本書は、アリストテレス、ピタゴラス、ニュートン、フレミングなど、数々の数学者の言や功績を例に挙げ、「数学史」を示した一冊である。
また、
「数に魅了される人がいるのは不思議ではない。日常生活で目にするごくふつうの数にさえ面白い性質がある。一年の日数、365を例に取ろう。ちょっと計算すれば、365が連続する三つの自然数の平方の和であることが確認できるだろう(365=10^2+11^2+12^2)」(p.37参照)
にあるように、豆知識も用意しており、数学への興味のあるなしに関わらず、門戸を広くしている。
さらに、数学だけでなく、これに関わりの深い論理学についても、多くの紙面を割いている。
「ラッセルが述べているのは、大まかに言うと数学は突き詰めれば論理学であるということである」(p.244)
から始まり、第7章全体を論理学との関係について論じており、数学を別の視点から捉える機会を与えてくれる。
これらのことから、本書は、数学に興味のある者だけでなく、初学者や興味のない者にとっても面白く読むことのできる一冊である。
Kindle 価格: | ¥950 (税込) |
獲得ポイント: | 10ポイント (1%) |
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
神は数学者か?──数学の不可思議な歴史 (ハヤカワ文庫NF) Kindle版
宇宙構造から経済、言語まで、なぜ数学はわれわれの世界を説明するのにこれほど有効なのか。数学史を辿りながら壮大な謎に迫る!
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2017/9/25
- ファイルサイズ17990 KB
この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
この本を読んだ購入者はこれも読んでいます
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B076Q85NDR
- 出版社 : 早川書房 (2017/9/25)
- 発売日 : 2017/9/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 17990 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 447ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 149,479位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 175位ハヤカワ文庫 NF
- - 707位数学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何か小難しい本を読みたいと思っていた矢先、kindleでハヤカワ文庫セールをやっていることを知り、本書を購入しました。
本書は数学史のテキストですが、「数学は発見か?発明か?」という視点で、数学者のみならず、哲学者、言語学者、認知科学者たちの豊富な文献を引用しながら議論を展開して行きます。
ちょっとわかりにくいのですが、数学が人間の存在とは関係なく宇宙にあらかじめ存在していて、人間はそれを発見しているにすぎないとすれば 、神は数学を使って宇宙を創ったことになります。一方 、数学が人間の発明したものだとすれば 、数学は人間の創作物にすぎないことになり 、神は数学者とは縁もゆかりもないことになります。
例えば、カラタン予想というものがあります。8と9は連続する整数で、いずれも自然数の累乗になっています(8 = 2 の3 乗, 9 = 3 の2乗が成立する)。1844年、ベルギ ーの数学者 カタランは 、無数に存在する自然数の累乗のなかで 、連続するのは 8と 9のみであると予想しました。カラタン予想は2002年、ルーマニアの数学者によって真であることが証明されましたが、「われわれが正しいと知らなかっただけで 、カタラン予想がずっと昔から真実だったのは明らかではないか ?このような種類の真理を 、プラトン主義者は 〈客観的な真理 〉と呼んでいるわけだ」。「コロンブスが 発見する前からアメリカ大陸が存在していたのと同じように 、バビロニア人が数学の研究を始める前から 、数学の定理は数学世界に存在していた 。プラトンにとって 、正真正銘に存在するのはこのような数学の抽象的な形や概念だけなのだ 。なぜなら 、われわれが絶対確実で客観的な知識を得られるのは数学の世界のなかだけだからだ 。したがって 、プラトンにとって 、数学は神と密接に関連するものだった」。
しかし、そう言い切れるものなのでしょうか?訳者のあとがきでは、本書は「冒頭で 『なぜ数学は自然界や宇宙を説明するのにこれほどまでに効果的なのか ? 』という疑問を投げかけ 、最終的には 『つまるところ 、宇宙とは何なのか ? 』の答えにまで肉迫した 、壮大な一冊といえよう 」とあります。アルキメデスの原理、ガリレオの地動説、ニュートンの運動方程式、集合論、確率論、そして結び目理論から展開してDNA、宇宙論まで、数式を全く使わずに、本書は解を求めてゆきます。
「数学の不条理な有効性」を「数学は神か」という壮大なテーマに言い換え、読みやすいテキストにしたのは筆者の手腕と思います。小難しい本が読みたいという欲求も満たされました。ただし、終盤に「数学は発明か 、発見か ? は愚問である 。なぜなら 、答えは必ずどちらか一方で 、ふたつは互いに相容れないと仮定しているからだ 。むしろ 、私は半分が発明で半分が発見だと提案したい 。一般的に 、数学の概念は発明であり 、概念同士の関係は発見である 」と、ちょっとズルい考えも披露しています。
まとまった時間が出来て、何かに集中できる幸運な時間が持てたときの読書に最適の★★★★。
本書は数学史のテキストですが、「数学は発見か?発明か?」という視点で、数学者のみならず、哲学者、言語学者、認知科学者たちの豊富な文献を引用しながら議論を展開して行きます。
ちょっとわかりにくいのですが、数学が人間の存在とは関係なく宇宙にあらかじめ存在していて、人間はそれを発見しているにすぎないとすれば 、神は数学を使って宇宙を創ったことになります。一方 、数学が人間の発明したものだとすれば 、数学は人間の創作物にすぎないことになり 、神は数学者とは縁もゆかりもないことになります。
例えば、カラタン予想というものがあります。8と9は連続する整数で、いずれも自然数の累乗になっています(8 = 2 の3 乗, 9 = 3 の2乗が成立する)。1844年、ベルギ ーの数学者 カタランは 、無数に存在する自然数の累乗のなかで 、連続するのは 8と 9のみであると予想しました。カラタン予想は2002年、ルーマニアの数学者によって真であることが証明されましたが、「われわれが正しいと知らなかっただけで 、カタラン予想がずっと昔から真実だったのは明らかではないか ?このような種類の真理を 、プラトン主義者は 〈客観的な真理 〉と呼んでいるわけだ」。「コロンブスが 発見する前からアメリカ大陸が存在していたのと同じように 、バビロニア人が数学の研究を始める前から 、数学の定理は数学世界に存在していた 。プラトンにとって 、正真正銘に存在するのはこのような数学の抽象的な形や概念だけなのだ 。なぜなら 、われわれが絶対確実で客観的な知識を得られるのは数学の世界のなかだけだからだ 。したがって 、プラトンにとって 、数学は神と密接に関連するものだった」。
しかし、そう言い切れるものなのでしょうか?訳者のあとがきでは、本書は「冒頭で 『なぜ数学は自然界や宇宙を説明するのにこれほどまでに効果的なのか ? 』という疑問を投げかけ 、最終的には 『つまるところ 、宇宙とは何なのか ? 』の答えにまで肉迫した 、壮大な一冊といえよう 」とあります。アルキメデスの原理、ガリレオの地動説、ニュートンの運動方程式、集合論、確率論、そして結び目理論から展開してDNA、宇宙論まで、数式を全く使わずに、本書は解を求めてゆきます。
「数学の不条理な有効性」を「数学は神か」という壮大なテーマに言い換え、読みやすいテキストにしたのは筆者の手腕と思います。小難しい本が読みたいという欲求も満たされました。ただし、終盤に「数学は発明か 、発見か ? は愚問である 。なぜなら 、答えは必ずどちらか一方で 、ふたつは互いに相容れないと仮定しているからだ 。むしろ 、私は半分が発明で半分が発見だと提案したい 。一般的に 、数学の概念は発明であり 、概念同士の関係は発見である 」と、ちょっとズルい考えも披露しています。
まとまった時間が出来て、何かに集中できる幸運な時間が持てたときの読書に最適の★★★★。
2018年6月10日に日本でレビュー済み
中身をロクに確認もしないで買ってしまった自分が悪いのだが、書名につられて
「神の作った美しい数学のどんな話が登場するのかな」と期待して読み始めたが、
途中からあれ?ちょっと違うなと気が付いた。書名の意味は「世の中の物理現象
がシンプルな数学で説明可能なのは、そこに神の存在があるとしか思えない」
という意味で、数学史とか数学者列伝といった類の本でした。失敗失敗・・・
「神の作った美しい数学のどんな話が登場するのかな」と期待して読み始めたが、
途中からあれ?ちょっと違うなと気が付いた。書名の意味は「世の中の物理現象
がシンプルな数学で説明可能なのは、そこに神の存在があるとしか思えない」
という意味で、数学史とか数学者列伝といった類の本でした。失敗失敗・・・
2017年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結論は出ていない。
数学が人間の発見か発明かについてすらそうだ。
なぜ世界や宇宙はこれほど理解しやすいのか。数学はなぜ理解できるのか。
しかし、近代の抽象数学となると18世紀からすでに専門化は拭えず特殊な天才たちの鍛錬練磨した概念で出来上がっている。
それを一般の人々が理解できるようになるとは私には思えない。
理学部の数理系でなければ、本書でも直接は触れられない代数の群環体の理論、幾何の多様体論、解析の測度論など無縁だろう。物理ですら純粋数学のこれらの基礎は敬遠されるかもしれない。計算できればいいだけで。
最終的にゲーデルが数学を人間の発明品であると証明したかと言えば、それもそうではない。ゲーデル自身はプラトン主義者だった。
じゃあ、確率論的な世界観の量子論はあたりまえなのか。それも違う。量子論は変な確率論で当たり前ではない。
発見でも発明でもない。発見でもあり発明でもある。
結局、アインシュタインや量子論が理解されるようになるのは、これらそれぞれの大発見(大発明)が統合された上でもっと単純でもっと簡明に分かり易い形、逆に一目で理解できるような形にまとめられた時に初めてということになるだろう。
それは少なくとも私に言わせれば、神と考えている存在が数学者でもあるということ(が判る時)だと言っておいてもあまり間違いではないだろう。
数学が人間の発見か発明かについてすらそうだ。
なぜ世界や宇宙はこれほど理解しやすいのか。数学はなぜ理解できるのか。
しかし、近代の抽象数学となると18世紀からすでに専門化は拭えず特殊な天才たちの鍛錬練磨した概念で出来上がっている。
それを一般の人々が理解できるようになるとは私には思えない。
理学部の数理系でなければ、本書でも直接は触れられない代数の群環体の理論、幾何の多様体論、解析の測度論など無縁だろう。物理ですら純粋数学のこれらの基礎は敬遠されるかもしれない。計算できればいいだけで。
最終的にゲーデルが数学を人間の発明品であると証明したかと言えば、それもそうではない。ゲーデル自身はプラトン主義者だった。
じゃあ、確率論的な世界観の量子論はあたりまえなのか。それも違う。量子論は変な確率論で当たり前ではない。
発見でも発明でもない。発見でもあり発明でもある。
結局、アインシュタインや量子論が理解されるようになるのは、これらそれぞれの大発見(大発明)が統合された上でもっと単純でもっと簡明に分かり易い形、逆に一目で理解できるような形にまとめられた時に初めてということになるだろう。
それは少なくとも私に言わせれば、神と考えている存在が数学者でもあるということ(が判る時)だと言っておいてもあまり間違いではないだろう。
2020年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今、まさに数学、科学の時代である、分かりやすく書いてあったが、私には難しかった。ありがとうございました。
2017年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題名からどのような本か分かりにくいが、大雑把(間違っているかもしれないが)に言うと数学とは
発見(元から決まっている真理を数学者が解き明かしている)なのか、発明(数学者が都合よく考え出したもの)なのかが大きなテーマ。
テーマはさておき、数学の歴史本、解説本だと思って読めばとにかく読みやすい。
全9章で1~2章はアリストテレスだプラトンだとか哲学的な話があり若干分かりにくいが、(3章)アルキメデス、ガリレオ (4章)デカルト、ニュートン (5章)統計と確率 (6章)幾何学 (7章)論理 集合 あたりの説明が秀逸で、原作者もかなり分かりやすく説明してくれているが、翻訳者の訳注がさらに分かりやすく説明してくれる。(8章)はトポロジー (9章)はテーマに沿った内容で難しい。
何故読みやすいかと言うと、まず数式がほとんど出てこない。たとえ話が非常に分かりやすい。他の本によくある大数学者の人生について語る数学とはあまり関係のない部分(誰と誰が喧嘩したとか、誰に無視されたとか、精神を病んだとか)が簡潔で短い。
この手の本は書いている人が優秀すぎて途中置いてけぼりくらう事が多いのだが、その部分が少ない。
私がそうなのだが、計算するのは嫌いで数式を見てもチンプンカンプンなんだけれども数学や物理の話が好きな人に特におススメ。
中高生でも多少大人が用語を説明してあげればどうにか読めると思われる内容で、無味乾燥な数学の教科書にストーリーを補完できる出来る良書だと思う。
発見(元から決まっている真理を数学者が解き明かしている)なのか、発明(数学者が都合よく考え出したもの)なのかが大きなテーマ。
テーマはさておき、数学の歴史本、解説本だと思って読めばとにかく読みやすい。
全9章で1~2章はアリストテレスだプラトンだとか哲学的な話があり若干分かりにくいが、(3章)アルキメデス、ガリレオ (4章)デカルト、ニュートン (5章)統計と確率 (6章)幾何学 (7章)論理 集合 あたりの説明が秀逸で、原作者もかなり分かりやすく説明してくれているが、翻訳者の訳注がさらに分かりやすく説明してくれる。(8章)はトポロジー (9章)はテーマに沿った内容で難しい。
何故読みやすいかと言うと、まず数式がほとんど出てこない。たとえ話が非常に分かりやすい。他の本によくある大数学者の人生について語る数学とはあまり関係のない部分(誰と誰が喧嘩したとか、誰に無視されたとか、精神を病んだとか)が簡潔で短い。
この手の本は書いている人が優秀すぎて途中置いてけぼりくらう事が多いのだが、その部分が少ない。
私がそうなのだが、計算するのは嫌いで数式を見てもチンプンカンプンなんだけれども数学や物理の話が好きな人に特におススメ。
中高生でも多少大人が用語を説明してあげればどうにか読めると思われる内容で、無味乾燥な数学の教科書にストーリーを補完できる出来る良書だと思う。
2018年3月30日に日本でレビュー済み
オチが???という感じ。改変すんなよ。
戻して欲しい。早川じゃないやつ買ってみようかな。
戻して欲しい。早川じゃないやつ買ってみようかな。
2019年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今までぼんやりと学習してきた数学ですが
視点を変えるとここまで面白いのか!!と気づかされます。
そして、世界の創造者が数学者??という問いは非常に面白いです。
いつでも読み直したい一冊です。
視点を変えるとここまで面白いのか!!と気づかされます。
そして、世界の創造者が数学者??という問いは非常に面白いです。
いつでも読み直したい一冊です。