2010-02-13(土)
■[本]ARのすべて-ケータイとネットを変える拡張現実

- 作者: 日経コミュニケーション編集部
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現在はアミューズメントの分野で多く使われているAR技術を、より我々の生活に密着した「生活を豊かにするための技術」として使うには、どういった研究が必要なのかについて、様々な方面でAR技術を研究する方々がそれぞれ研究されている事を語っているのがこの「ARのすべて-ケータイとネットを変える拡張現実」です。
・・・さて、そもそも「AR技術」って一体なんなのでしょう?
AR(Augmented Reality/拡張現実)技術とは、『拡張現実(かくちょうげんじつ)とは現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを示す』ものであり、また『バーチャルリアリティと対を成す概念。強化現実とも呼ばれ、現実の環境(の一部)に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示することを特徴とする』といった技術です。(以上、『』内はWikipediaより抜粋)
とはいえ、パッと言ってイメージが若いにくいと思います。より具体的に言うと、模様が印刷された紙1枚しかない部屋をWebカメラで撮影すると、パソコンの画面ではその模様(マーカー)の上に3Dのロボットが動いていたり、はたまた可愛い熊のぬいぐるみが見えたりするといった具合に思っていただけると、比較的想像しやすいと思います。
上記ではただ3Dの物体を映し出すだけですが、たとえば携帯電話のカメラとGPS位置情報、加速度センサー、地磁気センサーの情報を組み合わせることで、携帯電話のカメラで撮影した動画に対して、立体でわかりやすい位置情報を表示したり、近くのおいしいお店の位置を画面に上乗せする形で見せてくれるような状態にすることで、お勧めの食べ物だけではなく場所までもが非常に直感的に扱える情報として、デジタルデバイスに表示するといったことが可能となります。
そういった今後確実に我々の生活にかかわってくる「AR技術」を知るために、Webの情報だけではなく書籍をもって知るというのも中々よいのではないでしょうか。とはいえ、他の本以上に「旬の技術を単行本にしている」ため、鮮度が命の本であることは事実であるため、ご興味をもたれたのであれば早め読まれることをお勧めいたします。
2010-02-05(金)
■[本]小説 盛田昭夫学校 (上巻/下巻)/MADE IN JAPAN

- 作者: 江波戸哲夫
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2005/04/21
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- 作者: 江波戸哲夫
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2005/04/21
- メディア: 単行本
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本著は、ソニー(および前身である東京通信工業から)の創設者のうちの一人、盛田昭夫氏の実話をベースにした小説で、ソニーに関する多種多様な参考文献のみならず、実際に部下としてともに働いていた方々の証言を交え、生まれから死までを上下巻 885ページに凝縮しています。
「盛田昭夫」という人物が、部下や国内外のVIPからどのように感じ取られていたのか、どのようにしてソニーという会社を育て世界ブランドまで成長させたのかを、物語は三人称からであったり、ともに働いた部下たちの目線であったりで語られています。
トランジスタラジオ、トリニトロン、ベータマックス、ウォークマンと要になる商品についても描かれており、その快進撃と失敗の歴史を紐解く本書は、読み進めるごとにSONYの、盛田昭夫の世界へとのめりこんでしまうようになっており、久々に時間が短く感じるほど読んでいて楽しい本でした。
MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)
- 作者: 盛田昭夫,エドウィンラインゴールド,下村満子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1990/01
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なお、小説では戦後の話からになっているため、盛田昭夫氏の生い立ちの詳しい内容であったり、海軍在籍時にどのような出来事があったのかについては、ご本人が書かれた『MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫) (文庫)』をあわせて読んでみることをお勧めいたします。
1990年に出版されたとは思えないほど先進的な考えで、20年たった現在に読んでも色あせることのない著書であり、一押しの一冊です。
2010-01-30(土)
■[本]キャズム -キャズム ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング論理-

- 作者: ジェフリー・ムーア,川又政治
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/01/23
- メディア: 単行本
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今回ご紹介する本「キャズム」では、イノベーター理論で分類されていた5つの分類がすべてフラットに繋がっているのではなく、それぞれの分類の間には溝ができており、特に『アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には大きな溝(キャズム)が存在している』とした、「キャズム理論」が提唱されています。
ちなみにイノベーター理論とは、エベレット・M・ロジャース教授が提唱するもので、『イノベーター(革新者)、アーリーアダプター(初期採用者)、アーリーマジョリティ(前期追随者)、レイトマジョリティ(後期追随者)、ラガード(遅滞者)』の5つの消費者に分類されており、それぞれの分類がフラットに繋がっているとされていました。
●なぜオンラインゲーム屋が「キャズム理論」なのか?
「オンラインゲーム運営者がなんでまたキャズムなんか読むのか?」と問われると、「すでにオンラインゲームという業態自体はキャズムを超えてはいるが、コンテンツ単位であってもこのキャズムが必ず存在するため、それを学ぶために」という点が大きい。さらに言えば「キャズム」という理論を言葉だけではく、翻訳された著書を読むことで、深く理解しておきたいという根底的な部分に行き当たります。
●オンラインゲーム市場向けの本ではないが、応用次第で実用可能な一冊
オンラインゲームはハイテク市場の中でも、フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略でも書かれているように、利益を上げるための構造が比較的新しい分類にあたり、キャズムのメインで語られるようなハイテク産業の中でも、現物として流通される商品ではないため、後半で語られる「キャズムを超えるために有用な販売チャネル」といった部分は直接使えないものの、応用を利かせることでさまざまな問題点に当てはめることができます。
何よりも、前半から中盤までかたられる5つの消費者分類それぞれの考え方、行動、傾向と対策といった部分のほかにも、キャズムを越える前と越えた後では同じ製品分類であっても、購入するお客様の分類が変化することにより見せ方や機能面の変化が必要となるといった部分などは、オンラインゲームのタイトル毎におけるUIであったりゲーム内システムの変化などにも当てはめることができるため、非常に有用な一冊といえます。
後半部分は自身が従事している市場によっては読むことさえ疲れてしまうほどに違う説明になってしまうかもしれませんが、前半から中盤にかけてのキャズム理論の内容にあっては非常に有用であるだけに、ハイテク市場にかかわる方にはお勧めの一品でございます。
2010-01-10(日)
■[本]インターネット(Web)マーケティング、PRの実践

- 作者: デビッド・マーマン・スコット,神原弥奈子,平田大治
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/02/11
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Twitter上でふと見かけた 「マーケティングとPRの実践ネット戦略」 という本が気になって買って読んでみました。書いていることは「デジタルネイティブの人間にとって当たり前になっている様々なメディア」が重要であり、それぞれを顧客へむけた情報発信ツールとして使うことで、ブランド力の向上や売り上げに繋がる可能性があるのかについて、実例を交えて書いている点に好感のもてる本です。
・マーケティングはただの広告ではない
・PRとはマスメディアだけを対象にするものではない
・人々は操作された情報ではなく、信頼性を求めている
・人々は参加したいのであり、プロパガンダは求めていない
・マスに向けたマーケティングから、膨大な数のニッチに向けた戦略へと切り替えなければならない
・ネットでは、マーケティングとPRの間にハッキリとした境界はない
(以上、マーケティングとPRの実践ネット戦略の背表紙より抜粋)
背表紙にある簡単な本書の概略にあるように、「マスを向くのではなく、顧客側であったり有力なブロガーなどに対して舵を切ることが、ネット戦略では重要であり、今までの手法や常識・訓戒の多くは通用しない」という点を方向性として示しており、そのために行うべき手法として、ブログ・ポッドキャスト・フォーラムなどを重視すること、プレスリリースも既に顧客に直接リーチするメディアになっているからこそ、SEO対策を十分に行い更新頻度を高め、常にアクセスできるようにすることで接点を作り出す・・・などがあげられています。
では実践するためには、どのくらいのお金がかかるのか。この点については フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略 でも書かれているように、インターネットというインフラにおける必要経費が毎年驚くべきスピードで安くなっている結果、大規模な予算―大掛かりな機械であったり高額なサービスの購入―の必要はほとんどなく、多くの場合非常にコストパフォーマンスの高いネットサービスを使うことで、書かれていることを実践できます。
とはいえ、この本を読めばすぐにでも全ての手法を完璧にこなすことのできる「HowTo本」かと言えばそうではなく、インターネットに広がる様々に生まれるメディアの重要性を広く・浅く説明している本であるため、本当に「マーケティングとPRの実践ネット戦略」を実施するためには場合によっては、それぞれの仕組みをもう少し深く掘り下げる必要があります。*1
本書では手段と手法といった点に目が行きがちですが、本書で書かれている最も重要な点は、結局のところ“インターネットを使ってPR・マーケティングを行う担当(人間)”が「お客さまの方向をちゃんと見ているか」「飽きずに継続的に実施できるか」「そのための仕組みを作り上げられているのか」という点なのかもしれません。
*1:掘り下げるための情報もまた、インターネット上に様々に存在しているためそれらを活用していくことができるはずです。





