日本上空いらっしゃいませ

日本上空いらっしゃいませ (HJ文庫)

日本上空いらっしゃいませ (HJ文庫)

読了。

「傷の痛みなんかよりな、あんな連中の顔色窺って記録伸ばすのに必死になってた自分がなあ。痛くてしょーがねえんだよ」
砕けた脚の骨よりもずっと、挫けたのは気持ちの方。
もう走らない。
走れない。
走りたくなんかない。

「平和な日本に突如異世界が出現、その住人の美少女が俺を好きだって言うんだけど」


うーん、物足りない。
なんかタイトル的に客室乗務員*1の話かと思ってましたが、全然違いましたね。次元すべりによって様々な次元をさすらう国が、今度は日本上空を間借りすることになった、という話。
どうもHJの本誌連載だったらしく、連作短編方式になってます。なんというか……ここでもうちょっと尺があれば盛り上がる! って所で話が急に終わって、次の短編へいって、しかも話としてはある程度繋がってたりするのに、短編の最初にあらすじ紹介が入ってるので*2途端に盛り下がってしまいました。この辺は削って欲しかったな……。だって3,4ページ前に書かれてたことを、改めて言われても鬱陶しいだけだし。あと、1篇目で「この後、クリスマスの時に〜(中略)〜またそれは別のお話」 とかいう感じで終わるのですが、2編目ではすでに3月だったり。「えっ!」 っていう感じ。もうこの辺りでいや〜んな予感がしてました。
異文化コミュニケーションな部分(殺人料理) とか、199頁「なんじゃ、そのとんでもマイ・ルーラーぶりは!」 とかいう単語のセンスには笑ったりしたんですが……というか、一番面白かったのが上記のあたりで笑ったこと、ってのはどうかと思います。やっぱり。いやでも、この台詞はツボに入ったくらい面白かったですけどね。


短編は短編でいいですが、文庫では長編も書いてほしいですね。まあ、そんなことにはならなさそうですが……。

*1:スチュワーデスはいけないらしいので、キャビンアテンダントないしはCAですが、どうも、どちらもかっこつけてる言い方な印象を受けるので、客室乗務員でw

*2:まあ連載だから仕方ないけど。