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新・日本の階級社会 (講談社現代新書) Kindle版
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
日本はもはや「格差社会」ではない、「階級社会」である、という現実
日本社会の格差はますます広がり、固定化され、〈階級社会〉と呼ぶべき様相を呈している。著者は最新の学術的データを用い、そんな現代の格差の輪郭を明瞭に描き出す。
「著者は以前から著作で、日本が階級社会への道を歩んでいることを指摘してきました。ここに来てそれがより多数の読者に手に取られるようになったのは、事態が悪化し、目を背けていた現実に向かいあわざるを得ない状況が生まれたからではないでしょうか」(担当編集者)
格差拡大が放置され続けたことで、膨大な貧困層が形成された。中間層も厳しい状況に追いやられている。わずかな躓(つまず)きで転落し、ひとたび貧困に陥ると、階級を上昇することは極めて難しい。本書は厳しい現実を冷静に指し示している。
「自己責任論に肯定的な、ある種エリートと呼ばれる立場にある方も、ご自身は中間層に留まることができても、お子さんまでそうとは限りません。就職の失敗や、大きな病気や怪我などで、貧困層になりうる可能性は多々ある。そうした不安から本書を手に取る方も多いのかもしれません。本の中で1章分を割いている、女性たちからの反響も大きいですね。女性の階級は配偶者に左右されがちで、死別などをきっかけに困難な立場に置かれることが多い。『明日は我が身』のような不安が、今の日本社会全体に漂っているのではないでしょうか」(担当編集者)
評者:前田久
(週刊文春 2018年04月12日号掲載)登録情報
- ASIN : B078TNC8RW
- 出版社 : 講談社 (2018/1/16)
- 発売日 : 2018/1/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 28855 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 302ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 5,994位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 133位講談社現代新書
- - 159位社会学概論
- - 202位社会学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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そのうえで、個人的に各章のポイントを挙げると以下のようになる。
第一章 貧困の自己責任論について
全体の過半数が自己責任論について肯定的である。また、貧困層でも肯定的な回答が44%を占め、自分の貧困の責任を自分の責任によるものとして受け入れている。
第二章 現代社会の階級構造について
現代社会では、経営者、役員の「資本家階級」、被雇用者の管理職・専門職・上級事務職からなる「新中間階級」、5人未満の自営業者の「旧中間階級」、被雇用者の単純事務職・販売職・サービス職からなる「労働者階級」の4つの階級によって構成される。
第三章 アンダークラスについて
4つの階級に加えて、2015年以降、所得水準が極端に低く、一般的な意味での家族を形成・維持することから排除され、多くの不満を持つ第5の「アンダークラス」という最下層階級が、就業人口の約15%を占めるという大きな存在になった。
第四章 階級の固定化について
親が資産家である者は資産家になりやすくなり、親が労働者階級の場合は子供も労働者階級になりやすい。しかし、新中間階級が親である者は同じ新中間層にはなりにくくなった。これはバブル期採用世代と就職氷河期世代の間に大きな格差があるため。
第五章 女性たちの階級社会について
女性は、本人と配偶者が資本家階級か新中間層の場合は豊かな生活を送れるが、両方が下層階級だったり本人が下級階層もしくは無職で配偶者がいない場合は、厳しい生活となる。
第六章 格差の解消とその原因について
資本家、新中間層、正規労働者には、所得再配分には消極的で、排外主義的な傾向が強く、アンダークラスでは、所得再配分に積極的で、排外主義的な人が多い。追い詰められたアンダークラスに「ファシズムの基盤」が芽生え始めている。
第七章 格差縮小にむけて
格差の縮小には、「賃金格差の縮小」「所得の再分配」「所得格差を生む原因の解消」が必要。同時に格差の「自己責任論」を捨てさせることが必要。
以上となる。以下に個人的な見解を述べる。
まず、「自己責任論」に厳しい態度だが、これには理解はしつつも同意しにくい。筆者は就職氷河期に正社員になれなかったのは社会の責任であるとしているが、正社員の採用規模が景気によって左右されるのは当たり前で、就職氷河期の対象者だけを優遇するのは解せない。著者が卒業された東京大学でも学園紛争で学生の募集を停止した年度があったはずだが、それで入学できなかった高校生がかわいそうだ、という話にはさほど拡大しなかったはず。
次に、大学進学について。著者は税金で給付型の奨学金を充実させて、利用者には返済可能となった就職時点から「大学教育税」を課すとしている。これについては「そもそも大学教育をこれ以上拡充する必要があるのか」という疑問を持っている。私立大学の40%近くが定員割れで、偏差値の付けようがないFランクの大学が続出しているのにである。これはとある採用関係者から聞いた話だが、就職希望者に一般常識のペーパーテストを行ったら、Fランクの大学生よりも商業高校の生徒の方が成績が良かったそうだ。大卒を応募条件にしている企業側の姿勢も問題だろう。おりしも成人年齢が18歳に引き下げられることもあり、バカな大卒よりもまじめな高卒を採用、育成した方が有利という社会認識に変えていくべきだと思う。
最後に生活保護制度と資産税・富裕税について。これはいつも思うのだが、例えば同じ会社に入って(例のため厚生年金、退職金はなしとする)同じ時期に同じ役職で退職した2人がいたとする。片方は月給、ボーナスを自分の趣味や遊行費に使い退職時の資産・貯金はゼロ、当然のように生活保護を申請する。もう片方は将来に備えるため生活費を削って貯金、個人年金、有価証券等に投資、まとまった資産を残したとする。この場合、好き勝手に暮らしてきた人間に生活保護を認めるのは、例え生存権が憲法で保障されていても心情的に合点がいかないし、倹約、努力して財をなした人に「あなたは資産があるから税金を払いなさい」では、あまりにも不平等ではないだろうか。
さて、ここで本書について考察をひとつ。
データを独自の視点で分析、その傾向をあぶり出すという点で本書は非常に参考になることは確かである。弱者の側に立つという姿勢を明言しているのも潔く、共感できる点も多かった。
ただ、「自己責任論」を諸悪の根源のように敵視するのはどうかと思う。実際に本書のデータでも貧困層の半数近くが貧困の原因を自己にあると認めている訳で。どうせなら自己責任の範囲でどのような対応ができるのかを探るような考察があれば良いのにと感じた。
おそらく著者の本意は、アンダークラスを含む労働者階級などがまとまって支持できる政党(立憲民主党を意識?)が自民党に対峙することを期待しているのだろう。
ただし、そこで結論付ける論調に疑問がある。
まず、そこに至った状況は、政権の無策ばかりではなかろう。
著者は「自己責任の限界」と言いきっている。そうだろうか?
これは、少子化問題で「子供たくさん作る策を考えよう」「都市の在り方を再構築しよう」というのと同じで、政策のせいにするのは無理がある。
人の意思の自由によって辿り着いた結果でもあるからだ。
現在もし日本に階級がるとしたら、それは、自由競争のもとに
「自然に出来た階級」であって、特段の差別的な政策がなされて出来た結果ではないと思う。
バブル期以来、教育や性差による差別はあっただろうか。
むしろ改善されている。
過度な競争主義の政策はあっただろうか?
この現象は、自由主義の中ので、人々が辿り着いた結果であろう。原因があるとしたら、人々の成熟しすぎた意識の結果である。
修正は必要だが、自民党を富裕層の代弁者とまでいうのは、極論にすぎる。
「一億中流意識」は確かに薄れた。
しかし上下に分断されたかと言えばそうでもあるまい。百歩譲って分断されたのならば、それも大衆欲求の辿り着いた結果に過ぎない。
政策のせいではない。
久方ぶりに就活状況は「売り手市場」になっている。
そこでは学生たちから「土日休めなければいやだ」「一日八時間も働くんですか?」という質問が飛び出すそうだ。
これ「自己責任の限界」だろうか?
自由な競争が行われる環境があるのに、単に努力する人間と、しない人間に分離したただけではないだろうか。
もちろん、社会的弱者は救済されなければならない。
その政策は常に必要だ。
ただし、中流階級から転げ落ちる事態を単に政策のせい、環境のせいと位置付けることには恐ろしいほどの違和感を覚える。
同じ環境でも、上に上がろうとする人間と、何もせずに「中の中」にいたい人間がいる。
高度成長期と異なり、何もせずに、その場にいられなくなったというだけのことではあるまいか。
という自分の疑問が、この本で解決しました。
階級先進国のイギリスとはまた違った、日本の社会問題を大いに孕む日本独自の階級が
この日本社会に隠されていることが分かった。
表やグラフをつかった説明が多用されているので、表やグラフをいつでも見返せるように
スマホで写真を取ると読みやすくなります。
この本で説明されている「階級」は、ピラミッド構造に組み込まれている「資本家階級」「新中産階級」「労働者階級」「アンダークラス」と、このピラミッドからははみ出している「旧中産階級」の5つのクラス。
それぞれ、日本の人口の何割程度を占めていて、どのような考えをしているのか(政治的信条などを含む)の傾向についても細かくデータに基づいてまとめられています。
今、日本がどのような社会になってしまっているのかをまざまざと知るには、この本が一番いいです。そして、この本から学んだことを、どうやって毎日の生活に生かすか(逆説的ですが、この本をきちんと読める人であれば、自分の生活や身の回りに対して真っ当な危機感を抱ける筈です)。
そういう意味で文句なしの五つ星、と言いたい所なのですが、少し物足りなかったのは、「世代別の所属階級比率」のデータについてもまとめて欲しかった、ということ(無理を承知で書いています)。
というのも、「新中産階級」1つとっても、20代、30代、40代、50代では、純資産額、可処分所得額、可処分時間量などがばらけてしまうでしょうから、それらを一括りにして「新中産階級はこう」という話をされても、あまりデータとしては意味をなさないのではないかと思います(私はギリギリ20代の旧中産階級に属しますが、恐らくこの年代でこの階級は母数が少ないので、データ自体があまりあてにならない、と考えています)。
まあ、そこまで厳密な話をするといくら紙面があっても足りないでしょうし、それを個別具体的に考えるのは、読者の「仕事」ということは承知で書いていますが、この本で書かれているデータは包み隠しのないものである一方、このデータを自分でどのように「調理」するかも求められる、深い1冊と言えると思います。
我が国において大きな位置を占める階層である
「公務員」(地方・中央、議員も含む)という特権階級について
全然触れていないのがどうしても引っかかる。
その権力、絶対数、収入など絶対に無視できない階級のはずだ。