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日本語ラップのポップスとしての完成形または日本人にとっての理想形のひとつが、ここに誕生！！辛酸と悲しみを乗り越えて、日本人にしかできないグルーヴが編み出された。
90年代に盛り上がった日本語ラップは、ゼロ年代半ばに急に失速し、いままた復活しつつあるも、日本では目新しいフリースタイルや、やや毛細管的に言葉とリズムの技巧を凝らしたーー例えば志人（素晴らしいが）のような方向性ばかりが目立つ。
ヒップホップの原義たる、新しい（ヒップな）ポップスとしてのヒップホップの、日本における新しい方向性は未だ誰にも示されていなかったが、ハイパーヨーヨという女子ユニットこそが涙と渇きを超えて、これを実現したのだった。
極私的なメッセージであるはずの歌詞も、彼女達が歌う飢えと渇きが、時代自体の飢えと渇きに同期してしまい、つまりは普遍的な「この時代」へのメッセージへと図らずも昇華している。
コトバとそのメッセージ、リズムとサウンド、そして後半からの泣かせるメロディとコーラス、そしてまた畳み掛けるラップ。まさに彼女達初期の「美メロ歌メロラップ」の完成でもあった。ヒップホップファンのみならずフォークソングファンや演歌ファン、またクラブ・音響派的な音楽ファンは勿論、アイドル・歌謡曲ファンや演歌ファン、そしてなにより飢えた若い詩人達ーーその全てに勧めたい、まさに必聴盤。
