少しネタバレになってしまいますが、主人公に突き付けられるのが『世界を取るか、彼女を取るか』というよくある『トロッコ問題』だけど、良くいるヒーローは『世界も彼女もどっちも救う!』と言ってやってのけてしまうので、どちらかを選ぶこの作品はかなり珍しいと思う。
そういう意味で、『受ける』作品ではないけど、『良い』作品だと思います。
まず最初の方から主人公の帆高が家出→ネットカフェ→マクドナルドとホームレス一直線なで等身大の『田舎の家出高校生』って感じですし。
私は映画→小説の順に楽しみました。
小説だと周りのキャラの心情とかもよくわかるので、映画の補完のような形で読むのがいいと思います。
須賀さんに共感するところがあったり、帆高が夏美さんをこんな風に見てたんだとか発見があり、天気の子がさらに好きになりました。
あと、天気の子を気に入っている方であれば、あとがきと解説はぜひ読んでほしいです。
あとがきを読んだ後にラストシーンを見返すとグッときますので、おすすめです。
個人的にはエンドロールの先の話が気になりますが、新海誠作品なのでそのあたりはありません。
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小説 天気の子 (角川文庫) Kindle版
高校1年の夏、帆高(ほだか)は離島から家出し、東京にやってきた。連日降り続ける雨の中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は不思議な能力を持つ少女・陽菜(ひな)に出会う。「ねぇ、今から晴れるよ」。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――。天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。長編アニメーション映画『天気の子』の、新海誠監督自身が執筆した原作小説。
(C)2019「天気の子」製作委員会
(C)2019「天気の子」製作委員会
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2019/8/1
- ファイルサイズ1496 KB
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商品の説明
著者について
●新海 誠:1973年長野県生まれ。アニメーション監督。2002年、ほぼ1人で制作した短編アニメーション『ほしのこえ』で注目を集め、以降『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』を発表し、国内外で数々の賞を受ける。自身の監督作を小説化した『小説 秒速5センチメートル』『小説 言の葉の庭』も高く評価された。2016年公開の映画『君の名は。』は社会現象となる大ヒット。自ら執筆した『小説 君の名は。』も170万部を超えるベストセラーとなった。
登録情報
- ASIN : B07TXN8GK1
- 出版社 : KADOKAWA (2019/8/1)
- 発売日 : 2019/8/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1496 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 243ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 96,778位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1973年長野県生まれ。映画監督・映像作家。ゲーム会社に勤める傍ら、自主制作アニメーション『ほしのこえ』を2002年に発表、数々の賞を受賞。04 年に『雲のむこう、約束の場所』で、毎日映画コンクール・アニメーション映画賞を受賞。07年『秒速5センチメートル』を公開し、ロングラン上映を記録。 『小説・秒速5センチメートル』で小説家としてもデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『ほしのこえ The voices of a distant star』(ISBN-10:4840131376)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2022年11月3日に日本でレビュー済み
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2022年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは未来に生きる子どもや、今を悩む青年に向けられたエールだと思う。
大人になると大切なものの順番を入れ替えられなくなる。大切なものを得るのであれば、その代償はとても大きなものである。それでも、世界の形を変えてしまうほど大きな代償を払うことになっても、大切なものを選んでほしい。それがあれば、きっと狂った世界でも上手に生きていくことができるのだから。きっと彼らは大丈夫だ、きっと君たちも大丈夫だ。
そんな新海誠の声が聞こえるような気がする。
大人になると大切なものの順番を入れ替えられなくなる。大切なものを得るのであれば、その代償はとても大きなものである。それでも、世界の形を変えてしまうほど大きな代償を払うことになっても、大切なものを選んでほしい。それがあれば、きっと狂った世界でも上手に生きていくことができるのだから。きっと彼らは大丈夫だ、きっと君たちも大丈夫だ。
そんな新海誠の声が聞こえるような気がする。
2019年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは世界を変える物語。
欲しいものを選択する個人的な物語。
個人的に夏美さんの描写が素晴らしかった。
子どもでもない大人でもない時に見つけるホンモノを。
欲しいものを選択する個人的な物語。
個人的に夏美さんの描写が素晴らしかった。
子どもでもない大人でもない時に見つけるホンモノを。
2019年7月19日に日本でレビュー済み
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ダヴィンチニュースのインタビュー記事 (https://ddnavi.com/interview/549098/a/) を読みました.小説版があることを知り,すぐに購入しました.
前作「君の名は。」についても友人の勧めで「君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)」を購入していました.
本編との別視点で描かれたストーリーが非常に素晴らしかったので,今回も「映画の補足・傍用に」と考え読むことにしました.(※前回は映画→書籍,今回は書籍→映画の予定です)
◆総評:非常に面白く読めました.
読後に得も言われぬ優しい感覚がじんわりと体に染み込んでいくような.
「素敵な作品に会えたな」という心地がしています.
※以下やんわりネタバレを含みます
時系列で感想を寄せたいと思います.
►物語序盤~中盤
序章の回想から始まります.伏線だったり抽象描写だったり....
漠然とタイトルから「のんびり始まる」ような気がしていた私はいきなり戦線に放り出された気分でした.(※1章からは帆高視点の やさしい記述 に代わり安心しました...!)
読み進める中で,「(この流動的な幻想風景,細かい風景描写は文章もさることながら,映像ではさぞ圧巻なんだろう...)」と何度も思いました.是非映画でも見てみたいです.
►中盤
家出少年の八方ふさがりだった生活も軌道に乗り始め,色々と成果が出始める頃.こういった描写は読んでてワクワクします.大好きです.
ただ,展開や要素が足並みを揃えた頃.
「(...自然災害&思春期男女&かっこいい女性&神事・伝統描写...??...?...まるかぶり...やん...??)」
...などと.正直けっこうがっかりしてしました.君の名とは違う魅せ方の作品に期待していたため複雑でした.
►終盤
物語はクライマックスへ.これまでの伏線回収,「100%の晴れ女」のルーツ,指名手配と.
目白押しの展開に,惹き込まれて読みました.(ただ強いて言えば,逃避行がインモラル過ぎ→帆高への「同情」より「腹立ち」が目立つ心持ちだったりしました)
陽菜が「遥か高みに上る」.今作はそういう話なのか,と覚悟をきめつつ,物語は終幕へ.
ここまで読んだ感想としては「映画作品の小説はこういう文量なのか」.
アクションや情景描写が多く,字で読む分には少し物足りなかったな.というのが正直な感想でした.
(►考察...するほど多くの作品に触れていませんので割愛いたします.「前作の何人かは作中で登場していたり...」といった部分があったり等々.)
►あとがき ►解説
新海監督によるあとがき・RADWIMPSの野田洋次郎氏による解説.
変な話ですが,私は正直この章の文章を読んでいて1番「しっくり」来ました.
「作品解釈を語ったり添えたりするのは野暮」との考えも分かるつもりではいますが,
私はこの章が読めて良かったと思いました.
新海氏の「君の名は。」で語られた批判を経ての今作だということ.
野田氏の,信頼されているからこそ互いに成し得た成果だということ.
小説を読んで浮かんでいた「わだかまり」があとがきを読むことでじんわりと溶けた気がします.
映画はまだ見ていないので,小説を読む前に見るべきか,後に見るべきかは判りかねます.
とりあえず私は映画も見に行こうと思っています.
前作「君の名は。」についても友人の勧めで「君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)」を購入していました.
本編との別視点で描かれたストーリーが非常に素晴らしかったので,今回も「映画の補足・傍用に」と考え読むことにしました.(※前回は映画→書籍,今回は書籍→映画の予定です)
◆総評:非常に面白く読めました.
読後に得も言われぬ優しい感覚がじんわりと体に染み込んでいくような.
「素敵な作品に会えたな」という心地がしています.
※以下やんわりネタバレを含みます
時系列で感想を寄せたいと思います.
►物語序盤~中盤
序章の回想から始まります.伏線だったり抽象描写だったり....
漠然とタイトルから「のんびり始まる」ような気がしていた私はいきなり戦線に放り出された気分でした.(※1章からは帆高視点の やさしい記述 に代わり安心しました...!)
読み進める中で,「(この流動的な幻想風景,細かい風景描写は文章もさることながら,映像ではさぞ圧巻なんだろう...)」と何度も思いました.是非映画でも見てみたいです.
►中盤
家出少年の八方ふさがりだった生活も軌道に乗り始め,色々と成果が出始める頃.こういった描写は読んでてワクワクします.大好きです.
ただ,展開や要素が足並みを揃えた頃.
「(...自然災害&思春期男女&かっこいい女性&神事・伝統描写...??...?...まるかぶり...やん...??)」
...などと.正直けっこうがっかりしてしました.君の名とは違う魅せ方の作品に期待していたため複雑でした.
►終盤
物語はクライマックスへ.これまでの伏線回収,「100%の晴れ女」のルーツ,指名手配と.
目白押しの展開に,惹き込まれて読みました.(ただ強いて言えば,逃避行がインモラル過ぎ→帆高への「同情」より「腹立ち」が目立つ心持ちだったりしました)
陽菜が「遥か高みに上る」.今作はそういう話なのか,と覚悟をきめつつ,物語は終幕へ.
ここまで読んだ感想としては「映画作品の小説はこういう文量なのか」.
アクションや情景描写が多く,字で読む分には少し物足りなかったな.というのが正直な感想でした.
(►考察...するほど多くの作品に触れていませんので割愛いたします.「前作の何人かは作中で登場していたり...」といった部分があったり等々.)
►あとがき ►解説
新海監督によるあとがき・RADWIMPSの野田洋次郎氏による解説.
変な話ですが,私は正直この章の文章を読んでいて1番「しっくり」来ました.
「作品解釈を語ったり添えたりするのは野暮」との考えも分かるつもりではいますが,
私はこの章が読めて良かったと思いました.
新海氏の「君の名は。」で語られた批判を経ての今作だということ.
野田氏の,信頼されているからこそ互いに成し得た成果だということ.
小説を読んで浮かんでいた「わだかまり」があとがきを読むことでじんわりと溶けた気がします.
映画はまだ見ていないので,小説を読む前に見るべきか,後に見るべきかは判りかねます.
とりあえず私は映画も見に行こうと思っています.
2019年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり難しく複雑な映画なので、、
1度で、全てを理解し楽しむのは、ほぼ不可能です。
(下に、ストーリーに関係ない範囲で、少しだけネタばれがあります。)
まず、本作は、生まれながらに世界140もの国と地域での上映が決まっており、生活習慣がまるで日本と違う国でも、登場人物の行動などに違和感がわかないように、主人公の人物象などの詳細が、ほぼ空白になっている為、短い間に自分なりのストーリーを作りながら観ないと置いて行かれます。
たとえば、主人公が、拳銃を使うシーンがあります。日本では、極めて違和感のあるシーンですが、海外とくに途上国では、特段めずらしいことではなく、前作『君の名は。』が、あまり人気の出なかったブラジルでは、毎年数百人の子供が、銃器に伴い警官に射殺されている現実があります。そう、この映画は、グローバルスタンダードな視点で、鑑賞する必要があります。
そこに加えて物凄い情報量の映画です。ストーリーを補完しないといけないは、情報は分析しないといけないは、忙しい映画なので、一度では本当に楽しめきれない映画です。
ここで、ネタバレを1件、この映画には、前作の瀧と三葉が登場します。
三葉の胸には、『miyamizu』の名札がありました。
映画館を出る時に、「瀧君まだプロポーズしてないんだ、、ひどい」と言いながら出て行ってたカップルがおられました。
小説版の終盤に、瀧君のおばあちゃん冨美さんの部屋の描写があります。(映画本篇でも描かれているようです。)
「部屋 には いくつ か 写真 が 飾ら れ て いる。 亡くなっ た 旦那 さん らしき おじいちゃん。 賑やか な 家族 の 集合 写真。 お孫さん の 結婚 写真。」
瀧と三葉ちゃん、無事に結婚したようです。
2度観ましたが、映画本篇では、終盤で一瞬なので、私は気が付きませんでした。
一度しか観に行かない方には、超おすすめです。
1度で、全てを理解し楽しむのは、ほぼ不可能です。
(下に、ストーリーに関係ない範囲で、少しだけネタばれがあります。)
まず、本作は、生まれながらに世界140もの国と地域での上映が決まっており、生活習慣がまるで日本と違う国でも、登場人物の行動などに違和感がわかないように、主人公の人物象などの詳細が、ほぼ空白になっている為、短い間に自分なりのストーリーを作りながら観ないと置いて行かれます。
たとえば、主人公が、拳銃を使うシーンがあります。日本では、極めて違和感のあるシーンですが、海外とくに途上国では、特段めずらしいことではなく、前作『君の名は。』が、あまり人気の出なかったブラジルでは、毎年数百人の子供が、銃器に伴い警官に射殺されている現実があります。そう、この映画は、グローバルスタンダードな視点で、鑑賞する必要があります。
そこに加えて物凄い情報量の映画です。ストーリーを補完しないといけないは、情報は分析しないといけないは、忙しい映画なので、一度では本当に楽しめきれない映画です。
ここで、ネタバレを1件、この映画には、前作の瀧と三葉が登場します。
三葉の胸には、『miyamizu』の名札がありました。
映画館を出る時に、「瀧君まだプロポーズしてないんだ、、ひどい」と言いながら出て行ってたカップルがおられました。
小説版の終盤に、瀧君のおばあちゃん冨美さんの部屋の描写があります。(映画本篇でも描かれているようです。)
「部屋 には いくつ か 写真 が 飾ら れ て いる。 亡くなっ た 旦那 さん らしき おじいちゃん。 賑やか な 家族 の 集合 写真。 お孫さん の 結婚 写真。」
瀧と三葉ちゃん、無事に結婚したようです。
2度観ましたが、映画本篇では、終盤で一瞬なので、私は気が付きませんでした。
一度しか観に行かない方には、超おすすめです。
2022年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プレゼント用 良かったとの回答
2019年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「君の名は」は結構好きだったけど、正直「天気」なんて身近すぎて興味もないテーマに、あんまり食指が動かない。CMはめっちゃやってるけどタイアップが多すぎて商業臭い。
そういう方も多いと思うし、事実自分もそうだった。
信頼する人に、この小説版を勧められたので買ってみたら、耐え切れず映画もすぐに見に行ってしまった。
これはよくある映画ノベライズ作品ではない。
原作小説でもない。
相互補完的な不思議な関係だと思った。
本を読んでから見ると、映画の演出にはっとさせられる。例えば主人公・帆高がなぜ家出をしたのかがフェルメールの絵画のように寓意されている。これは小説で言葉で説明されるとシラケるようなことを画面から発見する喜びがあった。
逆に先に映画を見た人は、小説の方では個々人の背景や一人称の来歴と思考の機微が説明してもらえる。例えば夏美(登場人物)がどんな環境で育って、どんな状況にいるかそれを知ることで映画の中の彼女の行動や言動を納得感を持って追憶できるはずだ。
誰もが今、あるいはかつて、帆高のように、不自然で、欺瞞に満ちた曇った大人達が作った息苦しい家庭・学校・社会から抜け出すために足掻いたことがことがあると思う。
だが、「大人になる」、この作品のテーマでもあることだが、と換気扇のフィルターのように、たまにチェックしないと自分のココロの汚れに気づくなってしまう。
この作品は、都会の煤にまみれた自分には恵みの雨のようだった。
反抗期の少年が家出して、ボーイミーツガールして世界の形を変える? しょうもないジュブナイル小説だという人もいると思う。
だけど、この物語で心を動かされて涙できる大人になりきれない自分に安堵に似た感情も感じることができるはず。
晴れ間の見えない今の東京と作中の世界観も重なり、今このタイミングでこの作品に出会えて良かった。
映画制作の激務の傍らで小説という形でも作品を届けてくれた新海さんと、この珍しい映画と小説という相補的な作品形態を企画してくれた版元さんに心から感謝申し上げます。
(補足)
映画を見る前の方向けに本書以外の事前知識として、まだThe Catcher in the ryeを読んでいないのであれば読んでおくと、作品の中では深く語られない帆高(多分Catcher~の主人公の名に由来と推測)の背景について補完できると思いました。
そういう方も多いと思うし、事実自分もそうだった。
信頼する人に、この小説版を勧められたので買ってみたら、耐え切れず映画もすぐに見に行ってしまった。
これはよくある映画ノベライズ作品ではない。
原作小説でもない。
相互補完的な不思議な関係だと思った。
本を読んでから見ると、映画の演出にはっとさせられる。例えば主人公・帆高がなぜ家出をしたのかがフェルメールの絵画のように寓意されている。これは小説で言葉で説明されるとシラケるようなことを画面から発見する喜びがあった。
逆に先に映画を見た人は、小説の方では個々人の背景や一人称の来歴と思考の機微が説明してもらえる。例えば夏美(登場人物)がどんな環境で育って、どんな状況にいるかそれを知ることで映画の中の彼女の行動や言動を納得感を持って追憶できるはずだ。
誰もが今、あるいはかつて、帆高のように、不自然で、欺瞞に満ちた曇った大人達が作った息苦しい家庭・学校・社会から抜け出すために足掻いたことがことがあると思う。
だが、「大人になる」、この作品のテーマでもあることだが、と換気扇のフィルターのように、たまにチェックしないと自分のココロの汚れに気づくなってしまう。
この作品は、都会の煤にまみれた自分には恵みの雨のようだった。
反抗期の少年が家出して、ボーイミーツガールして世界の形を変える? しょうもないジュブナイル小説だという人もいると思う。
だけど、この物語で心を動かされて涙できる大人になりきれない自分に安堵に似た感情も感じることができるはず。
晴れ間の見えない今の東京と作中の世界観も重なり、今このタイミングでこの作品に出会えて良かった。
映画制作の激務の傍らで小説という形でも作品を届けてくれた新海さんと、この珍しい映画と小説という相補的な作品形態を企画してくれた版元さんに心から感謝申し上げます。
(補足)
映画を見る前の方向けに本書以外の事前知識として、まだThe Catcher in the ryeを読んでいないのであれば読んでおくと、作品の中では深く語られない帆高(多分Catcher~の主人公の名に由来と推測)の背景について補完できると思いました。
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Leon
5つ星のうち5.0
Great book for my JAP 101 reading assignment
2021年6月16日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
So I bought this book for my Japanese class for university, and by gosh it is so good. I was able to also watch the movie too after this so it felt nice knowing things prior without feeling like information was left out. I will say that there are things in the book that aren't needed to watch the movie; but if you want more background would recommend to read this book. Finally if you can read Japanese and want to good story I highly recommend.