『科学哲学』(アレックス・ローゼンバーグ著、春秋社)を読む。
科学は世界についての正しく、確実な知識をもたらしてくれ、科学的研究は世界の真実の姿へと前進する営為である。どういう根拠でそういえるのか。本書は科学哲学の入門書という立場から、科学において使われる演繹と帰納についての説明、理論における公理と定義、そして科学理論における実在論非実在論とはそれぞれどういうものかをていねいに検討していく。また確率の概念についても解説され、ベイズ主義の考え方が紙面をとって説明されているところが特徴的だ。ポパーやクーン、ラカトシュ、ファイヤーベントなどの考えが手際よくまとめられている。教科書らしく章末には、要約と設問、参考文献が掲げられているし、偏りのないバランスのとれた構成となっている。『科学哲学の冒険』(NHKブックス)を読んで次に進む際に適当な本。

科学哲学―なぜ科学が哲学の問題になるのか (現代哲学への招待 Basics)

科学哲学―なぜ科学が哲学の問題になるのか (現代哲学への招待 Basics)

  • 作者: アレックスローゼンバーグ,Alex Rosenberg,東克明,森元良太,渡部鉄兵
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2011/11/01
  • メディア: 単行本
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