from Gatsby to the wonder

なかなか新作を見に行けない日々です。一番観てみたいのはスコセッシ監督ディカプリオ主演の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でしょうか。まだかぐや姫も見ていないのでそっちも気になってるんですけれどもこれはもうDVDでいいかなとか思い始めています。


抜群の安定感!とても面白かったです。ディズニーってすごいなぁと改めて思いました。友情モノとしてとても完成度の高い映画でした。大学の頃も思い出したりしつつ、楽しんでみられました。個人的にママの異常なふわふわ感が一番怖かったです。



ノローグと断片的な映像でつづられていく映画ですが、いまいち面白いところを見つけられずに終わってしまった感じ。映像自体はとても綺麗で、パリとアメリカ郊外の景色がうまく切り取られているなと思いました。ですが、綺麗なだけで、物語未満。主人公の心の動きがいまひとつ理解できず、「ただの不思議ちゃん」にしか見えないですし、それを受け止める側の男性に何が起こっているのかイマイチわからず、結果的に「不思議ちゃんがパリからアメリカにとついできたけど馴染めなくて帰国する」話を2時間の間延々と見せられたというだけのような…。映画は雰囲気、と割り切れる方であればもしかしたら楽しめるかもしれません。私はムリでした。
時間の行き来、断片的構成による時間感覚の意図的な混乱、を主人公の感情的混乱に載せるというあたり、PTAやゴダールと似た手法だとは思うんですが、何かが決定的に違っていて、とりあえずそれを理解するために気狂いピエロあたりから見直すべきかもしれません。たぶん精度の問題だとは思うんですけど、それでこんなに質の違いが出るのかなぁとも思います。



フィリップ・シーモア・ホフマン追悼ということで。ホフマンさんの演技が光る、いい映画でした。物語の展開としては特別新しいものはないのですが、何しろホフマンさんの揺れる乙女心が細かい表情や動きとして絶妙に表現されており、恋愛要素など何もない映画なのに胸が苦しくなりました。他の映画で見るホフマンさんと全然違う。当たり前なんですけど、この当たり前がきちんとできる役者さんて貴重なんだなぁと感じる今日この頃。惜しい人を亡くしました。他の役者さんたちも演技が上手で、映画という舞台をしっかり成立させていたのがとてもよかった。最後の涙の場面がアクシデントだったということですが、確かに若干の生々しさがそれまでの作りこまれた舞台とは異質だったかもしれません。
カポーティの『冷血』自体は未読ですので、これを機に一読してみようかと思います。



華麗なるギャツビー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

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とりあえずJay-Zがどう絡んでるのかが気になって。けだるい映画でした。小説自体がけだるいのでどうしようもないのかもしれないんですが、もっとなにかやりようがあったんじゃないかとか色々考えてしまいました。出演者は悪くなかったと思うんですが、脚本が映画向きでなかった印象。
ディカプリオのハンサムぶりというか、ハンサムじゃないのにかっこよく見えるマジックが遺憾なく発揮されており、そこはとてもよかったです。また、謎の人物であったギャッツビー氏が次第にうろたえ、化けの皮がはがれていく悲哀も出ていました。要所要所は悪くなかったような気がしますが、映画全体で考えると、やっぱりちょっと、残念な感じがぬぐえないです。
個人的に、パーティの場面はもっと華やかに、狂乱していてもよかったなーと思いました。遠景からのショットが多すぎて、イマイチ入り込めずに終わってしまったので。この監督は、遠景からの構成が気になるタイプなのかなぁと感じました。画面の構成は綺麗でしたが、それが面白いものになっているかというと、そうではないというのが難しいですね。