今日の私たちがヨーロッパ史や各国史を学ぶ前提となる考えを提出している画期的な著作。なんだけれど。
譬えば、「初期中世においてドイツは中央集権、フランスは権力が分散しており、それがグレゴリウス7世にはじまる聖職叙任権闘争によりドイツ帝権は弱体化、一方フランスはカペー朝が権力基盤を強化していく。etc.」などと語られるわけで、その叙述が可能になったのは、ブロックのこの『比較史の方法』だったのは間違いないのだが、そう思って眺めると提出される具体例はあまりに低レベル、素人っぽいというか中等教育の学生のノートみたいで、歴史学者、というより歴史家、という印象が拭えない。
歴史を大づかみに捉える、という意味ではイブン=ハルドゥーンに比肩する歴史ビジョン見者なのかもしれない。正史を鵜呑みにしない史料発掘の眼、という見方をすれば日本の郷土史家は一読坐読すべきかもしれません。
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比較史の方法 (講談社学術文庫) Kindle版
リュシアン・フェーヴルとともに「アナール派」を創始した歴史学者マルク・ブロック(1886-1944年)による最良の歴史入門。ソシュールの愛弟子アントワーヌ・メイエによる比較言語学の原理に依拠しながら、歴史において「比較」を行うことの意義と問題点が豊富な具体例とともに炙り出される。講演記録であるために読みやすく、容易に読み通せる簡潔さをそなえながら、本質的な問いに切り込んでいく稀有な書物。
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/7/10
- ファイルサイズ4002 KB
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商品の説明
著者について
高橋 清徳
1941年生まれ。東北大学法学部卒業。博士(法学)。専修大学教授などを歴任。専門は、西洋法制史。著書に、『国家と身分制議会』ほか。訳書に、アルフレッド・フランクラン『排出する都市パリ』ほか。
マルク・ブロック
1886-1944年。フランスの歴史家。リュシアン・フェーヴルとともに『社会経済史年報』誌を創刊し、アナール派を代表する人物。代表作に『封建社会』(1939-40年)、『歴史のための弁明』(1959年)など。
1941年生まれ。東北大学法学部卒業。博士(法学)。専修大学教授などを歴任。専門は、西洋法制史。著書に、『国家と身分制議会』ほか。訳書に、アルフレッド・フランクラン『排出する都市パリ』ほか。
マルク・ブロック
1886-1944年。フランスの歴史家。リュシアン・フェーヴルとともに『社会経済史年報』誌を創刊し、アナール派を代表する人物。代表作に『封建社会』(1939-40年)、『歴史のための弁明』(1959年)など。
登録情報
- ASIN : B073TW5N4S
- 出版社 : 講談社 (2017/7/10)
- 発売日 : 2017/7/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 4002 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 126ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 236,156位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 973位歴史学 (Kindleストア)
- - 1,233位歴史学 (本)
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2020年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1978年創文社刊の同名書籍の文庫化。「学術文庫版への付記」によれば、訳文・注・解説ともに改訂が施されている。
本文は注も含めて70ページに満たないが、それとほぼ同分量の訳者解説が付されており、これが本文の理解を助けてくれる。王政復古期からのフランス史学の変遷を辿り、アナール派が実証主義との対決のなかから生まれてきたことを説き明かしたうえで、本書でのブロックの「比較史」の要点と論点が整理されている。訳者解説を読んでからもう一度本文に戻れば、「比較史」という方法が狭義の歴史学にとどまらない可能性をもった思考方法であることがよくわかるだろう。訳文も読みやすくおすすめの一冊である。
これからも創文社刊の良書が講談社学術文庫で再刊されていくことを願っている。
本文は注も含めて70ページに満たないが、それとほぼ同分量の訳者解説が付されており、これが本文の理解を助けてくれる。王政復古期からのフランス史学の変遷を辿り、アナール派が実証主義との対決のなかから生まれてきたことを説き明かしたうえで、本書でのブロックの「比較史」の要点と論点が整理されている。訳者解説を読んでからもう一度本文に戻れば、「比較史」という方法が狭義の歴史学にとどまらない可能性をもった思考方法であることがよくわかるだろう。訳文も読みやすくおすすめの一冊である。
これからも創文社刊の良書が講談社学術文庫で再刊されていくことを願っている。
2021年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イギリスとフランスで農民の法的な位置づけはいろいろと違う。だがそれぞれに史学は発展するなか相互を考慮しなかった結果、比較するときに違いを内包したままになってしまう。再定義が欠かせないがそれ自体が学問の一分野として成立しうる。ただ、無限のすり合わせで学者としての寿命が擦り切れてしまうようだ。
あと、フランス人らしく王制から共和制の移行には誇りがある反面、複雑な思いがあるようだ。そしてそれがこの分野を立ち上げる動機でもある。ただ、不毛な気もする。
あと、フランス人らしく王制から共和制の移行には誇りがある反面、複雑な思いがあるようだ。そしてそれがこの分野を立ち上げる動機でもある。ただ、不毛な気もする。
2018年1月26日に日本でレビュー済み
歴史から理論を構築していく過程の方法論を期待して読んだが、全くその気配なし。
今どき未開社会など、時代に合わない記述があり、どうなんだろうという評価。
今どき未開社会など、時代に合わない記述があり、どうなんだろうという評価。
2021年4月27日に日本でレビュー済み
比較研究:comparative studyの手法は、具体的な比較の営みを呈示しながらでなくては説明できません。わたしは、比較教育学の講義も受けましたが、独立して「比較方法」というものが、教育の実際を離れて存在していて、それを教育に対して適用するのではありません。同じことが歴史に関しても言えます。
著者は、アナール学派の重要人物でした。
著者は、アナール学派の重要人物でした。