鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2015年06月02日のつぶやき

読書録「明日のプランニング」

・明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法
著者:佐藤尚之
出版:講談社新書(Kindle版)



個人的に作者(さとなおさん)のファンなので購入した作品。
まあ直接的には「広告」とは関係のない仕事をしているので、前作(明日のコミュニケーション) と同様、「ソーシャルメディアのあり方なんかを教えてもらえれば」くらいの感じで読んだんですが、存外自分の仕事がらみのことを色々考えさせられました。
ちょっと意外w。


現在の社会が、浴びるように情報を入手し、各種ツールを駆使する層(砂一時代の層)と、ほとんどネットに触れない層(砂一時代以前の層)に二分されているっていう分析は、若干数値的な精密度には「?」なものの、感覚的には「そうかなぁ」というのがある。
確かに情報量はものすごく増えてて、積極的にそこに接していると、個々の情報は「砂浜の一粒の砂」になっちゃいますわな。で、そういう風に情報に接しない層も相当数あって、その双方が互いの状況を理解しあえなくなってる…ってのも感覚的には分かります。
個人的にはこの中間に位置する「グレーゾーン」のボリュームが大きくて、自分もそこに含まれてると思ってるんだけど、大きな「絵図」としてはこの区分は整理ができていいと思います。


本書ではこの区分を前提に、「砂一時代以前の層」には従来通りの「マス」でのアプローチを提示しつつ、「砂一時代の層」に向けた「ファンアプローチ」のあり方を論じています。
この区分に基づいたチャート図を提議したのと、「砂一時代の層」へのアプローチ方法を整理し、提案している点が本書のポイントでしょう。


僕個人が自分に関連付けて考えさせられたのは、この「砂一時代の層」に向けたファンアプローチについて。
正直言えば、僕が働いてる業界の情報感度はさほど高くないと思ってるし、顧客層もどちらかと言えば「砂一時代以前の層」の方が多いんじゃないかと思います。
にも関わらずココに興味を惹かれたのは、「商品特性から顧客定着度が高い」から。
「ファン」とまでは言えないかもしれませんが、「継続購買層」が多いってのが、この業界だと思うんですよ。
だとすれば、その層をいかにして「ファン」化して、満足度を高めることで、オーガニックな言葉を広げてくれる層にしていくか?
いや、これってまさに今、「考えなきゃいけない」って思ってたことなんですよね。
「最強のファンは社員」
なんてのも、「ワクワクする職場をつくる。」にもつながる話だったりします。


だからSNSを活用して
って風にはなりませんし、本書が言いたいのもそういうことじゃないでしょう。
でも「ファンになってもらう」っていうのはすごく大切なこと。
その基点をメーカーである我々ではなく、販売店である代理店さんにおいて考えることが、すごく重要なんじゃないか…っていうのが、本書を読んでの僕の気づきです。


「じゃあ、どうやるの?」
ってのは、やっぱり難しいんですけどねぇ…。