきれいにして線刻されているかどうか確認し、GSPでこの位置を知る必要がある』。彼が無線機を放り出し、キャンプにいるエルキンスを呼び出してこのことを伝えた。二人が興奮した会話を交わし、無線機のスピーカーを通して全員がその会話を聞くことができた。エルキンスは感きわまっていた。『これで、切り出した石が建造物に使われたと証明できる。つもり、ここは重要な遺跡だ』」。
「朝5時、叩きつける雨の音を消し去るほどのホエザルの声で目覚めた。・・・朝食時、何人かが真夜中にジャガーがキャンプのすぐ外側を歩き、ゴロゴロ鳴いたと報告した」。
「列の後方にいた撮影監督のルシアン・リードが、叫んだ。『おい、変な石があるぞ!』。私たちはそれを見に戻って、大騒ぎになった。地面がくぼんだ広い場所に、何十体もの見事な石像の上部が見えた。植物の葉や蔓のあいだから見える苔むしたそれらの像が、森の薄暗がりの中ではっきりとかたちを見せはじめた。私の目に最初に飛びこんできたのは、地面から突き出ている、吼えるジャガーの頭部だった。次に見えたのが、コンドルの頭部の彫像が口縁についた石の器、さらにヘビの彫刻が施された大きな石の器。その隣に玉座かテーブルらしきものがいくつかあって、外縁や脚部に碑文か象形文字が刻まれているものもある。すべてがほぼ土中に埋まって、上部だけが氷山のように突き出ていた。私は言葉も出なかった。これらの石像はすばらしい状態にあり、何世紀も前にここに納められてから私たちが今日見つけるまで、誰にも手を触れられていないようだった」。
「埋納物は大量に発見され、500点をはるかに超えた。だが、これらの埋納物の量よりさらに興味深い点は、そもそもその存在にあった。この種の儀礼目的に使われた遺物は、古代モスキティアの失われた都市の特色を表しているようだった。こうした遺物はマヤ文明などでは見られない。つまり、これらの遺物はモスキティアの人びとを隣人と区別するカギであり、彼らが歴史に占める位置を特定するものだ。これらの埋納物の目的は何だったのだろう? なぜ彼らはここにこうした品々を残したのか?」。
「スペイン人による征服がなかったのなら、なぜモスキティアの都市や残りの土地は放棄されたのだろう?」。いよいよ、謎解きは佳境に入る。
「(新世界の人々がほとんど耐性を持たない)病気はすさまじい勢いで流行したのだから、(ジャングルの奥に立地していたにも拘わらず)T1の谷が病原体の脅威を逃れたとは考えにくい。ヨーロッパからもちこまれた流行病が、1520~50年のあいだのどこかで、モスキティアのT1やT3などの地域に到達したのはほぼ確実と思われる」。
「1500年代初頭に(ヨーロッパ発の天然痘、はしか、腸チフス、インフルエンザ、ペストなどの)流行病が波のようにT1を何度か襲ったと理解できる。致死率がホンジュラスのほかの地域や中米一般と同じと考えると、住民の約90パーセントが病死しただろう。絶望しトラウマを抱えた生存者は都市を去り、神々への最後の供物として神聖な品々を埋蔵した。その際、これらの品々の多くを破壊して、その魂を解放した。これは人に対する副葬品とは意味合いが異なる。それは都市に対する副葬品であり、文明の記念碑なのである。この地域のいたる場所で、人びとは神聖な品を破壊して神々に捧げた上で都市を去った」。「猿神王国」・「白い都市」の伝説は、人々が病気を恐れて都市を放棄したという単純な物語だったというのだ。この著者の仮説は、自らの探検・調査を踏まえているだけに、圧倒的な説得力を有している。
頭の中の世界地図で正確な位置を自信を持って指し示す事すらできないその国にかって存在したという。
”見猿の神”に守られた失われた文明が。
失われた遺跡、文明、宝物などを追う探検を描いたノンフィクションの王道を踏襲した構成で、この種の本が好きな方は安心して楽しめる。
つまり、最初につかみがあり、失われた文明の伝説や過去の探検の歴史が述べられ、著者の参加した探検の詳細が描かれた後、検証結果と後日談で占められる、という流れ。
最初の約四分の一まで占める二つめまでの部分が冗長に感じる方も我慢して読み続けて欲しい。
それ以降は、調査隊に専門ライターとして帯同した著者らしく、豊富な語彙を駆使しつつも、過剰な脚色の無い、落ち着いたエンターテイメントに仕上げています。更に、著者は屈強な探検家などでは無いため、その”素人視点”が読む者には心地良い点も挙げておきたい。
そう、エンターテイメント作品であるので、これから読まれようとされている方々への配慮として、内容を羅列する書評などご法度である。まあ、ここに書評を書かれる本好きの方々には釈迦に説法ではあろうが。
本書の説明部分か本屋さんでのパラパラ読みで興味を持たれたら、来るゴールデンウイークのお供にどうぞ。ただし、本書の説明は残念ながら、前述した通りの腰の座った内容とは異なり、派手目であることに留意下さい。また、立ち読みの場合には、本書の一番弱い部分の7章までとして、残りは後のお楽しみで順を追って楽しまれるのが良いと思います。ちなみに私は幸いにも1章のつかみでやられてしまいました。