劇場で観たのを含めて、今回で3回観た。ようやくこの作品の価値が分かった気がする。
1回目には薄っすらとした理解だったが、今ではよく分かる。分からない人は何回も繰り返し見るべきだ。
その価値がある。
ポイントは、主人公の彼女が時々回想するように見えるシーンは未来の出来事だという事だ。では、彼女はどのようにして未来を知る能力を備えるに至ったのか。それは彼女が異星人と言葉を理解し合う過程で次第に体得した能力なのだ。そして、それが最終的な解決をもたらす事にもなる。
彼女自身の未来について知った事には哲学的な意味合いもある。だが、世界の未来について知った事は物語のSF的な解決のために必要だった。
よく分からないという人はYouTubeで岡田斗司夫氏のこの映画への講義を見ると理解できるだろう。
「インターステラー」も面白かったが、あれは極めて SFっぽい作品で、最後を除いて大体は理解できるだろう。
本作は「インターステラー」よりも少し深い作品になっているように思うが、どちらが優れているかと言うよりも、狙いや持ち味の違いだろう。共通するのは様々な愛情の有り様だ。
異星人の造形はどうかと思わないでもないが、あの表意文字の表現などは、実にリアルに感じた。従来のSF作品には無い特徴だ。
ともかく分かるまで何度も繰り返し観て欲しい。決して無駄な時間にはならないだろう。