One of Those Days

 弟に邪魔される日、「ずる〜い!」の日、思ってもいないことを言っちゃった日、楽しみにしていたのにがっくりの日、ひとりぼっちの日……。これらはみんな、『One of Those Days』に出てくる「ものごとうまくいかない日」のことである。この作品は、愚痴の聞き役というところかな。いろいろな角度から子どもの世界を見つめているので、彼らの素直さ、勝手さ、無邪気さなど心の起伏が、それぞれの状況から浮き彫りにされている。どのページからも子ども心の温度がよく伝わってきて、日々の現場をよく知っている人でないと作れない絵本だろうなあと思った。
 こういういろんな日を体験して、成長していくんだよね。たとえうまくいかなくても、どれだけ豊かな日を送れたかが心の3Dに影響を及ぼすのだ。このような日常は、悲しいかな、大人向きでない。子どものやわらかい心で体験するからこそ、心はどんどん大きく深く成長してゆく。
 お気に入り作家と画家のコンビだったので、楽しみにしていた絵本だった。二重まる。(asukab)
amazon:Amy Krouse Rosenthal
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One of Those Days

One of Those Days