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kinotiz このページをアンテナに追加

 観た映画の話と、考えていることの話。

2016-08-07

[]ホラーとスパイとゲリラ戦、それからロッキーもね。 ホラーとスパイとゲリラ戦、それからロッキーもね。を含むブックマーク

うっかりしているとこういことになる。うっかりは怖い。観た映画が結構あるのに、もう思い出せないもん…。

記憶が頼りにならないから備忘録をつけ始めたのに備忘録をつけることそのものを忘れていました。こういうの、なんていうんだっけ。ミイラ取りがミイラじゃなくて、まあ、いいか。


クリード


ロッキーを観たことがないのにこれから観ました。面白かった!スタローンがすごくおじいちゃんで驚きました。

とてもシンプルなスポコン映画で、主人公の2人の純愛だったり、老ボクサーとの絆だったり、物語ってこういう風にできているんだっていう核の部分が明快で、個人的にはとても好きな映画でした。

いろいろと、シリーズを見ていればわかるシーンなどもあったようなのですが、知らなくても充分楽しかったです。愛の冷めてきた夫婦におすすめしたいです。


ロッキー (字幕版)

ロッキー (字幕版)

ロッキー


クリードを観て、ロッキーを観ていないのはやっぱり、もったいないかなということで。面白かった!いい映画。スタローンて案外ちゃんとした脚本が書ける人なんだということをこの映画で改めて認識しました。クリードの意味がいろいろと明らかになったのもよかった。ロッキーってこういう、動物を愛護するキャラクターだったのか、というのは目からうろこでした。気は優しくて力持ち。スタローンがかっこいいって思ったのは初めてだったので、スタローンってなんかムキムキした人だよねくらいの認識しかない人にはおすすめしたいです。


イットフォローズ


町山さんがおすすめしてたので。面白かったけど、地味なホラーでした。デトロイトのものすごく荒廃した感じと、若者の閉塞感のようなものは感じ取れた。セックスすると感染する「何か」が実体を持って襲ってくる、というのがじわじわ怖い。のろいとかじゃなく、物理攻撃なので頑張れば逃げられる。でも、必ず追いつかれる。そういう切迫感と、自分が誰かにうつせばどうにかなるかというと、うつした相手が死んだらまた自分に戻ってくるだけなので、その相手も含めて逃げ続けないといけないっていうあたりが、逃れられない感を強くしており、主人公がそこで誰かにうつして時間稼げばいいやって終わらないところに誠意を感じました。あんまり人にすすめられないけど、ホラー大丈夫ならみてみてもいいかなと。


ババドック


これもまた、町山さんレコメンドより。シングルマザーと子供を襲う奇怪なおばけの話。イットフォローズよりはこっちのが面白かった。中盤くらいまで、主人公の感じている恐怖が主人公の妄想でしかないのか、実体があるものなのか、が不明確なまま描かれるので、サイコスリラーなのかなって思いましたが、途中からちゃんとおばけの実体がでてきました。

はっきり言ってこんな子供がいたら母親は大変だろうなと思うし、かばってもかばっても報われないと思ったら精神もおかしくなるとも思う。で、ただでさえそんな状況なのに、ババドックっていう外的脅威が現れて、ますます混乱していく母親の泥沼が前半のハイライト。このとき、母親が周囲から完全に孤立しているために「この現象は客観的に見るとこうである」という第三者視点が排除されてしまいます。実際にはババドックがのりうつっているわけですが、周囲からはそれが見えない。

で、これまでは妄想癖と奇行癖のある少年だと見えていたものが、実はただ本当のことを言っていただけだった、ということがババドック登場により明らかになり、そこからは少年と母親の、ババドックを退治するための戦いへと変わっていきます。つまりババドックという実体が私たちにも見えることによって、少年とともに、私たち自身がかのシングルマザーの家庭の状況の目撃者となっていく。このあたりの転換が上手だなーと。後半なんて少年がヒーローですからね。

最終的にババドックを飼いならすということで決着するんですが、私たちはそういう経緯を全部見ているから納得できるけど、そういうこと全然知らないけど、その2人をそのまま受け止めてくれる隣の老婆が本当に救いで、なんというか、家族ってとても閉じたものだけど、やはりどこかに信頼してくれる他者がいることで持っているものでもあるのだなと、社会との絆の大切さのようなものを感じました。ああいう老婆が居てくれる場所に住みたいですね。


アンクル


薦められたので。面白かった!久しぶりにガイリッチー映画を観ました。

個人的にはアーミー・ハマーさんが出ていたので楽しんで観られました。ハマーさんはああいう役が似合うと思う。というかあまり出演作がない中でなぜか3作くらいハマーさんの出ている映画を観ています。

ヘンリー・カヴィルはもうボンドでいいんじゃん、と思いましたが、ボンドはダメなんですかね。

結局スパイ映画を撮るには冷戦って不可欠であり、現代においてスパイ映画を撮るのはムリ、っていうのを露呈してしまったような気もするのですが、爆弾を敵役に投下してドカーン!終了!的ラストが観られてすっきりしたのでヨシとします。今じゃああいうラスト撮れないよね…。

ぜひ続編みたいですけど、続編撮る予定がないようで残念…ハマーさんの出演作で続編が撮られる日は来るのでしょうか…。


ディーパンの闘い [Blu-ray]

ディーパンの闘い [Blu-ray]

ディーパンの戦い


カンヌ受賞作とのことで。面白かったです!これはいい映画。

前半は偽装難民が苦労しながら徐々に家族のつながりを深めていく話なのかなと思ったのですが、最終的に終わってみると、ディーパンが無類の強さを発揮して窮地を切り抜けるアクションムービーだったという。ゲリラ戦を戦い抜いてきた英雄は、フランスの郊外でやさぐれているような不良とはやっぱり違うと。フランスにおける荒廃と、なんとか生き抜いていこうとする移民のたくましさの感じられる映画でした。でも殺人はよくないと思う。

2016-07-07

[] マット・デイモンは地球の夢を見たか。「オデッセイ」他3本。  マット・デイモンは地球の夢を見たか。「オデッセイ」他3本。を含むブックマーク

昨今はやりの地球へ帰りたい系映画を、命に限りがある系俳優のマット・デイモンが演じましたという「オデッセイ」。リドリー・スコットにいい思い出のない私としてはちっとも期待が持てませんでしたが、これは面白かったです。

火星や宇宙の描写はもうこのご時世なんとでもなるんでしょうが、変に真面目っぽくない演出や主人公の軽薄な性格にかえってリアリティを感じました。特に、目的に向かって課題をひとつひとつ解決しながら、出口を探っていくという過程は科学そのもの。決して派手なパフォーマンスも、ミラクルも(一応)ない中で、地味にステップを積み上げることで誰もが予想しなかった結果を手に入れることができるというのは、とても希望に満ちたメッセージでした。とはいえ、宇宙空間で新体操みたいにリボンくるくるさせてるシーンはまぁ、ないよね。ファミリーでも、恋人同士でも、ひとりでも、どなたにもおススメできる作品です。

ギャングスタ・ラップを創始したNWAの伝記映画。面白かった!

ちんぴらの抗争が絶えない地域でうまれた小さなグループが、過激なメッセージとその地域のイメージゆえに「ギャングスタ」というレッテルを貼られ、危険視されながらも圧倒的な人気を獲得していく様子が克明に描かれておりました。あと、これを見るとドクタードレが好きになる。ドレ役のコーリー・ホーキンスがよかったです。


BB8がかわいかった!っていうのに尽きます。まぁ、ずっと観てる人は観るといいと思います。なんというかスターウォーズって、お祭りですし。


アベンジャーズのシビル・ウォーを観るためには避けて通れない作品だったので仕方なく…と思ったら案外面白かった。キャプテンの地味な活躍を楽しみたい方にはおすすめです。

2016-04-09

[]自己肯定を喚起する 自己肯定を喚起するを含むブックマーク

欲望を喚起するマーケティングが終わって、今は社会的な貢献の中で自分自身の満足を得るためのマーケティングが必要というような話を上司からされております。社会的な存在意義のようなものがないと自己肯定できないって、ずいぶん今の人は大変だなぁというか、むしろ処世術というか、社会の中で役に立ってる自分が素敵とでも思わないとやってられないんだろうとか。

同僚の姪っ子の話がすごくて、欲しいものがないという。高校に入学するのだから、何でもいいからお洋服とか、文房具とか、そういうものをプレゼントしてあげるから言ってごらん、と言っても、そういうのはいい、というのだそうだ。

で、これ、私はすごくわかる。わかるっていうか、私にも少し似たところがあった。

小さいころから欲しいものがなくて、ないけどムリにでも何か買ってあげると言われるのでじゃあ本を買ってと言っていたくらいで、むしろ欲しいのは美しい顔であったり、豊満な胸であったり、やせた体であったり、モテる人格であったりしたのだけど、どれも手に入らないから、他に欲しいものなんてなかった。おそらく、欲望は近いところにあるからこそ欲しくなるんであって、どれも遠いな〜って思うと、全然欲しくならない。

ところが少し成長して、やせて、着られるお洋服が増えて、買えるお金ができたら、すごく欲しいものが増えた。あれも、これも、私のためにある、って思えるようになった。お店の前に立っているマネキンと同じ格好ができるということが、すごく嬉しかったのだろうし、楽しみでもあった。

欲しいっていうのは、そこに可能性のある自分がいるから生まれる感情だ。し、そこに想像できる自分がいるから生まれる心の動きだ。ってことは、同僚の姪っ子は、お洋服を着た自分を想像していないんだろうし、それを着て何をしたいということもないのかもしれない。

反対に。旅行には行きたいんだそうだ。お友達とでかけたり、おうちに呼んだり、するのは好き。そのための準備はするし、そのためにはお金を使う。おいしいものを食べにいきたい、素敵な風景を観に行きたい。そのための交通費や食費や宿泊費には、お金を使いたい。でも着ていくのは、そんなに豪華なお洋服じゃなくっていい。お洋服きて素敵な自分じゃなくて、友達と一緒に楽しんでる自分の方が、きっと姪っ子ちゃんはいいのだ。

体験は、その人にしかできない。同じ風景も、同じ食事も、同じ洋服も、同じ時間も、ひとつとして存在しない。成熟した社会の中で、若い人たちはそれに気づいている。自分がどう感じるか、自分が体験したことをどう伝えるか、そしてそれが、他人の目にどう映るか。360度の視界の中で、”繕う”ことも”魅せる”ことも、その感覚とはちょっとちがう。彼らはきっと、安心したいのだ。異なる自己を肯定するために、異なる体験を肯定するために、自己の価値を大切にしながらも、誰かと共有することで納得してもらえるものを好きになる、突出したものではなくあらかじめ評価されたものを好む。

私には、そういうのって、許してもらうことに近い。私はこういう私ですけど、問題ないでしょうか。私はこういう感覚をもち、こういう体験をしている、こういう人間ですけど、OKでしょうか。みんな、そう言ってるように見える。それが常に評価されて、常に変動していく中で、ずっと関係を持ち続けようとおもったら、誰もが納得する理由を探すしかないし、それが利己的なものを排した、社会貢献によって達成される自己肯定なんだろうし、その意味では、今の消費の中心、労働の中心になりつつある人たちはむしろ社会の欲望のようなものをうまく自己と切り離さないと、ちょっとキツいんじゃないかなぁとか、余計なことを考えてしまう。

いや、そもそも、社会なんてないんだろうナって少し感じたりもする。それってなんとなく繋がっているもののレベルで、日常的には、友達や、家族や、同僚という範囲の中で繰り広げられる感情のやりとり、だし、そこにある程度納得できる体験が見出せたら、それ以上のものは求めないという、なんというか、謙虚な暮らし。

残るものなんてない。だから、今体験できることを大切にしたい。そういう、素直さの表れなんだとしたら、すごくわかるけど、先々大変だよなぁ、って、思って、そう思うってことは、やっぱだんだん年取ってきてるのかなぁ。とか、思います。

結論はないけど、喚起すべきなのは自己肯定だっていう話なんだと思います。