デビュー作である「姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情」で未熟ながらも自分の夢に直向きな若者たちの姿を描いた柚本悠斗の新作。
表紙やタイトルなどからは「作風変えたのかな?」と若干不安になりながら拝読。
物語の舞台は白楊中央学園。
地方再生を目的とした市町村合併に伴い地域の教育施設が集約された結果生まれた学園都市の中でも
圧倒的に充実した設備と教育体制、そして七千人の学生を抱える巨大学園。
「学校教育は民主主義の縮図」という理念の下、学園運営の全ての権利が生徒に任せられたこの学園のルールはただ一つ、
「決して校則を破らないこと」
物語はそんな学園の片隅にある園芸部の畑で一年生の花咲花織が強烈な日差しの下菜園の手入れに追われている場面から始まる。
作業の余りの過酷さにキレた花織は菜園の傍らに立つログハウスの扉を蹴り開けるや
「何で私が法条先輩の菜園を手入れしなきゃならないんですか!」と不満をぶちまける。
花織の不平の相手、菜園の主である法条は花織の文句を軽く聞き流し、その貧乳ぶりをたっぷりと揶揄した上で
「不満があるなら依頼を取ってきてその報酬の一割である貴様の取り分で借金を返済したらどうだ?」と言い切る。
実際に法条に人生の危機を救って貰った事で百万円の借金がある花織は何も言い返せす、アテもないまま
法条への依頼を持ち掛けそうな人物を探しに校内を歩き回る羽目になるが、花織が法条の下に来てから二週間、
取ってきた依頼はゼロという事実に打ちのめされそうになる。
そんな心が折れそうな状態の花織に意外な事に一人の女子生徒が「園芸部の人?」と声を掛けてくる。
園芸部のログハウスにその女子生徒をを連れて行った花織だったが、女子生徒の顔を見た法条は意外そうな顔をして
「貴女が来るとは珍しい」とその女子生徒を知っている事を明らかにした上で彼女の依頼を「報酬次第で」片付けてやると言い切る。
悔しそうな顔を浮かべるその女子生徒、法条のクラスの委員長にしてクラス委員長学年代表の優等生・五月女が
法条に持ち込んだ依頼の内容、それは昨日の放課後、教室でBL漫画をぶちまけてしまったという物であった。
校則違反のマンガの持ち込みと特殊な趣味がクラスメイトにバレた事で危うくなった委員長の座、それを守るために
法条は依頼の解決料として五十万円を要求するが…
うーん…これはまたレビュアー泣かせな作品だなあ。
前作で出ていた作者の「らしい部分」であり「売り」となる部分は期待通りに、いや今回の作品で取り組んだテーマを考えれば
期待以上に描けているので、そこの所は非常に高く評価したい。
が、それ以外の部分に問題があり過ぎて手放しで誉めるというのもちょっと難しい。
一つの作品に何を求めるかというのは読者によって異なるので読む人によってかなり評価が分かれそう、というのが第一印象。
物語は巨大学園であり、生徒にその運営の権利一切が任されている白楊学園を舞台に
園芸部のログハウスに根城を構える法条がトラブル解決の依頼を持ち込まれるたびに学生にはちょっと厳しい額の解決料を要求。
法条相手に百万円の借金を抱えている園芸部の下働きである花織が法条の銭ゲバぶりに呆れかえりながらも付き合わされ、
次々と問題の解決にあたるが、次第にこの「校則を破るなかれ」を唯一絶対のルールとしている学園の、
そして絶対的な権限を振るう生徒会執行部の主張する「正義」の闇に触れる事に…というのが主な流れ。
有体に言うと表向き謳われている主人公・法条の銭ゲバなトラブルバスターという部分はある種の偽装的要素とも言える。
作者がこの作品で重点的に描こうとしているのは中盤以降徐々に明かされていくこの学園における「正義の在り方」の方であり、
そんな「正義」に法条、花織、そして生徒会長の御法という主役三人がどう向き合うか、という部分かと。
前作である「姉と妹の下着事情」が下着デザイナーやモデルという自分の「夢」にひたむきに向き合う若者たちの姿を描いた作品であり
小生自身もその「若者の直向きさ」という部分に惹かれたのだけれども、
本作で主人公たちが向き合うのは上にも書いた様に「正義とうものをどう捉えるか」という問題なのである。
実に青臭く、娯楽小説であるライトノベルで取り扱うにはいかにも不向きなテーマと思われるかもしれない。
学園物のライトノベルにありがちな「巨大権力を振りかざす生徒会」をよりリアルに描き、「三権分立」なんかの
教科書的な要素も入れつつ生徒会が掲げる「正義」をどの様に体現していたか、が中盤から明かされるのだけど、
これが中々にえげつない。
(特に「機能しない三権分立」、「行政権の暴走」という今日の日本をパロディ化した様な図式は笑うに笑えない)
生徒会の権限のバックとなる「正義」を掲げる以上、そこには分かり易い「悪」が必要となるのは誰でも分かる事。
分かり易い=誰もが叩き放題に叩いて良いほどの「悪」がそうホイホイ現れるか?という問題を乗り越えるべく
「分かり易い悪が都合よく現れてくれないなら、作ってしまえば良い」という悪魔的発想に至った生徒会の闇が明かされるのだけど、
その「闇」に法条からは「お花畑」と揶揄される花織が直面させられるのだから本当にえげつない。
でもこれが、「法」と「正義」と「必要悪」という学園の秩序を保つための社会的な構造に
(学園だって七千人も生徒がいれば十分「社会」だ)
主役三人の中でもっとも精神的には未熟であろう花織が振り回される姿を通じて実に良く描けているのである。
「正義」とも言えない「正しい事=理不尽に踏みつけにされる人がいなくなる事」みたいな、まさにお花畑の発想の花織が
自分よりは遥かに「かしこい」、「おりこう」であり、それが故にある種の自縄自縛に陥っている法条や御法に
ドン・キホーテの様にぶつかっていく様が描かれるのである。
よくまあ、こんなテーマを、こんな主人公を真正面から描こうという発想に至ったものだと作者の「無謀」に心底感心させられた。
…ただ、この取り組んだテーマや主役三人に関して言えば悪くないんだけど、問題はそれ以外の部分。
ぶっちゃけ「薄い」です。ものすごく「薄っぺらい」です。
具体的に言えば主役三人以外の登場人物なんか書き割り同然にしか描けてません。ほぼモブ同然です。
上に書いた様に話の本筋は自分たちの「正義」をマッチポンプ的な構造で支えてきた生徒会執行部の闇なんだろうけど、
そこに至るまでに五つも依頼解決のエピソードが用意されているのだが、一つ一つのエピソードでご丁寧に
依頼人の登場から抱えた事情の説明、解決にあたっての調査、解決シーンと繰り返される…200ページちょっとで
これを五回も繰り返せばどうなるか?答えは簡単、登場人物が書き割りと化するのである。
一応、依頼人やトラブルを起こしている人物にも名前が割り当てられるのだけど、「依頼人」「トラブルメーカー」という
一般名詞でも割り当てておけば十分では、と思うほどに描写がおざなりそのもの。
トラブル解決を経て花織の仲間になってくれる依頼人も二人ばかり出てくるのだけど、これまた描写が薄い。
「人心掌握がうまい」という設定の人物が出てきても、実際に「どの様な過程で人心を掴むのか?」が
説明だけで具体的な描写がゼロでは説得力も何も生まれやしないし、「ご都合主義の道具」以上にはなり得ないのである。
トラブル解決の場面でも法条が大演説をかまして解決、というパターンが多いのだが、あるエピソードで設定された
「生徒会総会の檀上」という特殊な舞台であればともかく、一般的な場で大演説を聞いた人間がすんなり納得、という
パターンを繰り返されるとこれまた「ご都合主義」の匂いが立ち上ってくる。
前作同様に「ひたむきな」若者を、「正義の在り方」という難しい問題に向き合わせたという部分では
前作からのファンとして「おお、ますますパワーアップしているな」と感心させられる一方で、
異常なまでのエピソードの詰め込みや、その結果としての主役以外の登場人物の完全なモブ化、
主人公の活躍の薄っぺらい「チート能力発動」っぽさといった印象が大きく足を引っ張っている。
書きたい部分に力を入れるのは良いが、だからといってそれ以外の部分をおざなりに描いて良いという訳ではない。
どうにも部分によって出来・不出来の差が大きい作品だな、という印象が残ってしまった一冊だった。
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学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇 (GA文庫) Kindle版
ひねくれ主人公と猪突猛進少女の、難題解決学園ドラマ!
「謝辞などいらん。金を払え――」
七千人が通い、生徒の自治によって運営される『白楊中央学園』には華々しい実績の裏にある鉄の掟が存在した。それは「校則を破らない」こと。
一見当然のこのルールは学園の特殊性から、法律のような効力を持っている。そんな学園において唯一、法条真誠という男だけが法外な報酬と引き換えに、校則すらもねじ曲げて依頼人の問題を解決していた。とある事情で法条に借りを作ってしまった少女、花咲華織は彼の助手を務めるうちに、法条の真意と学園の不自然な構造に気づいていく。
ひねくれ者だが有能な主人公と、猪突猛進なヒロインによる、驚愕の学園逆転劇、ここにスタート! ※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
「謝辞などいらん。金を払え――」
七千人が通い、生徒の自治によって運営される『白楊中央学園』には華々しい実績の裏にある鉄の掟が存在した。それは「校則を破らない」こと。
一見当然のこのルールは学園の特殊性から、法律のような効力を持っている。そんな学園において唯一、法条真誠という男だけが法外な報酬と引き換えに、校則すらもねじ曲げて依頼人の問題を解決していた。とある事情で法条に借りを作ってしまった少女、花咲華織は彼の助手を務めるうちに、法条の真意と学園の不自然な構造に気づいていく。
ひねくれ者だが有能な主人公と、猪突猛進なヒロインによる、驚愕の学園逆転劇、ここにスタート! ※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
- 言語日本語
- 出版社SBクリエイティブ
- 発売日2017/7/13
- ファイルサイズ12952 KB
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商品の説明
著者について
投稿作『姉妹と幼馴染の下着事情。』で第7回GA文庫大賞《奨励賞》を受賞。
改題し、『姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。』でデビュー。
改題し、『姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。』でデビュー。
登録情報
- ASIN : B073R6Q18Z
- 出版社 : SBクリエイティブ (2017/7/13)
- 発売日 : 2017/7/13
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 12952 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 302ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 59,766位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 204位GA文庫
- - 8,682位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

第7回GA文庫大賞・奨励賞を受賞し『姉と妹の下着事情。』でデビュー。
他の作品に『クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話』『好きな子にフラれたが、後輩女子から「先輩、私じゃダメですか……?と言われた件』『きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの?』など。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年7月18日に日本でレビュー済み
レポート
Amazonで購入
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年7月18日に日本でレビュー済み
学園内で起きる様々な問題を主人公達が解決するお話。
作者自身が印税をつぎ込んで広告展開をしたと言う気合いの入りっぷりだったので久しぶりに紙で購入したラノベ。
各章ごとにおいて問題がそれぞれ発生していく形式なので、週刊連載の漫画を読んでいるような感覚で楽しめる。
キャラ同士の会話劇も見事。
1章ごとの起承転結も見事で、背後に潜む大きな黒幕のほのめかし方も巧かった。
一冊を通しても読者を飽きさせない作者の熱意を感じた。
アニメやコミカライズで真価を発揮しそうだと思ったので是非とも売れてほしい作品。
作者自身が印税をつぎ込んで広告展開をしたと言う気合いの入りっぷりだったので久しぶりに紙で購入したラノベ。
各章ごとにおいて問題がそれぞれ発生していく形式なので、週刊連載の漫画を読んでいるような感覚で楽しめる。
キャラ同士の会話劇も見事。
1章ごとの起承転結も見事で、背後に潜む大きな黒幕のほのめかし方も巧かった。
一冊を通しても読者を飽きさせない作者の熱意を感じた。
アニメやコミカライズで真価を発揮しそうだと思ったので是非とも売れてほしい作品。
2017年8月27日に日本でレビュー済み
こちらの作者さんのご本は初めてになります。
リーガル・ハイの学園ライトノベルパロディという印象で読みました。リーガル・ハイが頭に入っているとクスッとくるセリフがパロディとして秀逸だと思います。
また、学園ものとしての設定は目新しく感じました。
文章は整理されていて無駄がなく読みやすい印象。
イラストも華織の表情が豊かで可愛かったです。
残念なのは個体差のないPTA。せっかくの三権分立の一つですし、群衆だとしても愛着を持てるポイントやネタがあったら面白かったなぁと思います。
リーガル・ハイの学園ライトノベルパロディという印象で読みました。リーガル・ハイが頭に入っているとクスッとくるセリフがパロディとして秀逸だと思います。
また、学園ものとしての設定は目新しく感じました。
文章は整理されていて無駄がなく読みやすい印象。
イラストも華織の表情が豊かで可愛かったです。
残念なのは個体差のないPTA。せっかくの三権分立の一つですし、群衆だとしても愛着を持てるポイントやネタがあったら面白かったなぁと思います。
2017年7月17日に日本でレビュー済み
キャラクタやテーマをはじめ,根底となる部分にはいささか見慣れた感はあるものの,
オレさま的な主人公と,ワケあってこき使われる少年との賑やかな掛け合いはおかしく,
連作形式を活かした人や話の見せ方,エピローグでの引きと,うまくまとめられています.
物語の『容量』もほどよく,この巻だけであれこれと詰め込みすぎていないのも好印象です.
ただ,対立構造を押し出し,少しずつそちらに傾いていく話運びは悪くないのですが,
口絵の一枚がその展開を予感させているため,素直にそれらを楽しめなかったのは残念.
また,依頼の真相が結構わかりやすく,話が進むにつれて扱いも軽くなっていくような….
このほか,少女の意外な正体にも唐突さがあり,そこまでに匂わせるものがほしかったです.
とはいえ,一度は失敗をした少女が,少年と対立をしながらも自身のあるべき姿を模索,
懸命に道筋を見つけ出す終盤と,それをどこかで期待していたような少年との関係も良く,
さらには二人の出会いへと遡り,決意を新たにする様子は,続刊を楽しみにさせてくれます.
オレさま的な主人公と,ワケあってこき使われる少年との賑やかな掛け合いはおかしく,
連作形式を活かした人や話の見せ方,エピローグでの引きと,うまくまとめられています.
物語の『容量』もほどよく,この巻だけであれこれと詰め込みすぎていないのも好印象です.
ただ,対立構造を押し出し,少しずつそちらに傾いていく話運びは悪くないのですが,
口絵の一枚がその展開を予感させているため,素直にそれらを楽しめなかったのは残念.
また,依頼の真相が結構わかりやすく,話が進むにつれて扱いも軽くなっていくような….
このほか,少女の意外な正体にも唐突さがあり,そこまでに匂わせるものがほしかったです.
とはいえ,一度は失敗をした少女が,少年と対立をしながらも自身のあるべき姿を模索,
懸命に道筋を見つけ出す終盤と,それをどこかで期待していたような少年との関係も良く,
さらには二人の出会いへと遡り,決意を新たにする様子は,続刊を楽しみにさせてくれます.
2017年7月15日に日本でレビュー済み
セクハラ教師を辞めさせたい、スカート丈を短くしてほしいなどの難題を、金にがめつい有能な主人公と猪突猛進なヒロインが解決する連作短編式学園ドラマ。
登場人物の悩みを解決していくうちに、生徒の自治によって運営される学校の問題に直面していく、という王道の展開。
巧みな伏線と回収が随所にちりばめれられており、内容は練りに練っており素晴らしい。
前作同様、軽快な会話劇が続き、テンポよく作品に没入できる。
イラストレーターの米山舞さんの絵もかっこよく、アニメ化したら更に映えるのではと期待する。
1巻でこれだけの作品を書いてしまったのだから、ぜひ続巻を読みたい。
作者印税を広告費にあてる、ということで注目を集めているが、その注目度にそん色ない内容になっていると思う。
登場人物の悩みを解決していくうちに、生徒の自治によって運営される学校の問題に直面していく、という王道の展開。
巧みな伏線と回収が随所にちりばめれられており、内容は練りに練っており素晴らしい。
前作同様、軽快な会話劇が続き、テンポよく作品に没入できる。
イラストレーターの米山舞さんの絵もかっこよく、アニメ化したら更に映えるのではと期待する。
1巻でこれだけの作品を書いてしまったのだから、ぜひ続巻を読みたい。
作者印税を広告費にあてる、ということで注目を集めているが、その注目度にそん色ない内容になっていると思う。
2017年7月15日に日本でレビュー済み
著者本人が目立つ手段で広告をしている本作。
興味を持ち購入したところ、大当たりでした。
生徒の自治が重んじられている学園で、様々な依頼を解決していく様は読んでいて飽きない。
予想を裏切り、そんな解決方法があったのか、事件の裏にはそんなことが・・・
といった伏線改修や人物描写がとても面白く感じられました。
ほかの方も書いていますが、アニメで見れたらすごく面白くなりそう!
次巻も期待です!!!!
興味を持ち購入したところ、大当たりでした。
生徒の自治が重んじられている学園で、様々な依頼を解決していく様は読んでいて飽きない。
予想を裏切り、そんな解決方法があったのか、事件の裏にはそんなことが・・・
といった伏線改修や人物描写がとても面白く感じられました。
ほかの方も書いていますが、アニメで見れたらすごく面白くなりそう!
次巻も期待です!!!!