とらドラ!8

とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)

読了。

「ベタベタ鬱陶しく竜児にくっついてたよ!」
「そうだったかなぁ〜? ま、どうでもいいんだけどぉ〜」
大河をからかうように亜美はくねっとぶりっこ笑いをしてみせて、そして亜美は不意に低い小声、呟くみたいに、
「――あんたが、それで、本当にいいならね」
サングラスをかけて、そう言う目元を隠す。

始業式前日。インフルエンザから回復したものの、精神的ショックは未だ根深く、明日の始まりを呪っていた竜児。しかしそんな心持ちに関わらず、大河は一人立ちの決意を竜児に話す。――それは、他ならぬ竜児と実乃梨のため。


うああああもおおう! 面白かったです。
新しくわかった事実とかはありませんが、これまでに溜めに溜めてきた、各人の関係性のテンションが遂に切れてしまいました。つまり、読者が知っていて、登場人物が知らないことが、各々にバレてしまうということで……驚きとかそういうのはありませんが*1、今にも張り裂けそうな緊張感がたまりません。というか張り裂けましたか? 張り裂けましたよね?
206頁「だって、竜児も、竜児の心も、生きているのだ。殺そうと血を噴くのだ」 はーい始まりますよー。236頁「ほんとに、どんだけ残酷?」 始まりましたよー。もうピーピングの緊張感と相まってどっきどきですよー。250頁「だってうそだもん。信じて、作戦通りなんかじゃない」 初見のときは気づきませんでしたけど、”嘘” のかかる場所って、これ、この字の通りですよね。あわわわわ。261頁「どんなに悪いことだと言われても、離すべきではなかった」 あー、やっとそちらに行きましたか。最後のページで、涙を呑んでいた彼女の所を読んで私が受けたイメージは、『一歩退くための前フリ』 なので、やっぱ正規ルートになるってことですかね。


なんか7巻もそうでしたが、凄い場面で終わってます。789が上中下巻で本編終了、あとはスピンオフってところ? 次も期待です。

*1:だいたい分かってることですし。