うんち――この謎に満ちたすばらしきもの――

 息子の熱烈なリクエストを受けて『Poo うんち―この謎に満ちたすばらしきもの (ほんやくえほん)』を読む。小学生向けにうんちの役割をわかりやすく説くノンフィクション絵本である。
 まずは身近なところからウンチの話に入り、肉食動物、草食動物、小さな生き物から大きな動物まで、いろいろなうんちをウンチ・ツアーとして紹介する。次に排せつの目的を説明。続いてウンチの働き、意味など非常に興味深い話が、においや形、色の説明を通して次から次へと語られる。
 息子は最初から最後まで笑いっぱなしだった。でもユーモアいっぱいの語りとイラストが笑いを誘えど、そればかりでないのがこの作品の強味である。「へえ〜」というトリビア的なことから、「確かに」と納得することまで、ウンチにまつわる知識がたくさん詰まっているから。
 たとえば、ウンチは生物界のリサイクルというところ。他には、もしウンチを食べる虫や動物がいなかったら、世界はウンチだらけになっていたという話。カンガルーやワラビーのウンチを食するオーストラリアのフンコロガシが、移住者たちの飼育する牛乳牛のウンチを食べずウンチだらけになり大変だったというエピソードである。その後、牛のウンチを食べるフンコロガシを連れてきて事態は収拾に向かったそうだけど、ウンチがそうやって分解されなかったら生態系のバランスが崩れ、困ったことがたくさん出てくるのだった。
 『うんち したのは だれよ!』でウンチに興味が湧いたら、次におすすめ。でも、少々長いので初回は1度で読もうとせず、何回かに分けるといい。読後は、ウンチを見る目が確実に変わってくる。(asukab)

Poo うんち―この謎に満ちたすばらしきもの (ほんやくえほん)

Poo うんち―この謎に満ちたすばらしきもの (ほんやくえほん)